
前回の記事、
◆鉄道模型、どっちのヤードが優秀!?(質問編)
の続き、回答編になります。
「ヤードA」と「ヤードB」、私は「ヤードB」が優秀だと思います。
その理由は、使用する線路の数が少なくて済む事で、これにはこの図面からは見えない効果もあります。費用がお安く済む・・・勿論それもありますが、なんと言っても電圧降下を抑える事が出来るというのが一番の理由です。
レールの接続部では、電圧降下が発生します。従って接続部が少なければ少ないほど末端のレールでの電圧降下は抑える事が出来ます。
この図面では、画像サイズの関係上、ヤード長は20m級の車両で最大10両ですが、ヤードが長くなればなるほど、ヤード末端での電圧降下の影響は大きくなります。
鉄道模型シミュレーター(VRM)のようなツールで、レイアウトを設計すると、見た目の綺麗さ(今回の場合は左端を綺麗に揃える)に拘って「ヤードA」のような図面を作図し、実際のレイアウトでもその図面のとおり同じように線路を施設してしまいがちです。
TOMIXさんの公式レイアウトプランでも、ヤードに関しては末端(エンドレール)を綺麗に揃える為なのか、短いレールをヤードの根元にを繋いで見栄えを良くしている例があります。
↓TOMIXさん公式レイアウトプラン

赤枠内の箇所で、短いレールをヤードの根元に施設しています。
どおしても末端(エンドレール)の見た目を揃えたい場合は、末端(エンドレール)側に短い線路を使うべきでしょう。その場合でも、私は「ヤードB」の方が優秀だと思います。
皆様は、どのように思われますでしょうか?
フレキシブルレールを使うならその辺あまり拘る必要はないですが、道床付きなら間違いないです。
あと意外と航空写真で上から見てると、カーブの内側にあったりして末端が揃ってない基地って意外とありますので、末端が揃ってないBでもそれっぽかったりしますね。
ポイントレールから末端まで長いフレキシブルレールを利用するのは、電圧降下対策になりますね。
当方の固定式レイアウトのヤードも本線のカーブの影響で、ヤード末端は不揃いです。
↓◆鉄道模型「レイアウト」の紹介
https://blog.goo.ne.jp/nanatsuiro/e/9e01fa55046acda6e827b7913e45da9e
「72.5」は「ヤードA」で左端をそろえる為に多用しております。
「ヤードB」は、末端までの電圧降下を減らす事を第一優先に考えておりますので、端数調整用のレールは使用いたしておりません。従いまして、ポイントレール側に長いレールを優先して接続いたしております。
電圧降下と一括りにしてご使用されていますが、実際にはどれだけ電圧降下しているのでしょうか?
この度の記事の線路図は「鉄道模型シミュレーター(VRM)」で作図しており、実際に電圧を測定いたしておりません。どのくらい電圧が低下するかは使用される線路の状態により可変しますので、一括で「電圧降下」という言葉を使わせて頂きました。ただ接続部が多いほど電圧降下の原因になる事は間違いないと思っております。
S72.5を連続で使うことも多いのですが、そのときはレールをはんだ付けしてロングレール化して使っているので、接触抵抗の増加による電圧降下は気にしていません。
レールを半田付けされれば、電圧降下の問題はかなり改善するでしょう!
しかし、その為には半田付けの手間と部材の費用がかかります。
また、沢山の接続部で車両への走行安定性も失う事になります(実際、走行時に接続部で車両が揺れます)。ジョイント音を沢山楽しみたいというような意図があれば、短いレールを沢山繋ぐ理由にはなりえます。
固定式レイアウトではなく、お座敷レイアウトでの展開を考えますと、やはり接続部が短い方が手間が掛かります。短いレールを全てバラさなければ、走行安定性のみの差になりそうです。短い線路を全てバラせるのは、収納面で融通が利くという利点はあります。
総合的に見て、私は「ヤードB」の方が優秀だと思っております。