■「朝令暮改」という言葉は権力を握る政府などを批判する時に使用すべきものですから、愛用する言論人やマスコミ人も多いのですが、報道機関が誤報を流してお詫び訂正をする場合にも使えるかも知れません。それにしましても「民主党幹部」とは何者ぞ?
「怒りに震えている、本当に。あり得るわけがない。(外遊に)行った人が職員含めて10名くらいいるのだから、そういう人たちに聞いても分かるし」(赤松広隆農水相)
赤松大臣の外遊を巡っては、19日夜、民主党の複数の幹部が、長期出張していたことは問題だという考えを示し、この間に大臣がゴルフをしていたと、明らかにしていました。これについて赤松大臣は20日朝、このように全面的に否定した上、民主党幹部も、20日朝になって、大臣がゴルフをしていたという情報は「伝聞だった」などと発言し、具体的な根拠は無かったことを明らかにしました。JNNでは、20日朝のニュースで、19日夜の民主党幹部の発言を報じましたが、発言に対する裏付け取材が不十分でした。お詫び致します。
5月20日 TBS
■こういう場合は「伝聞」とは言わず「怪情報」と言うのではないでしょうか?いろいろと問題の多いTBSテレビですから、この種の勇み足も珍しくはないのですが、悪質な噂を公共の電波に乗せてしまったのは拙かったですなあ。まあ、今、最も叩き易くて視聴率が取れそうな敵役は赤松農水相であるのは間違いないのですが……。
平野博文官房長官は20日午前の記者会見で、宮崎県内で家畜の伝染病、口蹄疫の被害が拡大する大型連休中に、赤松広隆農林水産相が外遊先でゴルフをしていたとの一部報道について「事実は確認して報道していただきたい」と述べ、事実関係を否定した。
2010年5月20日 産経新聞
■平野官房長官も徳之島で「丸呑み」密談をした帰りに宮崎県庁に立ち寄って、関係者から「何しに来たんだ?!」と責められた口ですから、大臣の初動を批判するわけには行かないでしょうし、火を噴いて墜落している鳩山内閣の番頭役としても、小さな火種をこまめに消して歩く役目を果たさねばなりますまいなあ。
■政治家のゴルフと言えば、2001年2月にハワイ沖で起きた愛媛県立宇和島水産高等学校所属の漁業練習船えひめ丸(499トン)が米海軍のロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦グリーンビルに衝突されて沈没し、9名が死亡した悲惨な事故の第一報を聞いた当時の森喜朗首相が運悪く?大好きなゴルフをしていてプレーを続行してしまったことを思い出します。欧米メディアも面白おかしく連日のように報道したものですから、海外の評判を気にする日本のメディアは輪を掛けて大きく取り上げまして、とうとう退陣問題に発展してしまったという悲喜劇がありました。
■国家の一大事が起こっている時にエライ人がゴルフを楽しんでいるという図は、ゴルフ好きの多い日本では注目を集め易いネタなのでありましょうが、仮に赤松大臣が外遊中にゴルフをしていたとしても、外交日程をきちんと消化して一定の成果を上げていれば大した問題ではないような気もします。勿論、外遊を直前にでも中止して陣頭指揮を執るとか、緊急帰国して一言自分の油断を詫びてさっさと対応に尽力していれば立派な大臣だと褒められもしたのでしょうが……。
■出発直前まで、誰が言ったのか知りませんが驚くほど楽観的な話ばかりが大臣の回りに満ちていたそうですから、外遊自体を責めても仕方がありますまい。長期の外遊ともなれば、空き時間に英気を養うことも大切でしょうし、会議や交渉の場で立派な仕事をして下されば文句はありません。但し、外遊中に口蹄疫に関する情報をどれだけ収集していたのか?それは確認しておくべきでしょうなあ。首相のように「まったく知りませんでした」というわけでもないでしょうが……。
自民党の浜田靖一国会対策筆頭副委員長は20日午前の記者会見で、家畜伝染病「口蹄疫」の被害拡大をめぐる赤松農相に対する不信任決議案について、「きょうの(衆院本会議での)答弁などを勘案しながら考えていく。当然検討に値する」と述べ、国会への提出を目指す考えを明らかにした。また、社民党の重野幹事長は20日午前の記者会見で、「口蹄疫」の被害拡大について、「初動対応に遅れはあったんだろう。農水省の初動対策、対応に不十分さがあったということになれば、責任はとらないといけない」と述べ、赤松農相の責任に言及した。
5月20日 読売新聞
■赤松大臣自身が「反省すべき事は無い!」と言い張っているのに、連立与党から責任を問う声が上がるところが鳩山内閣らしいところであります。社会党が分裂した頃から燻っていた怨念に火が付いたとも言えましょうが、社民党という政党は相変わらず子ども染みたことをするようであります。普天間基地移設問題を混乱させた元凶として名指しされると夏の参議院選挙は苦しくなりますから、ここで恨み骨髄の元同僚を血祭りに上げて批判の矛先を少しでも変えようとでも思ったのかも知れませんが、何とも姑息で無責任な話であります。首相が重石にならない連立内閣というものは、斯くも見苦しく共食いでも何でもするものなのですなあ。
■ゴルフ疑惑ぐらいで「怒りに震えている」暇があったら、赤松大臣にはもっと働いて頂きたいものであります。対策本部長から副部長に格下げされてしまったので手持ち無沙汰なのかも知れませんが……。
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「怒りに震えている、本当に。あり得るわけがない。(外遊に)行った人が職員含めて10名くらいいるのだから、そういう人たちに聞いても分かるし」(赤松広隆農水相)
赤松大臣の外遊を巡っては、19日夜、民主党の複数の幹部が、長期出張していたことは問題だという考えを示し、この間に大臣がゴルフをしていたと、明らかにしていました。これについて赤松大臣は20日朝、このように全面的に否定した上、民主党幹部も、20日朝になって、大臣がゴルフをしていたという情報は「伝聞だった」などと発言し、具体的な根拠は無かったことを明らかにしました。JNNでは、20日朝のニュースで、19日夜の民主党幹部の発言を報じましたが、発言に対する裏付け取材が不十分でした。お詫び致します。
5月20日 TBS
■こういう場合は「伝聞」とは言わず「怪情報」と言うのではないでしょうか?いろいろと問題の多いTBSテレビですから、この種の勇み足も珍しくはないのですが、悪質な噂を公共の電波に乗せてしまったのは拙かったですなあ。まあ、今、最も叩き易くて視聴率が取れそうな敵役は赤松農水相であるのは間違いないのですが……。
平野博文官房長官は20日午前の記者会見で、宮崎県内で家畜の伝染病、口蹄疫の被害が拡大する大型連休中に、赤松広隆農林水産相が外遊先でゴルフをしていたとの一部報道について「事実は確認して報道していただきたい」と述べ、事実関係を否定した。
2010年5月20日 産経新聞
■平野官房長官も徳之島で「丸呑み」密談をした帰りに宮崎県庁に立ち寄って、関係者から「何しに来たんだ?!」と責められた口ですから、大臣の初動を批判するわけには行かないでしょうし、火を噴いて墜落している鳩山内閣の番頭役としても、小さな火種をこまめに消して歩く役目を果たさねばなりますまいなあ。
■政治家のゴルフと言えば、2001年2月にハワイ沖で起きた愛媛県立宇和島水産高等学校所属の漁業練習船えひめ丸(499トン)が米海軍のロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦グリーンビルに衝突されて沈没し、9名が死亡した悲惨な事故の第一報を聞いた当時の森喜朗首相が運悪く?大好きなゴルフをしていてプレーを続行してしまったことを思い出します。欧米メディアも面白おかしく連日のように報道したものですから、海外の評判を気にする日本のメディアは輪を掛けて大きく取り上げまして、とうとう退陣問題に発展してしまったという悲喜劇がありました。
■国家の一大事が起こっている時にエライ人がゴルフを楽しんでいるという図は、ゴルフ好きの多い日本では注目を集め易いネタなのでありましょうが、仮に赤松大臣が外遊中にゴルフをしていたとしても、外交日程をきちんと消化して一定の成果を上げていれば大した問題ではないような気もします。勿論、外遊を直前にでも中止して陣頭指揮を執るとか、緊急帰国して一言自分の油断を詫びてさっさと対応に尽力していれば立派な大臣だと褒められもしたのでしょうが……。
■出発直前まで、誰が言ったのか知りませんが驚くほど楽観的な話ばかりが大臣の回りに満ちていたそうですから、外遊自体を責めても仕方がありますまい。長期の外遊ともなれば、空き時間に英気を養うことも大切でしょうし、会議や交渉の場で立派な仕事をして下されば文句はありません。但し、外遊中に口蹄疫に関する情報をどれだけ収集していたのか?それは確認しておくべきでしょうなあ。首相のように「まったく知りませんでした」というわけでもないでしょうが……。
自民党の浜田靖一国会対策筆頭副委員長は20日午前の記者会見で、家畜伝染病「口蹄疫」の被害拡大をめぐる赤松農相に対する不信任決議案について、「きょうの(衆院本会議での)答弁などを勘案しながら考えていく。当然検討に値する」と述べ、国会への提出を目指す考えを明らかにした。また、社民党の重野幹事長は20日午前の記者会見で、「口蹄疫」の被害拡大について、「初動対応に遅れはあったんだろう。農水省の初動対策、対応に不十分さがあったということになれば、責任はとらないといけない」と述べ、赤松農相の責任に言及した。
5月20日 読売新聞
■赤松大臣自身が「反省すべき事は無い!」と言い張っているのに、連立与党から責任を問う声が上がるところが鳩山内閣らしいところであります。社会党が分裂した頃から燻っていた怨念に火が付いたとも言えましょうが、社民党という政党は相変わらず子ども染みたことをするようであります。普天間基地移設問題を混乱させた元凶として名指しされると夏の参議院選挙は苦しくなりますから、ここで恨み骨髄の元同僚を血祭りに上げて批判の矛先を少しでも変えようとでも思ったのかも知れませんが、何とも姑息で無責任な話であります。首相が重石にならない連立内閣というものは、斯くも見苦しく共食いでも何でもするものなのですなあ。
■ゴルフ疑惑ぐらいで「怒りに震えている」暇があったら、赤松大臣にはもっと働いて頂きたいものであります。対策本部長から副部長に格下げされてしまったので手持ち無沙汰なのかも知れませんが……。
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