即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

竜王戦が終わって

2011年12月05日 17時36分56秒 | 将棋
先日の竜王戦第五局。
封じ手での決断の一手から果敢に攻め込んでいった渡辺竜王が勝ち、4勝1敗で防衛。
シリーズを通して渡辺竜王の安定した強さが光り、危なげなく丸山九段を押さえ込んで8連覇を達成しました。
ますますその構想力、踏み込みの良さ、読みの深さが進化してる印象を受けました。
島九段は第四局について、「二人の読みが噛み合わない熱戦」と評していましたが、そんな丸山九段の角換わりからの異能感覚の将棋を封じ込め、常に序盤からリードして積極的にどんどん切り込んでいってました。
そして、二日目の昼頃にはかなりのリードを広げ、終盤で多少粘られるもののその差を守っての横綱相撲。
この第五局でも最後に▲1ニとが働くことになるなど、その大局観も含め、ずいぶんと自分の将棋に自信が出てきたのだと思います。
この強さは多分竜王戦に限ってのことでなく、今までとは違って他の棋戦でも来年は安定して活躍することになる予感がします。

さて、王将戦は、豊島六段の二期連続挑戦で決まりかと誰もが思っていたら、佐藤九段が羽生、広瀬、そしてプレイオフでの豊島と3連勝して久々の挑戦を決めました。
去年、おととしの棋王戦での久保二冠との大激闘を思い出しますね。

そして棋王戦は、郷田九段が広瀬七段を破って勝者組決勝に進出。
まだ決定ではないものの断然有利で久々のタイトル戦登場が期待されます。

このところ渡辺竜王を含め、広瀬、豊島、糸谷といった20代の活躍が目立ちつつあったものの、今回の丸山九段も含め、羽生世代の逆襲が始まった感がします。

まだまだ若手の時代にはしないよ、そう甘いもんじゃないよ、と世代全体の力で伸びてくる頭を押さえつけようとしています。

ここでその中間の世代、久保、木村、深浦、三浦、というところの勢いがありません。
上と下の世代に挟まって、存在感をどこまで示していけるのか、このまま大人しくしてるはずはないので、来年はここにも注目が集まります。

王座戦の時に書いた記事、途切れた記録の値打ちにもありますが、現在7つのタイトルは、1・2・2・2と季節ごとに割り振られ、

春は森内、夏は羽生。
秋は渡辺、冬は久保。

という具合になってます。

四季折々、色取り取り、群雄割拠の戦国時代です。

逆襲に転じた羽生世代、そしてまだまだ勢いが止まらなそうな20代、その間に挟まれた30代。

さて来年の棋界勢力図は果たしてどう変化していくのでしょうか?楽しみです。
コメント (2)
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