旅限無(りょげむ)

歴史・外交・政治・書評・日記・映画

政治主導=元の木阿弥 其の六

2010-05-20 15:23:22 | 政治
■「朝令暮改」という言葉は権力を握る政府などを批判する時に使用すべきものですから、愛用する言論人やマスコミ人も多いのですが、報道機関が誤報を流してお詫び訂正をする場合にも使えるかも知れません。それにしましても「民主党幹部」とは何者ぞ?

「怒りに震えている、本当に。あり得るわけがない。(外遊に)行った人が職員含めて10名くらいいるのだから、そういう人たちに聞いても分かるし」(赤松広隆農水相)
赤松大臣の外遊を巡っては、19日夜、民主党の複数の幹部が、長期出張していたことは問題だという考えを示し、この間に大臣がゴルフをしていたと、明らかにしていました。これについて赤松大臣は20日朝、このように全面的に否定した上、民主党幹部も、20日朝になって、大臣がゴルフをしていたという情報は「伝聞だった」などと発言し、具体的な根拠は無かったことを明らかにしました。JNNでは、20日朝のニュースで、19日夜の民主党幹部の発言を報じましたが、発言に対する裏付け取材が不十分でした。お詫び致します。
5月20日 TBS

■こういう場合は「伝聞」とは言わず「怪情報」と言うのではないでしょうか?いろいろと問題の多いTBSテレビですから、この種の勇み足も珍しくはないのですが、悪質な噂を公共の電波に乗せてしまったのは拙かったですなあ。まあ、今、最も叩き易くて視聴率が取れそうな敵役は赤松農水相であるのは間違いないのですが……。
 
 
平野博文官房長官は20日午前の記者会見で、宮崎県内で家畜の伝染病、口蹄疫の被害が拡大する大型連休中に、赤松広隆農林水産相が外遊先でゴルフをしていたとの一部報道について「事実は確認して報道していただきたい」と述べ、事実関係を否定した。
2010年5月20日 産経新聞

■平野官房長官も徳之島で「丸呑み」密談をした帰りに宮崎県庁に立ち寄って、関係者から「何しに来たんだ?!」と責められた口ですから、大臣の初動を批判するわけには行かないでしょうし、火を噴いて墜落している鳩山内閣の番頭役としても、小さな火種をこまめに消して歩く役目を果たさねばなりますまいなあ。

■政治家のゴルフと言えば、2001年2月にハワイ沖で起きた愛媛県立宇和島水産高等学校所属の漁業練習船えひめ丸(499トン)が米海軍のロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦グリーンビルに衝突されて沈没し、9名が死亡した悲惨な事故の第一報を聞いた当時の森喜朗首相が運悪く?大好きなゴルフをしていてプレーを続行してしまったことを思い出します。欧米メディアも面白おかしく連日のように報道したものですから、海外の評判を気にする日本のメディアは輪を掛けて大きく取り上げまして、とうとう退陣問題に発展してしまったという悲喜劇がありました。

■国家の一大事が起こっている時にエライ人がゴルフを楽しんでいるという図は、ゴルフ好きの多い日本では注目を集め易いネタなのでありましょうが、仮に赤松大臣が外遊中にゴルフをしていたとしても、外交日程をきちんと消化して一定の成果を上げていれば大した問題ではないような気もします。勿論、外遊を直前にでも中止して陣頭指揮を執るとか、緊急帰国して一言自分の油断を詫びてさっさと対応に尽力していれば立派な大臣だと褒められもしたのでしょうが……。

■出発直前まで、誰が言ったのか知りませんが驚くほど楽観的な話ばかりが大臣の回りに満ちていたそうですから、外遊自体を責めても仕方がありますまい。長期の外遊ともなれば、空き時間に英気を養うことも大切でしょうし、会議や交渉の場で立派な仕事をして下されば文句はありません。但し、外遊中に口蹄疫に関する情報をどれだけ収集していたのか?それは確認しておくべきでしょうなあ。首相のように「まったく知りませんでした」というわけでもないでしょうが……。

 
自民党の浜田靖一国会対策筆頭副委員長は20日午前の記者会見で、家畜伝染病「口蹄疫」の被害拡大をめぐる赤松農相に対する不信任決議案について、「きょうの(衆院本会議での)答弁などを勘案しながら考えていく。当然検討に値する」と述べ、国会への提出を目指す考えを明らかにした。また、社民党の重野幹事長は20日午前の記者会見で、「口蹄疫」の被害拡大について、「初動対応に遅れはあったんだろう。農水省の初動対策、対応に不十分さがあったということになれば、責任はとらないといけない」と述べ、赤松農相の責任に言及した。
5月20日 読売新聞

■赤松大臣自身が「反省すべき事は無い!」と言い張っているのに、連立与党から責任を問う声が上がるところが鳩山内閣らしいところであります。社会党が分裂した頃から燻っていた怨念に火が付いたとも言えましょうが、社民党という政党は相変わらず子ども染みたことをするようであります。普天間基地移設問題を混乱させた元凶として名指しされると夏の参議院選挙は苦しくなりますから、ここで恨み骨髄の元同僚を血祭りに上げて批判の矛先を少しでも変えようとでも思ったのかも知れませんが、何とも姑息で無責任な話であります。首相が重石にならない連立内閣というものは、斯くも見苦しく共食いでも何でもするものなのですなあ。

■ゴルフ疑惑ぐらいで「怒りに震えている」暇があったら、赤松大臣にはもっと働いて頂きたいものであります。対策本部長から副部長に格下げされてしまったので手持ち無沙汰なのかも知れませんが……。
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政治主導=元の木阿弥 其の伍

2010-05-20 14:27:18 | 政治
高速道路の新料金制度を巡り、前原誠司国土交通相は18日の閣議後会見で、当初予定していた6月の導入を断念する考えを示した。実質値上げに小沢一郎・民主党幹事長が異論をはさみ、新料金導入の前提となる道路財政特別措置法改正案の審議入りのめどが立たないため。当面は現状の「休日上限1000円」などの割引が継続される見通し。……新料金導入は参院選後に先送りされる可能性が高い。

■「高速道路無料化」もしろ!道路建設もしろ!とクラッシャー小沢が無理難題を国交省に押し付けて、御本人は国民との約束を守ったんだと御満悦なのでしょうが、その前に国民に約束した「財源はいくらでもある」の方はすっかり忘れているようです。現在の休日割引制度でも税金からの補填が必要なのですから、民主党は国家戦略局を作って開店休業状態にして財政危機を忘れたことにしてバラマキ選挙を強行しようとしているようです。


政府は、高速料金の割引財源の一部を道路建設に充てるための道路財政特措法改正案を今国会で審議し、「普通車上限2000円」などの新料金制度を6月から導入する計画だった。建設を求める党への配慮からだが、割引財源が減るため、近距離ドライバーを中心に事実上の値上げとなる。参院選への影響を懸念した小沢幹事長が見直しを求め、前原国交相が反論する事態に発展していた。……小沢幹事長は18日、山口市での会見で「(6月導入断念は)国民の気持ちも一緒だ。理解は得られる」と述べた。
5月18日 毎日新聞

■鳩山サセテイタダク首相の「思い」とクラッシャー小沢の「国民の気持ち」は要注意で、どちらも危険な思い込みである場合と甘言を得意とする茶坊主からの耳打ち話である場合があるようです。改正案が先送りされたところで、「高速道路無料化」の約束はどうなるのか?道路建設の財源はどうするのか?「国民の気持ち」としては、そちらの方が気になるところなのですが……。

■こうして表面上は前政権時代と何も変わらず、何事もなかったかのように「元の木阿弥」となって行くのですが、この間の内外で起こった波風と混乱は確実に将来に大きな影響を及ぼす傷を残しているのではないでしょうか?実に罪深いことであります。
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政治主導=元の木阿弥 其の四

2010-05-20 14:26:55 | 政治
……「『部隊移転』は厳しい。『訓練移転』を全国に呼びかけるしかない」「やはり普天間が優先だ。訓練は二の次だ」。首相周辺は18日、残された選択肢がほとんどない窮状を周囲に訴えた。政府は今後、5月末に向け、徳之島を含む全国への訓練分散などとあわせ、埋め立て方式を念頭に米側の理解を求めていく考えだ。 ……
5月19日 読売新聞

■ほんの少しでも自民党が残した遺産に傷を付けるか色を変えないと面子が潰れる!とケツカッチンの首相周辺は右往左往しているようです。そんな物のために沖縄県民や徳之島の住民が踊らされていたのなら、これは政治とは呼べない悪質な茶番劇ですなあ。最初から辺野古案を踏襲しておいて、新政権として「その後」をじっくりと米国と交渉し始めておけば日本の政治に新しい局面を開けたかも知れないのに、「思い」ならぬ「思い込み」に拘り続ける首相に政府も国民も振り回されてしまったようです。江戸時代なら殿、御乱心!ということで家臣たちが「押し込め」にしてしまったのでしょうが……。民主党内の忠臣は、まったく逆の行動に出ているようです。
 
 
……平野博文官房長官が16日に鹿児島県・徳之島の移設賛成派の住民と鹿児島市で会談した際、徳之島3町の借金(公債)の棒引きなど、住民側が示した移設受け入れの7条件にすべて応じる意向を示したことが19日、明らかになった。……平野氏は移設賛成派の住民14人と会談し、移設受け入れに向けた7項目の要望を記した紙を受け取った。一通り目を通した平野氏は「移設と振興策は別だが、7項目はすべてのむ」と言い切った。

■移設と振興策は別?「セット」の間違いではないでしょうかな?選挙で選ばれた町長や県知事を飛び越えて賛成派住民と直接交渉する官房長官も異様ですが、指示を出している首相は引退した元議員の徳田虎雄さんに政治工作を頼みに行ったのですから、形振り構っていられない窮状を鳩山・平野コンビは天下に喧伝して歩いているようなものです。


ペーパーに記された7項目は
(1)徳之島3町合計で約250億円の借金(公債)棒引き
(2)航路・航空運賃を沖縄並みに抑制
(3)燃料価格を沖縄・本土並みに引き下げ
(4)沖縄県が対象の黒糖製造工場への交付金を鹿児島県にも適用
(5)医療・福祉・経済特区の新設(健康保険税の免除)
(6)奄美群島振興開発特別措置法の所管省庁を国土交通省から内閣府へ移す
(7)看護学校、専門学校の設置--だった。

■まだ米軍が承諾していない徳之島への移設案を、こういうやり方で進めてしまって大丈夫なのか?(5)や(7)などは医療法人を経営している徳田虎雄さんへの気配りのようにも見えなくもありませんが、基地の移設を受け入れて長寿と健康を売り物にした島として発展しようとする計画のようですが、これらを丸呑みする予算が上積みされたら在日米軍関連の総予算が増えてしまうのではないでしょうか?沖縄の基地問題を解決するという大目標に逆行して、基地問題を県境を越えて拡散させて得られるのは、ちっぽけな民主党政権の面子だけかも?


平野氏は会談で、奄美群島向けの10年度政府予算(奄美群島振興開発事業予算)が前年度比29%の大幅減となったことを謝罪、来年度予算編成での対応を約束した。徳之島へのドクターヘリ配備にも言及し、今後、徳之島の地元3町長や伊藤祐一郎県知事と振興策を詰める意向も示したという。なりふり構わぬ平野氏の姿勢には、徳之島にこだわる政府側の焦りがにじむ。

■賛成派住民→3町長→県知事という構図を民主党では民主的と呼ぶのでしょうか?「移設と振興策は別」と言いながら、露骨にカネの話を水戸黄門の印籠のように振り翳してなし崩しに話をまとめるのなら、自民党時代を懐かしむ声が増えそうです。元々、自民党支持者が多かったという徳之島ですから、完全に頭越しで無視された反対派の人々は、こういうやり方を恨むでしょうなあ。賛成派の人達も、日米交渉が決裂してしまったら「丸呑み」話が吹き飛ぶわけですから、こちら側からも恨みを買いそうです。


……会談の最後、平野氏は会談内容について出席者に固く口止めし、住民側は記者団に平野氏から振興策の話はなかったと口をそろえた。一方、出席者の一人は会談後、平野氏の「丸のみ」発言を徳之島の町長らに伝達。「微妙な変化が島にも出てきた」と賛成論の広がりに期待するが、3町長が交渉のテーブルに着く見通しは立っていない。
5月20日 毎日新聞

■「固く口止め」した直後に御注進に及ぶ人間がいることを官房長官は期待していたのかも知れませんが、こういう田舎芝居を打っていると思わぬ方向から情報管理の甘さを危ぶむ声が出て来るかも知れません。

政治主導=元の木阿弥 其の参

2010-05-20 14:26:28 | 政治
■税収が大きく落ち込み、特別会計を含んだ予算の抜本的な組み替えに失敗して恐ろしい財源不足に陥っているというのに、選挙用マニフェストに従うためだと史上最大の赤字国債を発行した鳩山サセテイタダク内閣でありますが、「子ども手当て」の目的と中身が訳の分からない理屈で迷走中のようですし、「高速道路無料化」も政府と党の内紛で又裂き状態になった後に空中分解し、とうとう雨散霧消してしまうようです。それでもクラッシャー小沢が全国行脚して約束して歩いた「農家への戸別所得補償」だけは絶対に額面通りに実現されるかと思っていたら、宮崎県の畜産農家が口蹄疫で壊滅的な打撃を受けて、政府は1箇月遅れで「万全な対応」を執っているのだそうですが、地元の怒りは収まるどころか火に油を注いだも同然のようであります。

■マニフェストには「主要穀物等では完全自給をめざす」と書かれてはいますし、「畜産・酪農業、漁業に対しても、農業の仕組みを基本として、所得補償制度を導入する」とも書かれています。仮に殺処分された家畜分の「所得補償」が実施されても在庫一掃後には空っぽの畜舎が残るだけだと被害を受けた畜産農家は絶望感に苛まれているとか……。マニフェストの第31項に「戸別所得補償制度で農山漁村を再生する」とあるところからも、余程、誰かさんはこの制度に自信を持っていたのでしょうが、宮崎県の畜産業を本当に「再生」出来るかどうかで、民主党の評価は決まりそうです。

■地方分権の推進とは言っても、今回のような未曾有の災厄に襲われたら政府が迅速に対応しなければなりません。そして、地方分権を進める前提となっているのが、政府は外交・安全保障政策に専念するという原則だったはずなのです。自分の無知蒙昧ぶりを世界中に知らしめただけの沖縄基地移設問題は、計らずも今の政府に政権担当能力がまったく無かったことを証明してしまったのであります。


米軍普天間飛行場移設問題は結局、2006年の日米合意に基づく元の計画に大筋戻る方向となった。日本の安全保障の観点よりも、「自民党政権時代の否定」に固執し続けたあげく、最終的には米軍の抑止力維持や技術面での条件を満たす現行計画に戻るしかなかった。だが、沖縄県民の反基地感情は再燃しており、地元が容易に受け入れるかどうかは不透明だ。鳩山政権の場当たり的対応が招いた代償は大きい。

■自分の発言に関して「決して場当たり的ではない」と絵に描いたような場当たり的な釈明をした鳩山サセテイタダク首相には「腹案」があったはずでしたが、単に自民党が残した日米外交の遺産を帳消しにしてしまえば何かが起こるんじゃないかなあ、と何事につけ「まったく知らない」大金持ちの世襲政治家がふと思い付いたままを口走ってしまったばかりに、ぐるりと回って「元の木阿弥」となってしまいそうです。しかし、これで日米関係が「元の鞘」に収まるわけではないでしょうし、総選挙前には「国外、最低でも県外!」と焚き付けられたのにもかかわらず、地元の市長選挙の結果は無視されてしまった沖縄県民の怒りと不信感は、鳩山サセテイタダク首相が地元に御百度参りして歩いても決して消えないほど根深いものになっているでしょう。


「悪い情報ばかり入ってくる」。政府筋は18日、日米間の外務、防衛当局による実務者協議の現状に、弱音を吐いた。17、18の両日は課長級が開かれ、20日には審議官級の大詰めの日米協議が予定されている。社民党や、移設先に挙がる地元自治体の反発が強まる中、政府は米側との交渉を優先させる道を選んだ。……

■内政は「幹事長の言う通り」で、日米間の交渉は「米国政府の言う通り」というのなら、民主党の政治主導も鳩山首相が言った「対米偏重を正す」も、全部丸ごとウソだったことになります。ウソがばれると「一生懸命やっています」と奇怪な「思い」を吐き散らす悪い癖が治らない首相ですから、さぞや事務方の士気は下がっているでしょう。馬鹿馬鹿しくてやっていられない!と言いたくなるのが人情というものです。


米側は桟橋について、滑走路と海面の間に空洞ができることでテロに弱いことに加え、上空からの攻撃にも軍事施設として堪えない、と指摘。さらに、現行計画を前提とした防衛省の環境影響評価に追加の手続きも必要となるため、「どれだけ時間がかかるのか」と、工期ずれ込みへの懸念を伝えた。工期が長引くほど、普天間移設を含む在日米軍再編の行程表で掲げる2014年の目標も達成から遠ざかる。「行程表にある沖縄駐留海兵隊8000人のグアム移転も停滞する」(日米関係筋)……。

■首相は「自然への冒涜」が気になり、連立与党の誰かさんは公共事業としてしか移設問題を考えない。もう一つの連立弱小与党などは古臭いイデオロギー闘争の道具にしているようですから、肝腎の安全保障政策がすっぽり抜け落ちたままの「5月末決着」と「トラスト・ミー」でありました。日本国民からも米国政府からも無視されて、支持率だけは着実に急降下する中で自民党が決めた移設案に引き戻されて行く首相の目はますます虚ろになっております。


地元の名護市では、現行計画には一定の理解を示す住民はいるが、桟橋方式には一様に反対する。背景には、高度な技術が必要となる桟橋方式は、実現したとしても本土の大手ゼネコンが受注するため、地元の経済活性化にはつながりにくい事情などがあるようだ。……首相は、海面の埋め立てを伴う現行計画を「自然への冒涜(ぼうとく)」と言い切り、全面的に葬ったかにみえた。そのために、鹿児島県・徳之島などに普天間飛行場のヘリコプター部隊を移転することなどで「県外移設」の体裁を整える道を探った。これに先だち、政権内では米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)との統合案や、シュワブ陸上部への滑走路建設案などが次々と浮上した。だが、米軍の運用面などで適用可能かどうかなど、本格的に検討した形跡はほとんどない。……

■鳩山サセテイタダク首相は「最後に会った人物」の口真似をするのだそうですから、何処かに消えてしまった「腹案」というのも、本当は空っぽの袋のようなもので、その中身は毎日のように入れ替わっていたのかも知れません。党首討論で「腹案がある!」と啖呵を切った御本人は、中身が玉石混交・支離滅裂状態であっても膨れ上がった袋を後生大事に持っていることを誇って見せただけのことだったのかも?あの選挙用のマニフェストも……。