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八ッ場ダム、やッばりムダ?

2009-09-25 01:04:30 | 日記・エッセイ・コラム

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 ムダな公共工事の代表として有名な八ッ場ダム。今また、脚光を浴びている。
 私の友人や知己の政治家達も反対運動の先頭に立っていた。呼ばれて反対集会にも馳せ参じたことがある。それから10年近い。地元の反対運動も、国・県の切り崩し、懐柔、脅しにあって崩壊してPhoto いった。地元の方々の諦めもあって、こんなにまで進んでしまったことに、あらためて驚くばかり。ただ、ダム本体の工事は、報道で騒がれるほど進んでいない。7割なんてとんでもない。重力ダム建設用の基礎支柱らしいものがあるだけではないか。
 莫大な工事費が使われたとあるが周辺付帯工事が大部分だろう。この付帯工事で、何故、こんなに巨額の費用がかかったのか、新政権には、こちらを徹底的に洗い出して欲しい。

 地元の方たちが、たとえ、仕方なくであっても、協力する立場になり、民主党政権の下、この期に及んでの中止は、「とんでもない裏切り」と困惑するのは当然のことだ。
 本来の責任は、ムダなダム工事を強引に進めて来た国の責任だ。
 環境破壊は当然起こる。環境破壊で心配されるのは、水没地に酸性度の高い温泉源があることだ。ダム湖は、死の湖になる可能性がある。計画当初から「中和剤を投入すりゃいい」となっているそうだ。とても飲用水とはいえない水質だ。貯水量も莫大な費用と比べて驚くほど少ない。

 治水、発電の効果も少ない。発電に到ってはマイナス効果となることが意外と知られていない。
 水の需要量については、推進派と反対派では全く反対意見だから、ここでは取り上げない。
 洪水対策については、これまでの最大級のキャスリーン台風クラス(60年も前)が来ても、必要がないほど周辺の治水は進んでいる。八ッ場ダムは、この頃計画されたものだ。一度計画したものは変更しない国の施策の典型だ。昨今の異常天候による豪雨でも、周辺ダム、含水地層、保水森林で,充分、対応可能だそうだ。 

 発電に到っては、流域にはすでに東京電力の多数の発電所があり、 晴天時には流量の約8割が発電用水として取水されている。八ッ場ダムの貯水量を確保するためには、この発電用水を大幅に削減することが必要で、その結果、新 たな発電所の生み出す発電量より遥かに多くの発電量が八ッ場ダムによって失われ、その減電に対して巨額の補償が必要となる。(発電部分の記事は、八ッ場ダムを考える会「八ッ場ダム計画の問題点」から引用)。

 ダム予定地の軟弱地盤が明らかになり、工事費が大幅に増えることも確実視されている。
 これまでも巨額の費用が投入されている。この内容もきわめて不明朗な気がする。地元対策費としながら、政治家や一部の有力者に、相当流れているのではないか。あれほどの反対運動を治めたのだ。
 
 中止とした場合のムダと、今後のムダのバランPhoto_2 スを考えても、中止すべきだの声が多い。
 中和剤や土砂の沈殿で、このダムの寿命は意外と短い。運用を長引かせるため行う沈殿物の除去費用は莫大だ。維持費を考えたら、中止の方が安く付くかもしれない。なにより、工事費がどんどん膨らむのが、これまでの常。
 反対意見が起きないように安く見積もっておき、強引に始めてしまう。工事費が増えれば、「今更中止すれば、これまでの費用がムダになる」と、今回同様の主張に終始する。当初の積算責任者は、もう責任を問われる立場にいない。

 私は、高瀬川ダム、川治ダム、草木ダムの建設現場や水処理機械の仕事に多少かかわった経験から、ダム工事については興味があり、少しは知識を持つ機会を得てきた。建設関係の方からも、工事受注はありがたいが、計画通りの効果が期待できないムダダムが多いことも聞かされていた。
 
 原子力発電の際限ない費用(地域補償費、廃棄費用、安全対策費を入れると超莫大)と比較して、水力発電は発電量こそ小さいが、安全性が高いこと、問題が起きたときのダメージは小さい(発電中止量が小さいから)ので、有益だが、それでも、八ッ場ダムは、他の水力発電を使えなくする可能性があり、ムダのダムであることに間違いはない。

 地元の人たちが、ようやく、その計画の下に、生活基盤を作ろうとしている矢先での中止には、憤懣やるかたないだろう。気の毒で仕方ない。立ち退きを余儀なくされた人は、明らかにムダ公共工事の犠牲者だ。
 これほどムダが叫ばれた工事を、強引に進めてきた責任は、中止にする責任よりはるかに大きい。
 「地元の意見を聞け」と地元の人々。これまで地元の意見を無視して、進めることができたのは、自民一党支配の下で、反対意見を押しつぶす事ができたからである。
 長良川河口堰、諫早湾水門など、自民党支配の中で、工事のための工事として強行された事例の記憶が新しい。 

 国益全体の事を考えたら、勇気ある中止は当然の選択肢と思うが、たとえ、少数意見でも無視せず、納得のいく解決策がないのか、どうしたら良いのか、真剣に検討して欲しい。
 それで、もし、ムダダムの建設続行となるなら、もう、ムダ公共工事は止められないということになる。とにかく、強引に進めてしまえば勝ちとなり、利権を受けた者は、「後は知らないよ」となることを許すな。