旅限無(りょげむ)

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国連汚職、どうするアナン事務総長!

2005-10-28 12:25:47 | 外交・世界情勢全般
■政治家と役人と医者は、動かぬ証拠を突きつけられても「知らぬ存ぜぬ。覚えていない。」と逃げ回り、最後には「私は常に正しい!」と開き直るものです。それが厚生労働省であろうと、国連であろうと、御役人の性根は変わりません。それにしても、ボルカーさんは良く調べ上げたものです。何処かの諜報機関が協力したのでしょうか?日本では、たったの「1億円」さえ行方不明なのですからなあ。

国連のイラク人道支援事業「石油・食料交換プログラム」にからむ不正疑惑を調べている国連の独立調査委員会は27日、2200社以上の企業が旧フセイン政権に総額18億ドルもの不正な支払いを行っていた、とする報告書を発表した。不正支払いをしていた企業には、ダイムラークライスラー <DCX.N>、シーメンス 、ボルボ など大手企業が含まれるという。
同委員会はボルカー前米連邦準備理事会(FRB)議長が委員長を務めている。今回発表された報告書のなかでは、当時国連の制裁解除を目指していたフセイン元大統領から有利な扱いを受けていたとして、ロシアやフランス、英国、イタリアなどの政治家の氏名も公表されている。「石油・食料交換プログラム」は1996年12月に始まり、2003年に終了した。イラクのクウェート侵攻を受けて国連は1990年にイラクに制裁を科したが、同プログラムにより、イラクは食料や医薬品など民生品を購入するために限り石油を輸出することが可能になった。同報告書によると、このプログラムの下でイラクは合計642億ドルの石油を248社に売ったが、うち139社が割増金を支払っていた。また、3614社がイラクに345億ドルの民生品を売ったが、2253社がリベートを渡した。イラクは計18億ドルの利益を得たという。ロイター 10月28日

■ロシア、フランスは米国に楯突いたのですから、きっと裏で美味しい話があるのだろうとは思っていましたが、英国とイタリアの政治家までどさくさに紛れて美味しい思いをしていたとは、やりますなあ。政治家というものは、国の区別などは無く、金の臭いに敏感なようです。「リベート」という便利な言い方が事態を不明確にしてしまいます。これは裏金ですし、「賄賂」です。ですから、これは国連を舞台とした国際的な収賄事件なのです。

旧フセイン政権下のイラクに対する国連の人道支援事業「石油・食糧支援プログラム」をめぐる不正疑惑で、独立調査委員会が27日に発表した報告書の「不正関与企業」一覧表に、「NIPPON KAYAKU」という名の日本企業が記載されていることが分かった。…同社はイラクに抗生物質などの医薬品を供給する契約計7件を締結。契約額約380万ドル(約4億3700万円)に対し、「アフターサービス料」として約33万ドルのリベートをイラク側に支払った。独立調査委は、イラク側の資料や銀行の取引記録などから、計66か国、2200以上の企業が不正に関与したと認定。契約額の1割程度がリベートとして支払われたとしている。NIPPON KAYAKUと見られる医薬、化学関連企業の日本化薬(本社・東京都千代田区)の広報部は「現在、事実確認をしている」と話している。読売新聞 10月28日

■「アフターサービス料」とは、これも面妖な言葉です。380万ドルに対して33万ドルならば、ほぼ1割のリベートです。キック・バックは3%~5%と相場が決まっていると、何処かで読んだ記憶が有ります。フセイン一族は、相場の倍額を要求していたのですなあ。それに応じなければならなかったとすれば、企業側には相当にヤバい取り引きだという自覚が有った事になります。日本化薬は即座に否定できず、これから「事実確認」するというのですから、これは限りなく黒に近いでしょう。

■石油を売れば割増料金、商品を買えばリベートを要求。これに唯々諾々と応じていた企業群は、フセイン政権が繁栄することを願っていたのでしょう。これがアラブ流の商取引なのか、世界共通の裏の決まり事なのか……。これはイラク国民の生活を気遣って決定された「食糧と医薬品」の取り引きに関連して発生した贈賄事件です。これらとは比べ物にならない高価な買い物になる武器弾薬となれば、一体、どんな取り引きが行なわれているのやら、想像するだけでも恐ろしいですなあ。売りつけた弾薬をどんどん使って貰って追加注文を取らねばなりませんし、性能を上げた新製品もどんどん売り付けて古い武器を市場から駆逐しなければなりません。それらが、中古品として闇の更に置くの闇の中に消えていくのですなあ。

■今回の事件が国連で起こったからには、国連職員が仲介役を果たしていたのでしょう。そこで賄賂からの抜き取りが盛んに行なわれていたに違いなく。事務総長は、自分の手を汚さずに息子にやらせていた事が分かっています。それでも平然と世界平和を語れるくらいの心臓でないと、国連事務総長は務まらないのでしょうなあ。何とも恐ろしい組織です。偽情報で問答無用の攻撃を仕掛けた米国も決して正義の味方ではないでしょうが、何だかんだと尤もらしい理屈をコネて反対していた国々も、時間を引き延ばして裏商売に精を出し、うまく行ったら露見しないで済むかも知れないと考えたのでしょうなあ。

■こうしてボルカーさんを投入して国連とイラク攻撃に反対した連中の悪事を暴いたブッシュ大統領は、次のターゲットを早々と特定して張り切っているわけです。シリア攻撃の可能性が高まり、すぐにロシアが反対に動き始めましたが、「また、ロシアは裏で汚い商売をしているに違いないぞ!」と大キャンペーンを張れば、拒否権を封じる事も出来るでしょう。政権が変るドイツがどんな動きをするかは分かりませんが、シリアは国連という逃げ場を失った事だけは確かなようです。そして、日本にも小さなペナルティが科されるはずですが、本日28日に原子力航空母艦の配備を発表するというのも、その一環なのではないでしょうか?

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2 コメント

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チェック機能なき国連 (猫研究員)
2005-10-29 06:24:07
TB、どうも有難うございました。

国連というものは、チェックなき巨大な官僚組織というのが実態ですね。見ちゃおれんとしかいいようがない。

日本は国連分担金の2割弱も負担しているわけです。先日「各国の役割分担に応じた負担を」という演説を国連大使が総会で行いました。常任理事国入りに汲々とするのではなく、例えば、浄化作用を果たせるような機構作りをしないならば分担金の拠出を見合わせることを示唆して国連を少しでもマシな方向に持っていこうという努力があってもよいはずです。

それにしてもボルカー氏はよくやってくれました!拍手喝采ものです。
猫研究員さんへ (旅限無)
2005-10-29 09:32:34
いらっしゃいませ。分担金を圧力にして「浄化作用を果たせる機構」を作るというアイデアは良いですね。でも、「我が国の代表を標的にして調査をしたら、宣戦布告と見なす!」なんて叫び出しそうな国が、最低一つ有ったりしますね。それに、破綻国家の代表などが調査に加われば、「手抜きするけど、幾らくれる?」などと言い出しそうだし、加盟国は皆、マトモな国だという前提自体に無理が有るのですから、イタチごっこかも知れませんなあ。国連内部も三権分立が必要なのですが、最終的にはなあなあの国際公務員組合でしかないのでしょう。困りましたなあ。

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