南武沿線道路

川崎フロンターレ中心のスポーツ観戦記、のつもりです。目の肥えた方には稚拙な内容かもしれませんが、どうぞご贔屓に。

今更ながらに紅白歌合戦を斬る

2005-01-03 21:37:36 | 諸々雑記
視聴率と言う数字自体どこまで信憑性があるものか、かなり怪しげなものではあるが、かといってまるっきり根拠のないものでもない、と言う前提で話を進めていく。

去年の紅白歌合戦、視聴率が39.3%(第2部・関東地区)まで落ち込んだとのこと。各地方でも似たような数字になり、特に仙台では20%代後半まで落ち込んだらしい。小川直也呼んだりアニマル浜口に乱入させたり、しまいにゃギター侍に紅白自虐ネタ披露させたり(「でも今の紅白、裏番組の格闘技におされっぱなしですから!残念!!」とやらかしたらしい)いろいろやったらしいが、結局右肩下がりに歯止めはかからなかった。裏番組では長井秀和に(筆者はこっちを見ていた)「大トリに海老沢会長呼んできて『笑って許して』歌わせろ。それができたら笑って許してやる。やれるもんならやってみろ!」と言われる始末。「国民的番組」と呼ばれた時代も今は昔、すっかり「ただの人気歌番組」になってしまった。

「家族そろって楽しめる歌がなくなった」「人気歌手にことごとく断られた」等々、新聞雑誌中心に様々な分析が出ている。たしかにミスチルや宇多田ヒカルは出なかったし、倉木麻衣は姿が薄かった。サザンオールスターズに至っては、昔紅白のスタッフとトラブったのが原因で、その当てつけに年越しライブ始めた、なんて噂がまことしやかに囁かれている(それでも去年は久々の復活だったが)。たしかにそういう一面はある。今の自分たちの世代で演歌を一つも聞いています、なんてやつの話は聞いたことがないし、自分たちの親の世代がはやりのJ-POP(これもなんか定義づけがかなりいい加減な言葉らしいが)になじみがあるとも考えにくい。

しかし、今回1曲だけ、老若男女みんなに期待された歌がある。そうマツケンサンバⅡである。俳優・松平健が自分の舞台のフィナーレに数年来歌い続けてきた、いわば限定商品だった歌が昨年一気に日の目を見るや、日本中を席巻し、一大ブームになったことは記憶に新しい(様々な仕掛けはあったらしいが)。松平健とそのスタッフが「舞台を見に来てくれたお客さんが、どうすれば満足して帰ってくれるのか」を真剣に考え、試行錯誤を重ねた結果があの金ラメと髷姿なのである。

一視聴者から見れば、こいつを大トリに持ってくるくらいの決断が何故できなかったのかと思う。たしかに、草創期は別としても初登場の歌手が大トリという前例はないだろう。いわゆる「大御所」のしがらみもあるだろう。しかし、ほんとに視聴者の気を引きたいのであれば、それくらいのことをしなければならないだろうし、話題にすらならないだろう。

裏の格闘技、一昨年のK-1で曙vsボブサップが瞬間最高視聴率で紅白を抜いた。昨年はそこまでの注目カードはなかったが、それでも昨年に迫る視聴率を叩き出した。筆者は正直あんな録画のつぎはぎ放送は正直如何なものかと思うが、それでもそっちに流れているのである。格闘技は真剣勝負、むろん紅白も一曲一曲は真剣勝負だろう。しかし、時代は本物(少なくとも『本物らしさ』)を求めている。「紅白のために作りました」的な演出ではもはや視聴者はついてこない。この辺を考えていかないかぎり、紅白復権はないのではないだろうか、と思う。

果たして今年の年末、どんな大晦日の視聴率競争はどんなサプライズを見せてくれるのだろうか。そうかと言って、あんまり変な方向に進んでもみんな引いていくだけだとは思うが、さて・・・。
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