即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

大混戦モード・その2

2009年01月17日 21時37分49秒 | 将棋
いよいよ王将戦第一局、始まりましたね。
4勝2敗で大混戦の王将戦リーグを勝ち抜いた深浦王位が、羽生王将に挑戦、という、王位戦とは逆の対決。

今、羽生四冠との対戦成績がほぼ互角なのが、渡辺竜王と、深浦王位の二人。

以前、インタビューされて、羽生さんは、ペースが合わないので、自分とはやりにくいんじゃないのかな、って深浦王位が言ってましたね。

また大熱戦が見られそうです。

王将戦リーグのことも含め、去年12月に大混戦モード、という記事書きましたが、今日は順位戦A級リーグの話。

12月時点(5回戦まで)では、

5人が3勝2敗。
そして残りの5人が2勝3敗。

というめったにない状況でした。

そして、現在の状況は、

1 郷田 5-2
2 森内 4-3
3 佐藤 4-3
4 三浦 3-4
5 木村 3-3
6 谷川 3-3
7 丸山 3-4
8 藤井 3-4
9 鈴木 3-4
10深浦 3-4

となってます。
郷田九段が頭一つ出ていて、森内、佐藤が続いている。
来週の木村vs.谷川戦で、7回戦が終了、残り2局となるわけだが、
二人とも3勝3敗だから、

5勝が郷田。
4勝が、森内・佐藤・もう一人(木村or谷川)。
そして、
3勝がなんと6人も。

超ダンゴです。
ダンゴ10兄弟。(古っ!)

こんなブログがあり、いろんな確率を計算したりして、現状を分析していましたが、さあ、どうなるんでしょうか。

5人が5勝4敗。5人が4勝5敗、なんてことも考えられる。
どうします、史上初でこんなことになったら?
プレイオフも大変だね。

降級に関しては、過去何度もあった、「4勝5敗で降級」なんてことがかなり現実味を帯びてきた。

王将戦でも忙しい深浦王位は、順位最下位でもあり、過去4勝5敗で2度も降級しているので、3度目の危機が。(これも史上初?)

さあ、2月4日と3月3日。
このまま順当に行くのか、
はたまた、挑戦も降級もまだまだとんでもないことが起こるのか。

一陽来復という記事も最近書いたけど、
誰が羽生名人に立ち向かうのか、ますます楽しみになってきているA級順位戦です。
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番組制作現場の本音

2009年01月17日 00時18分40秒 | メディア
年末のTBSの番組、情熱大陸について、その1.その2.と、TV業界の現状を踏まえて少し辛口で書きました。

それに関連して、今月9日の毎日新聞朝刊、孤独の岸辺という連載その9、『今はタクシー運転手をやっている元テレビマンの話』が興味深かったのでダイジェストでご紹介します。
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 ◇不況下、東京を撮りたい 乗客の人生、背中に…

 午後5時。年の瀬の日曜日、東京・渋谷。駅のロータリーから数百メートルにわたり、空車のタクシーが列を作った。スクランブル交差点の信号が赤になった。目の前を行き交う若者の群れ。「この中で、客になるのは多くて3人。特権階級だよ」。タクシー運転手の男性(59)がため息をついた。

 02年、運転手に転じてすぐのころ、浜松町で40代半ばの客が乗ってきた。「会社をつぶしたよ」。FMから70年代の音楽が流れていた。ボリュームを下げようとすると「かけっぱなしでやってくれや」。励ましの言葉が見つからない。川崎までの30分が何時間にも感じられた。あれから7年。「来月は会社がないかもな」。ため息とともに漏れる乗客の言葉を、この冬は何度聞いただろう。

 転職前は、テレビ局で番組制作に携わった後、フリーでドキュメンタリーを何本も手がけた。01年、宮大工に小学校で授業をしてもらったのが最後の企画だ。いま、不況風が吹きすさぶ東京で、何もできずにいるのが悔しい。1本、あと1本撮りたいと思う。

  <中略> 

 午前3時45分。若い男性を民放スタジオへ運んだ。以前に自分も通った場所だ。

 一時は「天才」と呼ばれた。現場にこだわり、苦労と驚きを仲間と共にしながら作品を練るのが喜びだった。大工の棟梁(とうりょう)のような気持ちでいた。

 だが、時代は変わった。若者はネタ探しをパソコンに頼り、番組は制作者ではなくコメンテーターのキャラクターに合わせて作られるようになった。市民マラソンの撮影現場で、局の人間が言った。「ばあさん一人倒れれば絵になるな」。それが許せなかった。途中降板。考え方の違いにいら立ち、人は去り、仕事はこなくなった。2人目の妻にも愛想を尽かされた。そして一人になった。

  <中略>

 弱い人間に運転手は務まらない。明けに4畳半のアパートで、ドキュメンタリーの企画書を書こうとペンを握ると、疲労と睡魔が襲う。情けなくて嫌気が差す。前妻に引き取られた一人娘の顔が目に浮かぶ。今の自分は、幸せにしてやれなかった報いだと、言い聞かせる。

 午前5時半。客などいないと分かっていながら、運だけを待って高級住宅街を流す。あきらめてはいない。まだ誰も絵にしたことのない東京を撮りたい。
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せつない話です。まあ、今の彼の生活のことは置いといて、以前TVマンだった頃制作現場の話。

『若者はネタ探しをパソコンに頼り、番組は制作者ではなくコメンテーターのキャラクターに合わせて作られるようになった。市民マラソンの撮影現場で、局の人間が言った。「ばあさん一人倒れれば絵になるな。」』

本当かどうかはわからないけど、いかにもありそうな話に思えてしまう。

あるあるの話、とか、先日の番組ネタのブログを偽造した話とか、視聴率のためなら、偽造でも偽装でもなんでもありの構図が隠れ見える。

寂しいことです。

やはり、同じ日の毎日新聞朝刊に、野坂昭如の連載、『七転び八起き』というコラムがあり、そこでも同じような話が載っていた。

「今後の日本」というタイトル。現代の不況極まりない日本について書かれているが、中でもマスコミについて、そして、TVについて書かれている。
(部分的に引用します。)
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景気は良くはないのだろう。
しかしマスコミが騒ぎすぎるきらいがある。
経済も生きもの、良し悪しの波があって当然。

マスコミが不況を伝える一方で、年末年始のテレビ、各局こぞって恒例のどんちゃん騒ぎばかり。
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結局、上辺ばかりなので不況の深刻さが伝わらない、と結んでいる。

また、自らもCMソングの作詞(伊東に行くならハ・ト・ヤ♪は、野坂さんです。)をしたり、台本を書いたりしたTV創世記の話。

そう、あの頃は、野坂さんだけでなく、永六輔、五木寛之、開高健、青島幸男、大橋巨泉、前田武彦、と、そうそうたるタレントがTVやラジオの現場に、すごい熱気を注ぎ込んでいた。

自分の哲学や美学を持ち、編集など無し、真剣勝負の、生放送や中継の番組を作っていた。
TVには、彼らの多様な才能が光り、意気込みが溢れていた。

それに比べて、
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今のテレビは、ほぼ下請け会社の取り仕切り。
局は視聴率獲得に一喜一憂するのみ。
代理店はスポンサーの顔色をうかがう。
こうしてくだらない番組の垂れ流しは続く。
そしてその制作費はCMを見ている視聴者が負担しているのだ。
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時代が違う、と言えば、そこで終わり。

そんなテレビの問題から発して、国際社会における日本の現状、今後を野坂さんは憂いている。

まあ、それはともかく、

テレビやマスコミの現場の意識、自覚、情熱、誇り、気概というものが、
今後の日本に与える影響というのも、測り知れないものがあるのでは、と思っている。
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