尖閣諸島の不法行為で逮捕した中国漁船船長が解放された。誰もが驚いただろうが、多分、経済界はホッとした人が多かったろう。
船長の逮捕は、「当然」と見る向きも、「逃げられた形にすれば良かったのに」とする人もあるだろう。
逮捕を選んだのであれば、断固とした処置を執るべきだったろう。
「国内法に則り、粛々と進める」との政府の見解。なぜ「粛々」なのかと、不思議だった。「断固」でないのは何故だっろう。相手国などに対して
「だから静かにしていてね」という希望が見え隠れする。
大誤算は、中国の過剰な反応。経済制裁。
予想などしなかったのだろう。
そして、もうひとつの誤算が、船長の否認だった。
「すぐに罪を認めるだろう」との甘い観測があった。そこで勾留延長はしないで釈放できると思っていたのだろう。
予想外の否認。そこで、面子(メンツ)もあって勾留延長せざるをえなかった。さらに大きくなった中国の反発。慌てて釈放してしまった。これが、大筋である。
逮捕した船長の調書を、前田検事に任せるべきだった。
間違いなく法を犯した!と確信できる相手なのだ。罪を認めなくとも、都合の良い調書を作るのに、なんの躊躇が要るものか!前田さんのような検事なら、迷うことはないだろう。しかも今回は、証拠を改竄(かいざん)する必要もない。
「不法に領海侵犯をしました。拿捕を逃れるために、意図的に船をぶつけました」と自白したことにするのは、お得意のはずだ。無実の人を陥れる心配もなく、両国の面子を保ち、少しは平穏に解決できたのではなかろうか。
中国に帰った船長も
「そんなこと自白していない」と言い張れば良い。言葉の壁、通訳の間違えなど、いくらでも言い訳できる。英雄扱いは受けないだろうが、罪にも問われない。
昨日、特捜検察の幹部が、犯人隠避の疑いで逮捕された。犯罪を隠し、犯罪者を逃がした罪。それだけじゃないだろう。無実の人を罪に陥れることになった可能性がある。犯罪を隠しただけじゃない。結果として、犯罪をでっち上げた罪はどうなるのだ。うそで人を罪に陥れる「誣告罪」などの適用もあって然るべきではないか。
国際紛争、国境紛争には、正義感に燃える検事でなく、前田検事のような「ストーリーを作って、恥も外聞もなく、正義より手柄や出世ができれば、なんでもやるぞと突き進むことのできる検事」を担当させるべきだ。
中国外務省の姜瑜報道官と前田検事の化かし合いが見ものだったろう。
今すぐ、大阪特捜部を、竹島、尖閣諸島の担当として、常時、海上で待機させるべきだ。信頼回復に、一番の近道と信じる。