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この結末が!「dele/ディーリー」第7話  感想

2018-09-09 02:50:46 | テレビ番組
一応、ネタばれがあります。

デジタル遺品の消去を請け負う二人組を山田孝之と菅田将暉が演じるミステリードラマで、一話から面白く見ています。

無表情で理路整然とした車椅子のプログラマー役の山田孝之と、人なつこく感情的でお喋りな助手役の菅田将暉という、対照的な二人の王道バディものだと思います。

7話は、実際に起こった毒物カレー混入事件を元にしたと思われるエピソードでしたが、これがなんとも尾を引く後味の悪さでした。
まさに気持ち悪い。

ストーリーとしては、自殺した依頼主が8年前のジュース毒物混入事件で死刑囚となった男の息子と判明し、遺されたデータを確認したところ、死刑囚とは別の男がジュースに粉末を入れる動画が残されていたが、調べてゆくうちにその男を始め次々と疑わしい人物が浮上し…、というものです。

死刑囚は毒殺未遂の前科があり、テレビ取材でも荒々しい態度で、犯人と決め付けられてしまった冤罪なのか。
この死刑囚は塚本晋也が演じていましたが、やはり素晴らしい迫力でした。

しかし、事件の起きた町の住人達も、汚職、不倫、暴力と、裏の顔があり、様々な動機があり疑わしいことが分かってきます。

自殺した死刑囚の息子も、当時犯罪者の子ということで町の人々から蔑まれており、薬瓶を持っている動画もあり、犯人ではと疑われます。
この、犯罪者の子どもの過酷な生活も、ドキュメンタリーで話題になっていたり、やはり実際の事件を意識しているのかと。

結局、真相にたどり着く前に死刑が執行され、遺された動画データは消去することになります。
真犯人は結局誰だよ?、とモヤモヤする結末に。

とは言え、これが現実的な視点なのかもと。
山田孝之の言う、これまで調べた冤罪の可能性の証拠を裁判所に提出しても黙殺されるだろう、消去されたことによって結論は一つになった、というのは、公には死刑された者が真犯人であると結論付けられた、犯人が死刑となるではなく死刑された者が犯人とされる、という皮肉かと思いましたが。

死刑囚が犯人と結論付けられ、裏の顔を隠したまま元の日常を取り戻す町の人々の笑顔の描写も、真実など無意味なものというように、不穏な気持ち悪さがありました。
しかし、現実とはそういうものかもと思わされます。
真実など、当事者以外分かりようがないですし、データも証言も状況証拠でしかないといった歯がゆさもありました。

最後、町の少女が事件の時、余所から来た人にジュースを飲むと死ぬから飲まないようにと言われた記憶があると話していましたが、これは今まで浮上した容疑者以外の第三者が犯人という可能性を示唆しているのでしょうか。

それとも、死刑囚親子が引っ越してきたばかりで余所者扱いされていたので、親子のどちらかが犯人ということでしょうか。
しかし、動画を撮っていた死刑囚の息子が犯行現場を目撃して善意で教えてあげたという可能性も考えられます。

事件の記憶から不安げな少女に、ろくに話を聞かず笑顔でジュースを飲むように強く勧める大人の様子は、嫌な事や都合の悪い事に無理矢理蓋をするような、不穏な同調圧力を感じました。

丁度、異例の連続死刑執行も記憶に新しいので、色々と考えさせられる印象的なエピソードでした。
真犯人は明確にされない構成とか、深夜とはいえテレビドラマでこのようなエピソードをするとは、好感が持てます。

ついでに、録画視聴していたところ、見終わったタイミングで、NHKスペシャル「未解決事件7・警察庁長官狙撃事件」の放送が始まるのを知り、シンクロするものを感じつつ、こちらも面白く見てしまいました。

次回は最終回のようで、終わるのは残念ですが、期待しています。
 
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今回は良かった ドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」4話 感想

2018-08-08 18:38:02 | テレビ番組
今回は、シングルマザーの生活保護受給者のエピソードでしたが、面白かったと思います。

原作を読んでいたものですが、前回までは原作からの変更点がほぼ改悪のように感じていたので。
主人公の頑張りの押し売り感と言いますか、無駄に主人公が走り回る様子が長かったりとか。

不正受給のエピソードなど、ギターを壊した高校生にお古のギターをあげるとか、そもそもケースワーカーが個人的に物をあげるとか良いのか?と思いましたし。
田中圭演じる上司のキャラなど、キャラがぶれてるとは正にこの事か?、とか思いましたし。
田中圭がブレイクしたので、無理矢理見せ場を作っている感じがしてしまいますし。

しかし、今回のシングルマザーのエピソードは、ドラマとして上手くまとめられていたと思います。

妙に七条のマザコンキャラを推してるな、とか思っていましたが、今回のエピソードに絡めるためかと。
シングルマザー役の安達祐実の切実な演技も良かったです。
母親だからと頑張るよう期待されるストレス、悪意が無くとも追い込んでしまう様子が描かれていたと思います。

シングルマザーの自殺未遂について意見するのが、原作と異なり主人公という部分も、第1話が伏線になっていたり成る程と思いました。
受給者の自殺という辛さを七条には味わって欲しくない、みたいな台詞は、どこ目線なのかと、要らないような気もしましたが。

女性は結婚して子供を産むのが普通、という固定観念に疑問を投げ掛ける台詞なども、良かったと思います。

ということで、主人公がメインでないエピソードの方が良いのでは、などと思ってしまいますが、今後も期待しています。
 
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ドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」1話 モヤっと感想

2018-07-20 20:14:50 | テレビ番組
一応、ネタばれがあります。

大学を卒業して区役所に採用された主人公・義経えみるは、生活保護事務に携わるケースワーカーとして生活保護受給者達と接してゆくことになる、というストーリーです。

原作漫画を読んでいたもので、ドラマも見てみました。
個人的には、実写化するなら土屋太鳳が主人公役が良いのではと思っていましたが。
新人の未熟さとか天然感とか合いそうかと。
実際のドラマの主人公は吉岡里帆が演じています。

正直、以前原作を読んだ印象からすると、こんなゆるいお涙人情ドラマだったっけ、と思ってしまいましたが。
結構モヤっとしたので、原作を読み直してみましたが、結構変更されているようでした。

まず、主人公が映画監督志望だったことになっている点。
原作ではそういう設定は無かったですが。
映画監督志望の設定に何の意味があるのだろうかと。
映画監督志望ということでか、受給者をハッピーエンドに出来るか、などと映画になぞらえたような台詞がありますが、相手の人生のどこをエンドと思っているんだという主観的過ぎるモチベーションとか、馴染めないのですが。
力になりたいとか支えたいとか、感情的な台詞も多い気がします。

阿久沢のキャラクターも、何故借金相談に頑なに行かないのか、ドラマではよく分かりませんでした。
別れた娘への未練を絡めて説得され債務整理を決心する流れも、それまでの頑なさは何だったんだという、いかにもドラマ的な安易な感じがしましたが。
原作では、自己責任の意識、妻子への罪悪感などから、借金返済が自分への戒めと捉えているらしいことが描かれており、それを理解した半田が話した同じように借金に苦労した他の受給者のエピソードを聞いて考え直す流れで、リアルな心理だと感じましたが。

ドラマは、受給者側のリアリティより、受給者の為に奮闘する主人公の描写に主軸を置いているのかなという印象です。
コピーも「誰かのために汗かく、夏」とか、どこ目線かと、微妙な気がしますが。

七条のマザコンキャラ押しも、別にそこまでと思いますが。
そこから、シングルマザー受給者のエピソードに繋げるのでしょうか。

と、イマイチな部分を挙げましたが、生活保護について理解を深めることが出来るドラマになれば良いのでは、とは思いますので、今後も期待しています。
 
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ドラマ「宮本から君へ」最終話 感想

2018-07-01 10:10:02 | テレビ番組
様々な人々の協力を経ての競合入札の結果から、突然の元カノとの再会と、色々とかき乱される最終話でした。

しかし、ここで終わりか、もう終わりか、と。
元カノとの場面は、よく言った、しかし苦い、と思っていたら、この苦い夜の街で終わりか!、と。
いつものように続く、という感じでしたが。
理想が通用しない世間に、苦い敗北感を味わいながらも、それでも生活してゆくという。

原作ではここから激しくアップダウンするのですが。

池松壮亮の、ぐっと堪えて噛み締めたり、怒りをぶちまけたり、熱くも苦い演技はやはり良かったです。
ドラマでも、みっともなく面倒くさく暑苦しい宮本が、容赦なく描かれていたと思います。
エレカシの歌にのせて宮本が公園でジタバタするワンカットのオープニングも、かなり好きでした。

是非続きも映像で観てみたいと思うのですが。
 
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映画「虐殺器官」 モヤっと感想

2018-06-24 09:58:32 | 映画
WOWOWで見ました。
一応、ネタばれがあります。

原作未読です。

虐殺やテロにまつわる、良心や自由の概念を考えさせられるストーリーや、痛覚マスキングといったSF設定などは、興味深く面白いと思いました。

とは言え、説明的な台詞や自分語りが多いように感じました。
クライマックスなど、メロドラマのような雰囲気で丁寧に語り合う登場人物達には、あまり入り込めませんでした。

主人公が捕らえられた時に刷り込まれた文法は何だったのかは、解らないままだったような気がしますし。
刷り込まれた文法が愛情を増幅させるもので、主人公が異様にヒロインに執着しているのはそのため、かと勝手に解釈をしましたが。
そこは説明が無かったような気がしますが、見落としているのかも知れませんが。
ラストも台詞で語り、結局どうなったのか、分かり難かったです。

作画は、アクションシーンなど良く出来ていると思いますが、人物の顔など微妙な気がしました。
絵柄は綺麗ですが、場面場面でタッチが違うというか。
ヒロインの顔など、当初はリアルなタッチで美しさが印象的でしたが、クライマックスでは微妙な感じが。
アニメ「いぬやしき」を観たときも思いましたが、リアルなタッチの絵柄だと、作画が素晴らしいと感じる場面と微妙と感じる場面があるのは仕方ないのでしょうか。
製作会社の倒産など、紆余曲折あったようですし。

少年兵達を撃ち殺す残酷なシーンがありますが、テーマを考えると、ここはもっと細かく残虐に描写する方が良いのではと思いました。
こういうところが言うなれば、綺麗でスタイリッシュなアニメーションでマスキングされてしまっているように感じます。


と、こういったモヤっとした感想でしたが、映画サイトのレビューなど、評価が高いものが多く、更にモヤっとしてしまいました。

ラストは、主人公が文法を使うことが示唆されているというのは、成る程、言われてみればそういう描写が、と納得しましたが。
クライマックスのメロドラマから後は、あまり入り込めず集中していませんでした。
ヒロインは事実を公開する事を望んでいたので単に事実を話しただけと思っており、また、主人公の映ったテレビのチャンネルを視聴者が変えるシーンがあったので、結局は無関心、世界は変わらない、という意味合いかなと思っていました。

原作のエピソードなど結構カットされているようですし、やはり、原作を読んでいれば理解し易く評価高いのでしょうか。
原作は興味があったので文庫本を購入したものの、未読だったのですが、読んでみたいと思います。
しかし、映画が良かったので原作も読んでみたい、ではなく、映画が不満なので原作を読んでみたい、というのは、映画作品としてはどうかとも。

作画の不満などはあまりないのでしょうか。
気にし過ぎでしょうか。
作画崩壊というレビューもありましたが、概ね満足度は高いのでしょうか。

ついでに、各地で虐殺を扇動する謎の人物という設定は、漫画「闇のイージス」の蝶に似ているなと思いました。
こちらはテロリズムを扇動しているという人物ですが。
ちなみに「闇のイージス」の方が古い作品です。
 
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