岸田文雄首相は11日、法相は「死刑のはんこを押す時だけがトップニュースの地味な役職」などと発言した葉梨康弘法相を更迭した。死刑執行命令の権限を持つ法務行政トップの発言に、職務続行は不可能と判断した。岸田内閣で閣僚の不祥事による辞任は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との関係が問題視され10月24日に経済再生担当相を退いた山際大志郎氏に続き2人目。3週間足らずで2閣僚が更迭となる異常事態になった。
葉梨氏は11日夕、首相官邸を訪れ、首相に辞表を提出。首相は事前に自民党幹部に対し法相交代の意向を伝えており、更迭となる。首相は辞表を受理した後、首相官邸で記者団に「法務行政に対する国民の信頼を損ねたことなどを考慮し辞任の申し出を認めた。私自身、任命責任を重く受け止めている」と語った。後任には斎藤健元農相を起用した。斎藤氏は皇居での認証式を経て同日のうちに就任した。
首相は12日にカンボジアで予定される東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合などに出席するため11日午後に政府専用機で羽田空港を出発する予定だったが、法相交代への対応で出発を12日未明に遅らせた。
葉梨氏は辞表提出後、「死刑という文言を軽率にも使ってしまったことで、国民の皆さまや法務省の職員に不快な思いをさせてしまった」と記者団に語った。自身の進退について10日夜首相に相談し、11日の衆院法務委員会で事実関係を明らかにするよう指示されたと説明。辞意は法務委の終了直後に固めたとした。
葉梨氏は9日夜、東京都内の自民党岸田派の衆院議員のパーティーであいさつした際、法相の職務について「朝、死刑のはんこを押し、それで昼のニュースのトップになるのはそういう時だけという地味な役職」と発言。「旧統一教会の問題に抱きつかれてしまい、解決に取り組まないといけない。私の顔もいくらかテレビに出るようになった」「外務省と法務省は票とおカネに縁がない」とも語った。11日午前の閣議後の記者会見では「他のパーティーや地元の会合でも複数回は(同様の)発言をした」と述べていた。
首相は当初、葉梨氏を続投させる意向を表明。11日午前の参院本会議でも、葉梨氏について「職責の重さを自覚し、説明責任を徹底的に果たしてもらわなければならない」と述べていたが、法相としての資質に疑念が抱かれる発言に、政府・与党内からも即時更迭を求める声が出ていた。
葉梨氏は自民党岸田派に所属し、衆院茨城3区選出で当選6回。元警察官僚で、2003年衆院選で初当選した。副法相、副内閣相、副農相を歴任し今年8月の内閣改造で初入閣した。
首相は10月24日、旧統一教会との接点が相次ぎ判明するたびに釈明を繰り返した山際氏を事実上更迭した。3週間足らずの間に閣僚が2人辞任したことは、政権運営に大きなダメージとなる。
◇斎藤健・新法相「秘書が教団関連の会合参加」
法相に起用された斎藤健氏は11日夜の就任記者会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点について「秘書が認識をせずに一度だけ関係団体の会合に顔を出したことがある」と説明した。ビラ配りや集会のボランティアに1人、「ご関係の方がおられた」とも述べた。教団や関連団体の会合に自身が参加した事実はないとしている。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/877cba2b8be34e058ce933dc672931fb3d5df410)
守るなら最後まで守る。
切るならさっさと切る。
で、この人は、岸田首相はやっぱりあかんね。
世間の評価ばかり気にしてる。
岸田内閣、案外もろいかも。
5369号