沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩189

2010年09月21日 13時43分20秒 | 政治論
 尖閣諸島を巡る日中間の軋轢のようなものは、例えば海保の巡視船に一般漁船が追尾衝突したといったごく一般的な刑事事件を取り上げてわざわざ脅威を煽る行動に出る右翼やその亜流たちには、砂糖に群がって急に集結する蟻のような印象を受けるが、沖縄を巡る中国の属国論は戦前戦後通じ様々言われてきたことで今更本気に捉えてどうしようというのだ。こういう騒動の背景には太平洋戦争にあってアメリカがその恐るべき情報網と研究体制により沖縄を完膚なきまで研究し尽し、薩摩侵攻以来琉球処分やら日清戦争等の関わりで沖縄が持つ日本における特殊性に言及し、中国に配慮する形でアメリカが沖縄処分を検討した経緯があり、そういう意味ではアメリカは当初から日本の敗戦処理を画策し日本列島の占領形態を細かく設定し、沖縄に関してははっきり日本でないような扱いをした。27年にわたる特殊な占領政策を沖縄に対し採った理由はここにある。しかし沖縄と日本の係わりは外国の思惑で決する程浅くなく、今更中国の属国に組み替えられてもその甚大な違和感をどうするのか。こういう論議こそ不毛の話だ。国際常識に添って論じるがいい。沖縄県民は誰一人中国に支配された歴史も経験もないし自分が中国人だと思ったこともない。しかしこれと先の戦争で大日本帝国が沖縄に対してとった重大な罪過とは別問題だ。中国のことは全く論外な話だが日本政府の沖縄に対する重大な差別的不当行為は絶対に許容できない現実の話だ。勘違いするな。