中村叶の詩

中村叶の詩です。元気になれる。勇気がでる。心安らぐ。

右手のことは全く気にしてない

2006-03-06 19:07:23 | おはな詩(障碍を乗り越えて生きる)
右手のことは全く気にしてない
         
右手のない人がいた
生まれつき右の手首から先がなかった

日本に来て
右手のことを質問された
 
 右手のないことは全く気にしていない
 ものごころついたときから右手がなかったから
 そういうものだと思っているよ

グローブを右手首にのせて
胸におしつけながら
左手でボールを投げる
その刹那
すばやくグローブを左手にはめる
ピッチャー返しの猛打が襲っても
左手にはめたグローブで
難なく受け取り
すばやくグローブをはずしては
左手で一塁に送球する

見ていると
まるでそうするのが
グローブ本来の使い方のように思えてくる
それほどのなめらかさだ

彼はアメリカのメジャーリーグの投手
両手がそろっていてさえ
メジャーリーグの投手になるのは
並大抵のことじゃないのだけれど

彼の名はジム・アボット
ニューヨーク・ヤンキースの投手
片腕でノーヒットノーランを達成した名投手

 ハンディーが有るのは事実だけれど
 右手のことをハンディーと思ったことはありませんよ

 ノーヒットノーランだけは
 なにをやっても阻止する

九回迄アボット投手に
一人の走者も出せなかったインディアンズの監督は
セーフティーバントの指令をだした
なにがなんでも出塁者をだして
ノーヒットノーランを阻止しようと思ったのだ

セーフティバント!
ファウル
球場はブーイングの嵐

インディアンズの最後の打者が
内野ゴロに打ち取られたとき
ジム・アボットがノーヒットノーランを達成したとき
九三年九月四日
球場の三万人の観客は
全員が立ち上がり
アボット投手に喝采を送ったのだった
スタンディング・オベイション

その喝采は
アボット投手の努力と精進をたたえるものでもあり
アボットを生み、育てた、励まし続けた
母や父をたたえるものでもあっただろう
さらにまた
アボットを支え
アボットの今日をあらしめた
多くの人々をたたえるものでもあっただろう

人は誰でも
多くの人の支えによって成長していくものなのだから

神は乗り越えられない試練は
お与えにならない




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