失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「Superman」カーネーション 1996年 「上を向いて歩こう」サヨコ 1995年

2005-09-22 | 湾岸系
2005年9月18日、カーネーションから「重大発表」があった。

渋谷の空は、夕暮れから目の覚めるような満月が昇ってくる時間帯。
しゃべりが得意とは言えないあの3人では間がもたないだろう、という好判断で、トークライブのMCとして招かれたのは広義の湾岸系アーティスト(ただし、チバ・シティー方面)サエキけんぞう。昔話なんかでひとしきり盛り上がったあと、改まった雰囲気でその「重大発表」へ。
その内容は…カーネーションと本根誠氏の4人で、新会社「ハリケーン」を立ち上げる、つまり彼らは自分たちの音楽活動を自分たちで管理・運営していく、という道を選んだのだ。

聞いたときは、えっ!?あっ、もうそんなとこまで話が進んでたんだ、とびっくりしたが、少し時間がたってみるといろいろ納得できる部分も多い。ある意味重い話なので、サエキさんの軽妙な語りに救われた部分も大。株主がどーだとか、正直あまりミュージシャンの口から聞きたくない、という気持ちもあるけど(まあ、冗談めかして言ってたんだけどね)、彼らへの信頼は今後も揺らぐことはないだろう、と思う。

ここ何年か、いくつかの困難を乗り越えていく姿勢は感動的ですらあった。これほどライブに足を運んだバンドはないし、私がファンクラブに入会したのは後にも先にもこのバンドだけだったりする(別に偉そうに言うことではないが)。音楽以外で音楽家のことを語るのは好みではないのでこのへんで。

屋外でのトークライブの最後に演奏された「Lovers & Sisters」は、この日のために作られたのではないかと思うほど(満月も含め)、これしかない、という選曲だった。


ここから、このブログのスタイルで。

①Superman
作詞・作曲:直枝政太郎
屋根付きのハコ(BOXX)に移動してのライブは、ある意味5人での最後の演奏や、3人での初ワンマンを思い出させるような、エネルギーの塊!ぶっ飛んだ。新会社の話とか忘れそうになってたよ。で、この曲はアンコールで出てきた直枝さんが、印象的なイントロを弾き、やるのかなーと思ったら止めてしまった幻の演奏曲。ちぇ。仕方ないのでうち帰ってからこのシングルを聴いた。アルバム「Girl Friend Army」から、何と3枚目のシングル!遠い昔のようだ…

②ニュー・サイクリング・ブギ
作詞:直枝政太郎、作曲:棚谷祐一
珍しくシングルで聴ける棚谷作品。この曲だけかな?ヴォーカルも棚谷さん。

③やめておくれ (car over the lake dub)
作曲:直枝政太郎
駒沢裕城:Pedal Steel Guitar
太田桜子[King Kobra]:Dub Remix
アルバム・ラスト曲のインスト&リミックス・ヴァージョン。アルバムでは直枝・大田の男気デュエットが聴ける(「びろーん」ってスゲー歌詞だ)が、このヴァージョンは駒沢裕城(exはちみつぱい)のプレイを堪能する作りになっている。今なら矢部さんでいける?あ、ドラムがいなくなっちゃうか。

定価1000円、プロモ盤、中古で300円くらいだったかな。

そして、18日のトークで本根誠氏の仕事だということを初めて知った、サヨコの8cmシングル。白井良明プロデュース作品「空色帽子の日」、三上博史主演「ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け」高橋源一郎、真行寺君枝、ううう…どうにもこうにも80年代…ZELDAだよZELDA!元ZELDAのヴォーカリスト・SAYOKOが、SLY & ROBBIEと組んで689の名曲をカヴァー。これ仕組んだのがハリケーン社長らしい。

①上を向いて歩こう
作詞:永六輔、作曲:中村八代
Drum Programing: Sly Dunbar
Bass: Robbie Shakespeare
G: Lloyde "Gitsy" Willis
Key:Robbie Lyn, Clive Hunt
口笛:Pam Hall
DJ: Beenie Man

スラロビといえば、私にとっては87年の超名盤「Rhythm Killer」につきる。死ぬほど聴いたよ。何だろ、ミクスチャーってこんなの?とか思いながら聴いて、ありゃりゃカッコよすぎ。ラガマフィン、なんて言葉を知ったのも彼らからだ。最高にトンガっていたピークは過ぎても、リズムの強さは健在。やっぱ名曲。

②夢の旅人
作詞:高橋佐代子、作曲:宮沢和史
③SUKIYAKI(①の英語ヴァージョン)
④②のカラオケ

定価1000円、中古で100円。

うわー長くなりすぎた。今回の歴史の証人、サエキさん(パール兄弟)のシングルは別の機会に。

最後にひとこと言わせてもらえば、せっかくオフィシャル・サイトがあるのだから、翌日は無理でも連休明けには「ハリケーン宣言」をサイトにアップすべきでは?カーネーションのファンは、渋谷に集まった程度の数ではおさまらないのだから。

あっそうだ、ニューアルバムは鳥羽さんがエンジニアって言ってた!


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3 コメント

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うおお~ (Bassman)
2005-09-22 01:44:27
BOXXでのひとときがよみがえるエントリですね!

「SUPERMAN」のイントロ私もニヤリとしました!また演ってくれないかなあ。いや~しかしこのシングルの「やめておくれ」凄い好きです!駒沢さんいいっす!ゼルダも懐かしいですが最近エピックのコンピを聴いていて「くじら」の旧譜が凄い欲しい今日この頃。全部再発してくれないかなあ...。

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Unknown (あや)
2005-09-22 11:08:02
ほんと最高の夜でしたね。すべてがこの日のためにという感じ。

直枝さんが「Superman」弾き始めたときの、大田さんの「聞いてないよ!」風のリアクションが個人的にツボでした。

みたいな、音楽家の音楽以外のことなら私が語りましょう! むふふ。 



ということでTB返しさせていただきます~。
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Unknown (nakamura8cm)
2005-09-22 23:57:16
●Bassmanさん

「やめておくれ」のシングル・ヴァージョンは歌がないせいか、あまり印象に残ってなかったのですが、今回聴き直して駒沢さんのためのリミックスなのだ、と気付きました。カッコいいっす。

そのエピックのコンピ、子供ばんどで始まるヤツですか?うちにもあるし(笑)。



●あやさん

>大田さんの「聞いてないよ!」風のリアクション

そーそー(笑)!さすが、見てますねえ。あやさんの隅々まで漏らさずステージを見る能力、そして記憶力&表現力に脱帽です!



本文の「音楽以外で音楽家のことを語るのは…」の部分には、私にはあやさんのような愛に溢れた文章が(書きたいけど)書けない、という軽い嫉妬が含まれています(笑)。

>音楽家の音楽以外のことなら私が語りましょう!

おお、頼もしい!ハリケーン・レポ本編も期待してますよー。

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