……中華包丁を腰のベルトにさした漢族の青年(22)がいた。「あいつら(ウイグル族)がまた襲撃してきたら、これでやっつけてやる」。腕の入れ墨が目についた。「漢族の気持ちは怒りでいっぱいなんだ」とぶちまけた。
■「刺青」が本物なら、このアンチャンは拳銃を隠し持っているかも知れませんぞ。それにしても、鞘(さや)も無い斧みたいな中華包丁を抜き身でベルトに差して粋がっていると、自分の腰や指を切りそうですなあ。悪趣味な連想ではありますが、アインシュタインが生前に残した言葉に「第三次大戦で使用される武器が何になるかは分からないが、第四次大戦で使われる武器なら分かる。それはきっと石だろう」というブラックな警句があったことを思い出します。
8日、上空を飛行する軍のヘリコプターから、白い紙が大量にまかれた。「冷静になれ、民族で区別するな」と書かれている。自治区の王楽泉党委員会書記がテレビを通じ呼び掛けた文書だ。街角でも配布されている。武装警察の宣伝車は拡声器で「民族融和を」とがなりたてる。武装警察のトラックには「国家安定 経済発展」の横断幕。街のあちらこちらで「漢族は少数民族と切り離せず、少数民族も漢族と離れられない」というスローガンを目にする。当局は国内メディアも通じ「民族団結は中華民族の根本的利益」(8日付の人民日報)と、しきりに強調している。ヘリからまかれたビラの1枚を、ウイグル族の男性がくしゃくしゃにして捨てた。……
7月9日 産経新聞
■「少数民族も漢族と離れられない」という一節は、言いも言ったり!という感じがしますなあ。このような何の根拠も無い手前味噌のスローガンに対して、「どうしてなのさ?」などという質問は厳禁となっております。
……ウルムチでの暴動を受け、孟建柱国務委員兼公安相と中国人民武装警察部隊の呉双戦司令官が8日、現地入りした。武装警察などのトップが現場で陣頭指揮を執るのは極めて異例。米国の中国語ニュースサイト「多維新聞網」は、習近平国家副主席が総指揮を執っているとも伝えている。……ウルムチ市の栗智共産党委員会書記は8日の記者会見で、当局が暴動の「首謀者」だとしている在外ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長について、「彼の意図は民族団結を破壊することにある」と批判。「どの民族が起こそうが、暴力事件には徹底して対処する」と述べ、民族対立に根ざした暴動がこれ以上発生しないよう住民に警告した。
2009年7月8日 産経新聞
■ラビアさんは女性ですから、三人称単数の代名詞に男女の区別が無い北京語を正確に翻訳したら「彼女の意図は……」とすべきでしょうが、そんなことより「民族団結を破壊する」目的だと断定しているところが問題です。暴動が起きる前にはその「団結」が達成されていたとでも言うのでしょうか?そうだとしたら、随分と歪んで傾いた関係を「団結」と呼ばねばなりますまいなあ。そして、どさくさに紛れて「どの民族が起こそうが……」とチベットを念頭に置いていることを隠そうともしないところが官僚的で無気味であります。
■サミットに出向いた胡錦濤国家主席の留守を預かっていたのは習近平副主席ですから、「総指揮」を執っていても不思議ではありません。でも、「公安相」と「武装警察司令官」が共に現地に入るというは本当に異常なことであります。かつて迷わず「戒厳令」を出してラサ暴動を武力で鎮圧した胡錦濤主席の「業績」を正しく?評価すれば、今回も迷わず軍隊を投入して戦車や装甲車を走り回らせるところなのでしょうが……。どうやら、中央政府内には迷いがあったようです。
■「刺青」が本物なら、このアンチャンは拳銃を隠し持っているかも知れませんぞ。それにしても、鞘(さや)も無い斧みたいな中華包丁を抜き身でベルトに差して粋がっていると、自分の腰や指を切りそうですなあ。悪趣味な連想ではありますが、アインシュタインが生前に残した言葉に「第三次大戦で使用される武器が何になるかは分からないが、第四次大戦で使われる武器なら分かる。それはきっと石だろう」というブラックな警句があったことを思い出します。
8日、上空を飛行する軍のヘリコプターから、白い紙が大量にまかれた。「冷静になれ、民族で区別するな」と書かれている。自治区の王楽泉党委員会書記がテレビを通じ呼び掛けた文書だ。街角でも配布されている。武装警察の宣伝車は拡声器で「民族融和を」とがなりたてる。武装警察のトラックには「国家安定 経済発展」の横断幕。街のあちらこちらで「漢族は少数民族と切り離せず、少数民族も漢族と離れられない」というスローガンを目にする。当局は国内メディアも通じ「民族団結は中華民族の根本的利益」(8日付の人民日報)と、しきりに強調している。ヘリからまかれたビラの1枚を、ウイグル族の男性がくしゃくしゃにして捨てた。……
7月9日 産経新聞
■「少数民族も漢族と離れられない」という一節は、言いも言ったり!という感じがしますなあ。このような何の根拠も無い手前味噌のスローガンに対して、「どうしてなのさ?」などという質問は厳禁となっております。
……ウルムチでの暴動を受け、孟建柱国務委員兼公安相と中国人民武装警察部隊の呉双戦司令官が8日、現地入りした。武装警察などのトップが現場で陣頭指揮を執るのは極めて異例。米国の中国語ニュースサイト「多維新聞網」は、習近平国家副主席が総指揮を執っているとも伝えている。……ウルムチ市の栗智共産党委員会書記は8日の記者会見で、当局が暴動の「首謀者」だとしている在外ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長について、「彼の意図は民族団結を破壊することにある」と批判。「どの民族が起こそうが、暴力事件には徹底して対処する」と述べ、民族対立に根ざした暴動がこれ以上発生しないよう住民に警告した。
2009年7月8日 産経新聞
■ラビアさんは女性ですから、三人称単数の代名詞に男女の区別が無い北京語を正確に翻訳したら「彼女の意図は……」とすべきでしょうが、そんなことより「民族団結を破壊する」目的だと断定しているところが問題です。暴動が起きる前にはその「団結」が達成されていたとでも言うのでしょうか?そうだとしたら、随分と歪んで傾いた関係を「団結」と呼ばねばなりますまいなあ。そして、どさくさに紛れて「どの民族が起こそうが……」とチベットを念頭に置いていることを隠そうともしないところが官僚的で無気味であります。
■サミットに出向いた胡錦濤国家主席の留守を預かっていたのは習近平副主席ですから、「総指揮」を執っていても不思議ではありません。でも、「公安相」と「武装警察司令官」が共に現地に入るというは本当に異常なことであります。かつて迷わず「戒厳令」を出してラサ暴動を武力で鎮圧した胡錦濤主席の「業績」を正しく?評価すれば、今回も迷わず軍隊を投入して戦車や装甲車を走り回らせるところなのでしょうが……。どうやら、中央政府内には迷いがあったようです。