旅限無(りょげむ)

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北京五輪の内と外 その弐百四拾六

2008-05-26 07:13:51 | チベットもの
……水利省の鄂竟平次官は25日、地震による土砂崩れで川がせき止められてできた「危険な状態」の地震湖が四川省だけで34カ所あり、周辺住民約70万人が危険にさらされていることを明らかにした。堤防崩壊の恐れのあるダムも69カ所あるという。

■子供達が学ぶ校舎がアレですから、人里離れた谷川に建設されたダムの中身がどうなっているのか、考えただけでもゾッとします。見た目には立派なダム設備のように見えましたが、やっぱり外側だけ真似して作った張りボテである可能性は消えません。決壊してから、ああだった、こうだったと言われても家と財産を押し流された後では何の意味もありません。学校の校舎を施工した悪徳業者を、草の根分けても探し出して復讐してやる!と呪いの声が上がっているようですが、孫受け仕事の大元が人民解放軍や共産党のエライ人と親族だったらどうしましょう?


25日の政府発表によると、地震による死者数は6万2664人で行方不明者は2万3775人。負傷者は35万8816人に上る。地震発生から26日で2週間となる。
5月25日 毎日新聞

■徐々に明らかになる道路の崩落状況を見れば、意図せずとも調査に入れない場所がたくさん有ることは想像できますし、最初から調査の対象外か結果を発表しないと決められた場所の被害は含まれていないはずです。特に、大きく動いた活断層の「西側」が調査・救援の対象外になっているのが本当に気になりますぞ!1976年に発生した唐山地震の犠牲者は「公称24万人」だそうですが、100万人近い!という声もあるそうです。共産党の発表は、大日本帝国の大本営発表よりも「正しい」のですから、地震学者や歴史学者が手や口を出す余地はございません。今回も、パンダの被害は詳しく分かっても、人民が受けた被害の全貌は永久に分からないままなのかも知れません。


25日付の中国紙・新京報は、北京五輪聖火リレーのチベット自治区通過が中心都市ラサの1日だけに短縮されると報じた。四川大地震の犠牲者追悼の3日間、リレーが中止され、五輪組織委員会が日程調整を検討していた。チベットが調整対象となったのは、独立分離感情が根強く聖火を標的にした抗議行動への警戒も理由とみられる。……チベット自治区での聖火リレーは6月19日に山南地区で、同20~21日にラサで実施される予定だった。同紙によれば、チベットで2日間短縮するほか、予備日3日間のうち1日を取り消すことで影響を最小限に抑えるという。 
5月25日 時事通信

■神をも恐れぬチョモランマ登頂に、チベット人を無理やり参加させるという暴挙が、山の神々や地の神を怒らせたのだ!と多くのチベット人は心の中では思っていることでしょう。仏教を深く信仰しているチベット人ですが、もっと古くから続く山岳信仰は実に根強いものがありますから、霊峰に土足で踏み入って神々の宿る頂上に国威発揚の聖火の缶詰を運び揚げるなど、想像もできない罰当たりな所行だと思われている事でしょう。実名報道されてしまった登頂チームに参加したチベット人達には多くの縁者が居るのでしょうに?!意地になってラサ市でチョモランマに担ぎ上げた罰当たり聖火と合体させる計画を実行したら、大変な反感を呼ぶのは火を見るよりも明らかですぞ!


……四川省は水力発電ダムが特に集中しており……天然ガスの備蓄が多いことでも知られており、中国の経済成長を支える電力、エネルギーの不足は今後、地震被害が明らかになるにつれ、ますます深刻さを増すとみられ、成長率に影響を与えるのは必至との見方が強まっている。

■ダムが作れるような山奥は、有名な『三国志』にさえ登場しません。諸葛孔明が征服したのは雲南地方で、神の如き深謀遠慮の才能に恵まれた孔明でさえ、今回の大震災があった西の山岳地帯には足を踏み入れたことは無いのです。毛沢東の「長征」と自称する大逃亡劇の舞台になった事は書きましたが、今回の震源地周辺で大規模な軍事作戦を行ったのは30代のフビライだけではないでしょうか?時は1252年~1256年、モンゴル帝国第三代皇帝モンケ汗の命令で、南宋包囲作戦の一環で、大理国の攻略を命じられたフビライは、渋々?大軍を率いて甘粛省を出発し、チベットの支配地を南下して行きました。丁度、今回の震災で動いた活断層に沿うようなコースを取ったようですが、何と、大理国に到着する前に全兵力の8割を失った!と記録されております。

■馬が足を滑らせて谷底に落下する事故が頻発した上に、モンゴル高原では一度も経験したことがない湿気と熱気で体力を消耗した騎馬軍団は、次々と謎の感染症で落命!後にモンケ汗自身が南宋攻略戦に親征し、四川省で病没!したのは有名な話です。険しい峡谷に水力発電用のダムを並べて建設したのは、核兵器を開発するための大電力を得るためだったはずです。中にはオカラ工事のダムも数多いはずで、どうせチベット人や羌族の土地だからと、安全性を無視して核関連設備が作られていたことも想像できます。「蜀犬、陽に吠ゆ」と言われる曇天多雨の土地が、これから本格的な雨季とフビライ軍を苦しめた暑気の夏を迎えます。しかも、昔は無かった巨大なダムと原爆工場、その他、化学薬品を多用する工場や鉄筋が入っていない高層住宅。救われるのはパンダだけかも?『わたしは貝になりたい』ではありませんが、『我は熊猫になりたい』などという小説が書かれるかも?
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日米パフォーマンス競争? その参

2008-05-26 07:13:32 | 政治
■一度吐いた言葉と唾液は飲み込めないと言いますが、何だか世の中全体がいい加減な思いつきで言葉を乱雑に使っているような気がします。政治は古代ギリシアの昔から、最高の言語文化を体現していたものですが、その直系を自認する米国でさえも、政治言語は大混乱しているようです。

米民主党の大統領候補指名を争うヒラリー・クリントン上院議員は23日、劣勢の選挙戦を継続する理由として、同党の候補指名を目指したロバート・ケネディ元司法長官が1968年6月に暗殺された事件を挙げた。ライバルのオバマ上院議員が“不測の事態”に見舞われることを期待したともとれる極めて不穏当な発言で、同氏は「遺憾だった」と陳謝した。

■言っては行けないことがあるという戒めの言葉として、「口は禍のもと」というのがありますが、いつの間にやら「本音で語る」という表現が良い事を意味するようになってしまいましたなあ。世の中全部が本当に「本音」を吐き散らしていたら、商売も成り立ちませんし家族も会社も組織はすべて崩壊するでしょう。これが国際政治の場となれば、すぐに全面核戦争がおきてしまいますぞ。


来月3日に予備選を控えたサウスダコタ州スーフォールズの地元紙オーガス・リーダーとのビデオ会見で、クリントン氏は、「私の夫は92年、6月半ばのカリフォルニア州予備選で勝つまで活動をやめなかったでしょ。ボビー(ロバートの愛称)・ケネディがカリフォルニアで6月に暗殺されたことは、みんな覚えているわよね。だから(選挙戦撤退の要求について)私は理解できないわ」と語った。

■生放送の取材ではなく、「ビデオ会見」だったのなら、たとえ本人がウソツキと評判の愚か者でも、スタッフが気が付いて編集できたのではないでしょうか?前段だけを残して後段を削除してしまえば、何の問題もなかったはずなのに……。


……司法長官や上院議員を務めたロバート・ケネディ氏は、68年の大統領選で、民主党の候補指名に向けた選挙活動を展開した。しかし、カリフォルニア州予備選での勝利直後、ロサンゼルスのホテルで銃撃されて死亡。民主党内の足並みは乱れ、本選で同党候補のハンフリー副大統領は共和党のニクソン候補に敗れていた。

■実写映像をCG技術を駆使して御丁寧に現役大統領の暗殺を『大統領暗殺』という作品にして公開してしまうのが米国という国ではありますが、黒人に対する根強い人種差別を大前提にした発言は下品の限度を越えていますなあ。


黒人初の大統領をめざすオバマ氏には、昨年の序盤戦段階から襲撃の懸念が浮上し、シークレット・サービスが身辺を厳重に警護している。クリントン氏は、オバマ氏を「恥知らず」呼ばわりしたり、武勇談を創作したりと放言や失言を繰り返してきたが、ケネディ暗殺をオバマ氏に重ねたともとれる発言は、米メディアが一斉に報じる騒ぎとなった。クリントン氏は「(言及した暗殺は)歴史的な事実だ」としながらも、騒ぎの広がりに「発言が国全体やケネディ家のみなさんを傷つけたのなら遺憾だった」と陳謝した。オバマ選対では、「発言は残念だ」と、あきれ気味にコメントしている。
5月24日 産経新聞

■大統領選挙となれば、候補者選びも本選も、終盤に掛かると見も蓋も無い「ネガティブ・キャンペーン」が激しくなるのも米国で、如何にも識字率が低い現実を追認するような、分かり易い絵解き物が氾濫しますから、苦し紛れに黒人運動家だったキング牧師の暗殺場面やらカトリック教徒だったケネディ大統領の暗殺場面に加えて、オバマ候補と名前がちょっと似ているサダム・フセインやウサマ・ビンラディンの肖像写真などを一瞬挟み込むようなキャンペーン映像でも用意していたのかも知れませんなあ。でも、オバマ候補の暗殺が心配?なら、さっさと候補を降りて「副大統領」の座を約束させる取り引きをしてオバマ候補の応援に回った方が得だったかも?
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日米パフォーマンス競争? その弐

2008-05-26 07:12:54 | 政治
政府は06年2月、「入院している人の半分は治療の必要がない」として、当時38万床あった病床のうち介護型療養病床(13万床)を全廃し、医療型療養病床を4割減らして15万床にする方針を決定。達成に向け、「医療の必要度が低い」と判定された人の入院費を減額し、そうした入院患者を多く抱えていた場合は病院経営が成り立たなくなるようにした。

■どんなサンプル調査をして「38万床の半分は不要」などという結論が出て来たのでしょう?そこに加えて「終末医療相談」という露骨な文言が盛り込まれているそうですから、実質的には日本人の最高齢を75歳に決めました、というような恐ろしい印象を受けてしまいます。生き残りたい者は貯金しろ!というメッセージも聞こえて来そうですが、最低賃金は上がらず、非正規雇用は野放しで、消費税も上がるとなったら「飢餓輸出」ならぬ「飢餓貯蓄」の覚悟が必要になりそうですなあ。飲まず喰わずで低賃金に耐え、貯金に励めば「メタボリック症候群」も解消されるとの御親切な政策なのでしょうか?


しかし一連の病床削減策は、入院先を求めて住み慣れた地域をやむなく離れたり、自宅にお年寄りを引き取った家族が介護に悲鳴を上げるケースなどを生んだ。「患者追い出しを誘導し、行き場のない医療難民を大量に生む」との強い批判も招いた……厚労省は07年4月、医療型療養病床のうち回復期リハビリ病棟(2万床)を削減対象から外したうえで、都道府県を通じて実情調査。……当初計画を7万床上回る約22万床……。削減対象から外したリハビリ病棟は今後少なくともいまの1.5倍、3万床程度は必要になるとみられている。需要数を合わせると現状と同じ25万床前後となり、削減計画の見直しに追い込まれた。
5月24日 毎日新聞

■天災でもないのに難民や亡命者を出し続ける変な国が日本の隣にもありますが、日本では農水省が農民を難民化させ、厚労省は若者をワークングプワの労働難民にして高齢者を医療難民にしているかのようです。既に、年金難民は出始めているらしいのですが……。


全国の検察庁や裁判所、弁護士会が来年5月に始まる裁判員制度に向け、計60を超すマスコットキャラクターを独自に考案して、広報イベントやポスターに登場させている。法律家の堅いイメージからの脱皮に懸命だが、PRの専門家は「裁判員制度に結びつかないキャラクターも多く、国民の理解につながらないのでは」と首をかしげている。

■「裁判員、参上」のキャッチコピーを考えた人物は特定されないまま、鳩山法相の「センスが悪い」の一言で「裁判員、登場」とかに変わったそうですが、どっちにしてもセンスが悪いのは同じかも?そもそも、この裁判員制度というものが、どうして誰が考え出したのか、よく分かりませんからなあ。「トンデモ裁判官が増えたから」という理由なら、トンデモ裁判官を罷免する制度を整備すればよいでしょうし、「裁判を迅速化する」のが目的なら、もったいぶってモタモタ仕事をしている担当職員を罰する法律を作れば良さそうなものです。

■噂によると、弁護士出身のクリントン大統領の時代に始まった「構造協議」の中に、米国で余りに余っている弁護士が日本で仕事が出来るように、米国型の裁判制度が望ましい、などという我田引水の暴論が含まれていたのが、紆余曲折を経て「陪審員制度」という立派な翻訳語があるのに、わざわざ「裁判員」などというピリッとしない新語を作って対応したのだとか……。既に、あちこちから「絶対に失敗する」という断言口調の予想が出ているのに、干拓工事やダム工事と同じで「官が一度決めた事」は、何が何でも実行!するという太政官制度の真髄が見られそうですなあ。


23日、東京・霞が関の法務省で、緑のインコの「サイバンインコ」、シカの「なっち」、桜島の形の「かちけん君」が鳩山法相を表敬訪問した。福岡高検、奈良地検、鹿児島地検がそれぞれ裁判員制度のPR用に作製したものだ。法相はサイバンインコの着ぐるみに入ってみせたが、「統一したキャラクターを作る必要はないの?」とも話した。

■最悪の評判を取った奈良県の無気味な護法童子キャラクターを越えるインパクトは無いにしても、「サンバンイン・コ」とは何というセンスの悪さ!シカの「なっち」も桜島の「かちけん」も、裁判員制度と、一体、どんな関係があるのかさっぱり分かりませんが、共通しているのはセンスの悪さと公費を無駄遣いしている点なのでしょうなあ。


キャラクターに最も熱心なのは検察庁。落花生をモチーフにした「らっか正義君」(千葉地検)、新選組の隊士に似せた「まこと君!」(京都地検)など、40の地検・高検で計60……。イチゴの形の「べりぃちゃん」(宇都宮地検)、「浪花のたこべぇ」(大阪地検)……「わらなっちゃん」(水戸地検)は「納豆のように粘り気があり、裁判で議論したら納得するまで引かない」、雪だるまの「ユーキー」(札幌地検)は「YOU KEYという英語で、裁判員制度はあなたが鍵という意味を込めた」……千葉地裁は……落花生に法服を着せた「ピー太くん」「ナツ実ちゃん」……長野地裁もライチョウの「トライくん」「ライムちゃん」を携帯電話のストラップに……日本弁護士連合会は今月21日、統一キャラクターとして、サイにてんびんを持たせたデザインの「サイサイ」を発表。「信念を曲げない強さでサイ判員制度に臨む」(広報室)と説明する。
5月24日 読売新聞

■その場の雰囲気を一瞬で凍らせる強引なダジャレは「オヤジ・ギャグ」との蔑称で呼ばれるそうですなあ。こんな馬鹿馬鹿しい事をやっているから、一般の国民が参加する「裁判員制度」が必要なのだ!というキャンペーン用に並べられているのなら、大変な策士が存在することになりますが、居酒屋で酩酊状態になったわけでもなく、クソ真面目な顔をして立派な建物の中で、一体、どんな会議を開いて決定したのやら……。これは法務省の管轄を飛び出して、文科省が日本語能力の崩壊というテーマで研究した方が良さそうですなあ。

北京五輪の内と外 その弐百四拾伍

2008-05-26 00:54:50 | チベットもの
■それでも、北京で五輪大会を、本気で開催するのか?と思いつつ、土曜日のNHK、日曜日のテレビ朝日が放送した四川省大地震の特集番組をちらちら眺めておりましたが、フジテレビでは柳本ジャパンの女子バレーボールが「北京へ」の切符を手に入れたと大騒ぎをして見せたものの、連夜の熱戦で疲れた蓄積したとはいえ、セルビアに惜敗!まるで全勝優勝を逃した琴欧州のような……。水泳界では「スピード違反」の素材で作った水着が大問題で、好きなパンツを穿いて泳げば良いだろうに!というのは素人の浅はかさらしいですなあ。技術大国ニッポンの名が廃るような話らしいのですが、この件は深入りしません。

■地上デジタル放送の普及キャンペーンがどれほど進んでいるのか?昔ながらの「新しいテレビで五輪大会を見よう」宣伝がどれほど効果を上げているのか?そもそも、「北京に行きたいかああ?」とまで言わずとも、「北京五輪を見たいかああ?」ぐらいの質問を視聴者にしても良いかも?と思ってしまう昨今であります。それにしましても、5月25日はちょっとした節目になるかも知れない日でしたなあ。


北京五輪開幕まであと80日と迫り、各テレビ局の五輪キャスターが続々と決まっている。NHKはエースの青山祐子アナがメーンを張り、日本テレビは元NHKの堀尾正明、明石家さんま、桜井翔というバラエティー色が強い顔ぶれ。フジテレビはヤクルト前監督の古田敦也と相武紗季。テレビ朝日は松岡修造と武内絵美アナのコンビで、テレビ東京は草野仁とトリノ五輪の金メダリスト・荒川静香がメーンキャスターを務める。……当初、TBSは元同局アナの雨宮塔子を第1候補に考えていたが、育児を理由に断られてしまったという。また、アテネ五輪でキャスターを務めた中居正広の名前も挙がったが、スケジュール調整がうまくいかないとか。そこで急浮上しているのが、なんと織田裕二だというからビックリだ。……
5月25日 日刊ゲンダイ

■仕事とは言え、四川省の大震災がどこまで被害を広げるのか、誰にも分からない時に、五輪精神など打ち捨てて単なる商売がらみのお祭騒ぎに仕立て上げようとしているテレビ業界には、危機感という物は無いのかいなア?と他人事ながら心配になります。たったの80日後ですぞ!阪神淡路の大震災の2箇月半後はどうだったのか?テレビ局には資料が無いのでしょうか?各テレビ局がそれぞれの思惑で用意している「キャスター」の皆さんには、それ相応の世界観やら五輪精神に対する理解、それに加えてチャイナという国に関する知識も豊富なのでしょうから、1人ずつ名前を挙げて論評するのは失礼でしょう。ただ、そんな不謹慎なお祭騒ぎを(新しい)テレビで見ようとは思いませんが……。


……中国東北部、ハルビン市郊外の五常市で竜巻と雹が発生し、1人が死亡、36人が負傷……。竜巻は23日午後7時10分ごろ発生。家屋19棟が倒壊、400棟が損壊し、負傷者のうち2人が重体で16人が重傷。……風速は毎秒50~69メートルと推定される。ハルビン市当局によると、この竜巻による経済的損失は約3110万元(約4億6000万円)に上る
5月25 産経新聞

■チベットの東玄関口で大震災が起こった10日後に、今度は旧満州での天災です。死者はたったの1人でも、連続する天変地異はチャイナの迷信を刺激するでしょうなあ。米国の中西部では巨大な竜巻が発生している時期とも重なりますが、場所を考えると異常さに驚かされます。まるで北京を挟み込むように、今年になって南には巨大な台風が上陸して長江流域に洪水が起こり、その上流での大震災、そして北京の北では大竜巻!ですからなあ。当局が発表している被害額に比べて被害者の数が少な過ぎるような気がしますが、北京五輪を控えて数字も控えめにしているのかも?


中国四川省地震局によると、25日午後4時21分、同省青川県付近を震源とするマグニチュード(M)6.4の地震が観測された。12日の大地震(M8)以降最大の余震で、中国中央テレビは400人以上が負傷し、少なくとも1人が死亡……。この余震で新たに7万軒以上の家屋が倒壊。震源から1200キロ以上離れた北京でも余震の揺れを感じた。省都・成都では発生直後、ビルから飛び出した人々で大通りが埋め尽くされたという。

■先の大震災で倒壊した建物から人を馬鹿にしたような、ヒューザー姉歯物件でさえも使わない細い鉄筋がむき出しになっている光景を見せられれば、建物を飛び出すのは当たり前でしょう。北京政府は、「五輪施設は安全だ!」と必死に宣伝してはいますが、それは裏を返せば「それ以外は安全の保証はない」という意味にも取れますからなあ。