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負の無限ループ

※初めての方はこちら「プロローグ」「このblogの趣旨」からお読みください。
※「極楽飯店」の第一話はこちらから。

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「うつ」という症状は、負の無限ループに入り込んでしまった際に起こる思考の暴走、また、それを超えたオーバーヒート状態です。


「もっと前進したい」という強い願望(認められたい症候群)と、「後退したい」という強い願望(自己卑下による責任回避衝動)が同時に現れている中で、その葛藤に苦しんでいるという状態。

そして、願望のベクトルが完全に対局になってしまっているがゆえに、結局、前に進むことも、後退することもできず、ただ停滞してしまっている。

その「停滞」というどっちつかずの状態に、「結局何も出来ない自分」という罪悪感が上塗りされていきます。

「自分の存在価値 = 他者からの評価」というカルマ(思い込み)が根深く定着しているため、そこには、下記の様な思考が流れます。


1.認められたい(背景にあるのは、他者からの評価が得られないことへの恐れ)

    ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

2.認められるだけのことができていない私(客観的事実に伴わない、主観的価値付けによる自己卑下)

    ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

3.認められるだけのことができていないから、認められない(主観的世界観の構築)

    ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

4.価値のない私でごめんなさい(「だって、本当に何も出来ないのだから…」という自覚)

    ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

5.この苦しさから抜け出すには、自分の存在価値を高めなければならない(自分で作ったハードル)

    ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

6.でも、そのハードルが超えられない、どうしようもない私。(自己憐憫)

    ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

1.だけど(だから)、やっぱり認められたい(無限ループの完成)



こういった流れの中で、徐々に自分の存在価値を自分で貶めてしまうのです。



自分の存在価値を高めたい。でも、それが出来ない。

そのループを繰り返す中で、自己憐憫はどんどん上塗りされていきます。


【第一段階】自分の存在価値が見いだせない(「本当は、社会に貢献したいのに」)

【第二段階】私の存在には意味がない(「貢献できない私は、役立たず」)

【第三段階】むしろ、私(役立たず)の存在が社会に迷惑をかけている(「存在していてごめん」)

【第四段階】何も出来ない私が社会に貢献する唯一の道は、迷惑をかけている私がいなくなることだ


これによって「ひきこもり」や「自殺」などといった「社会からの隔離・抹殺」を自らの手で成し遂げてしまうのです。


いかがでしょう。

前回お話した、『うつは、その人が持つ「優しさ」が仇となっている』ということの意味が見えてきたと思います。


自分の「役に立てない」という状態に苦しんでいるから、そんな状態の中で、「頑張って!」と応援されたり、救いの手を差し伸べられたりしてしまうと、さらに「自分の役立たずぶり」が色濃く感じられてしまいます。

そして、

「ああ、やっぱり私はダメな存在なのね……」

ということになってしまうんです。


良かれと思って救いの手を伸ばしても、結局は余計に苦しめることになります。

でも、救いの手がないと、「誰も心配してくれない(苦しんでいることを理解してもらえない)可哀想な私」が顔を覗かせ、「ほら、やっぱりお前、嫌われてんじゃん?」と自分自身に語りかける。


救いの手 あってもなくても 救われぬ

そんな一句を詠んでしまいたくなるような状態が「うつ」なわけです。



では、どうすればいいのか。

この症状で苦しんでいるご本人。また、その周りで見守っている皆さんに、共通して取り組んでみてもらいたいことがあります。

「取り組む」とは言っても、それは行動ではありません。

ある「観念」を捨ててみて欲しいのです。


その観念とは、

『働かざる者、食うべからず』


これを、スッパリ捨て去ってください。

この、いかにも尤もらしく聞こえるスローガンは、我々日本人が永きに渡り呪縛され続けているカルマの一つです。

強烈なカルマですから、なかなか「はい、そうですか」と、素直に捨て去るのは難しいかもしれません。

でも、

『働けなくても、食って良し!』

で、本当にいいんです。


大阪の某賢者も申しております。

「働かざる者、食べてちょーだい!」と。


とにもかくにも、

アクセル(進もうという気持ち)とブレーキ(逃げ出したい気持ち)が同時に踏まれれば、当然エンジン(心)にが大きな負荷がかかります。

オーバーヒートしてしまいます。

そういうときは、無理にブレーキを外してアクセルを踏み、前に進むことを望むのは、ちょっと待ちましょう。

「停滞」のままでOKです。

その停滞期間がどんなに長く感じられていてもOKです。

無理に前に進むことは、より大きな苦しみとなってしまいます。

だって、「前に進む(生きる)こと自体に抵抗があるまま」なのですから。

だから、うつの時は、無理に前に進もうと頑張らないでください。


まずはその「前に進もう」という気持ち、アクセルを踏むことをやめましょう。

そうすれば、ブレーキだけが踏まれている状態になります。

「進まない(停滞している)」ということに焦りを感じるかもしれませんが、その状態は、実は「停滞」ではありません。

オーバーヒートしていたエンジンの「冷却期間」です。

「何も起きていない」のではなく、ちゃんと「改善」になっているのです。

焦ることなく(アクセルを踏もうとせず)、ゆっくりと療養ください。



さて、そんなこんなで次回は、あまり語られることのない「うつのメリット」についてお話してみたいと思います。




【トークライブ・インフォメーション】

コラボトークライブ「阿雲の呼吸」

下記リンク先、または、お近くのファミリーマート(Famiポート)でお買い求めください。

※システムの都合上、予約のキャンセルは可能ですが、ご購入後のチケットの払い戻しは出来ませんので、ご了承のうえお買い求めください。

※ありがとうございます。京都・横浜ともに第一部は、完売となりました。
 第二部(「瞑想」をメインテーマとしたお話の予定)には、まだ空席がございます。


◎7月7日(土)京都 (携帯サイトはこちら

◎8月4日(土)横浜 (携帯サイトはこちら


《パソコン・携帯からの購入方法がわからない方は、お近くのファミリーマートさんでご購入いただけます。》

ファミリーマート店内にあるマルチメディア情報端末「Famiポート」で「アウンノコキュウ」を検索してください。

詳しくは、こちらのページの『チケットを探して買う場合』をご参照ください。



【ソロトークライブ】

◎あの世に聞いた、この世の仕組み in 神戸

【日時】7月8日(日) (14:30開場)15:00~17:30

【会場】TKP三宮会議室 会議室1
    兵庫県神戸市中央区磯上通8-3-10 三宮三和東洋ビル 11F
    ・地下鉄海岸線 『三宮・花時計前駅』 (さんちか・C2出口)より徒歩1分
    ・地下鉄西神・山手線 『三宮駅』 (A9出口)より徒歩2分
    ・JR 『三ノ宮駅』 (西口)より徒歩4分

【料金】お一人様3,000円

※お申し込みは【こちら】(携帯からお申し込みの方は【こちら】(完売御礼)


◎もっと あの世に聞いた、この世の仕組み in 福岡

こちらは、下記の実行委員会宛にメールでお申し込みください。

【日時】7月28日(土)18:15~20:45(17:45開場)

【会場】ももちパレス小ホール
    福岡県福岡市早良区百道2丁目3-15
    ・地下鉄藤崎駅下車すぐ

【料金】お一人様 3,000円

【お申し込み・お問い合わせ】雲黒斎講演会 in 福岡実行委員会

    un.kokusai.fukuoka@gmail.com

    氏名、希望枚数、連絡先電話番号をお書きのうえ、上記アドレスへお申し込み下さい。
    受付後、お申し込みいただいたアドレスへ詳細を返信いたします。
    ※迷惑メール拒否設定等をご確認のうえ、返信メールを受け取れるようお願いします。


※7月の「月イチ☆」は、お陰様で完売となりました。



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