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『偉大なるシルクロードの遺産展』其の壱

2005-08-21 12:17:16 | アジア編
■中央アジアのペンジケントから発掘された壁画をお目当てにして、福島県いわき市の市立美術館に出掛けて見ました。不思議と出不精の性分なので、友人二人からの「説明役」要請に応ずる形で車で送迎までした貰ったのでした。不思議な巡り合わせで、会場に到着して最初に御土産コーナーを物色したりしてから、いよいよ展示場に足を踏み入れようとチケットを係の女性に手渡そうとした時でした。大きな美術館の建物が上下に振動し始めて、やがて激しい横揺れがやって来ました。大きなガラス窓の外では電柱が唸りを上げて盛んに揺れておりまして、瞬間的に震源地を心配しました。いわき市周辺は、アンモナイトや首長恐竜の化石が出て来る日本でも最も古い地面なので、ちょくちょく振動はしますが壊滅的な震災はほとんど起こらない場所ですから、住民は地震の時には津波を心配すれば大丈夫と思っている節が有ります。しかし、今回の地震の大きさはなかなかのもので、縦揺れのP波と横揺れのS波との時間差から、何となく南なら東京直下、北なら仙台と予想しました。

■美術館の職員さんが、事務室のテレビを見てくれて、館内放送の前に、「仙台で震度6弱です」と教えてくれました。仙台は近年に何度も大きな地震を経験しているので、東京よりは地震対策が進んでいるので少しは安心?と思ったのも親しい人が仙台には居なかったからでしょう。後で新築したばかりの室内プールの天井がごっそり落下したと知って驚きました。と言うわけで、相当の揺れにもかかわらず、展示品には何の以上も無く、一度飛び出して来た見学者も展示場に入り直すのに続いて、我々も入場しました。

■中は混雑という程の入場者数でもなく、地震の最中にあれこれと職員の皆さんと話をした気楽さも有って、最初の展示室で同行者に早速あれこれと説明をしている内に、熱心な質問につい嬉しくなって声が大きくなってしまいました。展示品に興奮したのが一番の原因でしたが……。面白い事に、第一展示室の監視担当の女性も暫らくは耳を傾けていたのでした。三つ目の解説をする頃になって、我に返ったように椅子から立ち上がって近寄って来ました。「あのー、少し声を抑えて頂けますか?」と、とても済まなそうに注意されてしまいました。何はともあれ、丁重に謝罪して事無きを得ました。

■この展示会は2月の福岡市博物館から始まって、4月~5月は香川県歴史博物館、いわき市の次が岡崎市美術館で9月~10月半ば、最後が10月末~12月4日までの京都文化博物館という順番で公開されるのだそうです。何故か東京では開催されずに、東日本ではいわき市だけの公開となっています。というわけで、行きたくても行けない!というシルクロード・ファンの為に詳しくレポートしようかと思います。

■今回の展示品は、ウズベキスタン芸術学研究所、ウズベキスタン国立美術館、ウズベキスタン国立工芸博物館、サマルカンド国立文化歴史博物館、タジキスタン民族考古博物館、タジキスタン民族学博物館が全面的に協力して下さり、その上、日本国内からも、MIHO MUSEUMから自慢の古代バクトリア・コレクションと、広島県立美術館から中央アジアの装身具コレクションが出品されています。これだけの場所を旅する時間とお金を考えますと、タダ同然の料金で贅沢な旅を満喫できるというわけですなあ。同行者の一人は彫刻をしている人なので、どうしても作品の出来を評価してしまうらしく、一つ一つの展示品が潜って来たシルクロードの動乱の歴史を知らないと「有り難味」も「感動」も無いとの正直な話も出まして、誠に有り難いことに、見学コースの半ばが吹き抜けのホールになっていまして、そこに便利な大きな地図と年表のパネルが掛かっていましたので、即席のシルクロード講義をしてしまいました。

■ポイントは、①日本の縄文土器の貴重さと異常さ、②中華文明の総体的な新しさ、③アレキサンダーとペルシア文明、④アジアの名称について、⑤モンゴル帝国の歴史的意義、⑥ロシアの東進理由、⑦オスマン・トルコの歴史と地理上の位置という御話を、小一時間ばかり語ってしまいました。同行者二人は時々質問もしてくれたので、こうした項目が並んだのですが、途中から後続の見学者がぽつぽつと足を止めて遠慮がちに聴講?して下さいまして、終了時には7~8人の御夫人方から、御辞儀と御礼の言葉を頂戴してしまいました。お恥ずかしい!

其の弐に続く
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2 コメント

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Unknown (山原 茂)
2005-10-17 12:06:38
私のブログにトラックバックしていただき有難うございます。ここ数ヶ月間、美術館博物館を駆け回っています。滋賀に居住していますので、滋賀・京都・奈良・大阪・兵庫がテリトリーで、いくらでもあります。

もうすぐシルクロード展が京都にやってきます。あなたの解説を思い出しながら鑑賞したいとおもいます。

また私のブログを覗いてください。
山原茂さんへ (旅限無)
2005-10-17 16:03:16
いらっしゃいませ。羨ましい環境ですね。どうぞ、これからも研究成果をご紹介下さい。拙ブログが何かのお役に立てば何よりでございます。

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