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190E(30年5ヶ月 20万4200Km)外装 サマリー


現代のような超鋼板を使用する前のオールドメルセデスベンツは、
鉄球のような強さを持っています。
そして、その外側が錆びないように塗装しているのが
当時のメルセデスベンツであり、それが高級の証でした。

しかし多少のコストダウンや車格、軽量化を考えて
190シリーズはEクラスに比べて塗装する層が1層減らされています。
それに加えて、日焼けしやすい赤色(シグナルレッド)は、
毎年トヨタ系のプロによるポリマーコーティングをして頂いても、
磨きすぎや経年変化で白っぽく(ピンクっぽく)なってしまいました。

その後は僕がアメリカから持ち帰った50種類以上のワックスや
ケミカル、コーティング剤で復活を試みるも、
1度痩せてしまった塗装には、成すすべもありません。
加えて、ときどき露天駐車するというお約束付き。



購入後16年経った2005年、ドイツに送ってぜひ再塗装したい
という父の話でしたが、丁重に断ったのがヤナセBP。
なぜなら、ドイツのオールドタイマーセンターで購入した人が
日本に持って来ると、必ず、ヤナセで再塗装する羽目に
なるからだそうです。
それではドイツ本社の塗装が悪いのかと言えば、
当時の新車基準で塗装するので仕方ないという話。
この辺は、物議のある所です。
個人的な意見を書くならば、ドイツのオールドタイマーの
下地塗装はかなりイマイチな気がします。
また、当時日本に輸入されたメルセデスベンツでも
PDI検査に落ちて再塗装や部分塗装を余儀なくされた車両は
結構ありました。アメリカのGMなんぞや100%
日本で塗装されていると書いても過言では無いでしょう。
ですから、メルセデスベンツの塗装が良いというのは迷信で
今でもヨーロッパの高級中古車市場で、リアにYANASEステッカー
が貼ってあるメルセデスは高価買取販売がされている程です。



話を戻して、ヤナセBP(元ウエスタン工場)で会議の末
オールドタイマー車などに精通のある職人さんを集合して貰い
再塗装して貰いました。気候も少し暑さの過ぎた秋という事になり
最初の話から5ヶ月程度経過して、作業に入るという念の入れよう。
ボディーレストアには実際の作業より、
事前準備の方が遥かに時間が掛かることを勉強しました。
そして、外装部品を外していくと、ほとんど錆が無い事が分かり、
基本的に塗装を中心に作業を進めました。
その時の若きプロジェクトリーダーY氏は現在、
福岡のヤナセBPに居るそうです。

実はこのプロジェクトに、フォルクスワーゲン東京(現VJS)が
深く関わっている事は、今なら書いて良いのかも知れません。



父の意見を込めて再塗装した190E。
「エンブレムやモール類のクスミはワンオーナーの証だから再利用してほしい」
という難しい難題もクリアーして、完成しました。

若きプロジェクトリーダーのY氏は、納車直後に意外な事を言います。
「うちの父の磨きは世界一です。必ずこれ以上の輝きが出ます」
慎重派の父が、Y氏のお父様を訪ねたのは翌週。
ここで「オートサービスヤマダ」さんと出会う事になります。



それから15年。
様々な状態に晒されても、全く変わらない輝きは
バーダル社のポリマー樹脂系ボディーコーティング剤のお陰。
山田御大の絶妙な力加減と熱の入れ方から、完璧に近い輝きを
長年保って来ました。
しかし、各種事情からバーダル社が全世界的にポリマー樹脂系
コーティング剤を終了し、世界最後の在庫はオートサービスヤマダさん
のみが所有するという珍しい状況に。
在庫が底を尽きて来た2018年から、ケイ素系ガラスコーティングに移行
されました。これは少しでも多くの湿気があると白く出てしまう欠点があり
施工も苦労されたそうです。(拭けば取れてしまうんですけど)
ボディーの輝きも年々進化している最中と言えます。



2012年にはテレビ番組にも出演。
同型車が見つからなくて、ブログで見付けてくれたそうです。
楽しい思い出になりました。



1台の車を長く乗ると、思いもよらない事が沢山あります。
学生時代、コーティングのバイトをしてから何百台の車を
磨いて来ましたが、この車ほど勉強になる素材はありませんでした。

オリジナル塗装マニアに言わせれば、
僕の所有の仕方は正攻法ではないようですが、
時代やオーナーに合わせて変化する昨今、
特に僕みたいにセミミントコンディションを
足代わりにしたいと思う者としては、
これも一つの方法ではないかと思うのです。

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コメント
 
 
 
Unknown (サッコ 201)
2020-02-21 22:32:46
中澤様、こんばんは。

なるほど。信頼できるところで再塗装されたからそれだけの輝きを保ってるのですね。とても赤が鮮やかで眩しいです。

3枚目の写真は何処で撮られたのですか。背景が素晴らしくてつい見とれてしまいました。そこに190Eの赤がしっかり映えますね。そして拝見したところ夜撮られてるようで、それがまた良い雰囲気を醸し出していますね。そのままカレンダーなどに使えそうな出来栄えだと思います。

ところで私の190Eのタイヤは195のR60を履いています。でも中澤さんの190Eを拝見するとやはり標準サイズが1番しっくりくる気がします。だいぶ前のブログでミシュランの標準サイズにされてると記憶しています。寿命がきたら私も中澤様と同じ物を選んでみたいなと考えているところです。テレビ番組に出演された時に映ってる190E、車高とタイヤサイズのバランスよくてカッコよいですね。
 
 
 
サッコ 201さまへ (H.Nakazawa)
2020-02-25 00:08:57
コメントありがとうございます。
3枚目の写真は東京・汐留のイタリア街です。カメラの師匠から戴いたオリンパスOM-D EM-1で、素撮りしました。三脚も何も持たず偶然近くを通った際に撮影したのですが、カメラが助けてくれました(恥)

タイアは、僕が高校生の時にバイト先の整備工場で教えて貰った「ベンツは製造工場が指定したサイズ以外を履かすな。AMGが本物なら指定サイズを履かせなさい。そうでないとバランスが悪くて事故るよ」という話を聞いて、それを守っています。事故は大げさですが、確かに特性が大きく変わり運転し難いですね。燃費も違います。我が190Eはこの純正状態で、箱根の下りをぶっ飛ばすランエボやWRXを無理せず追従出来ますので、オリジナルの凄さを感じました。音が気になればブリジストンが一番良いですが止まらず真円度が低く重い。コンチネンタルとピレリは経年変化が2年で来ますので四角い乗り心地です。そう考えるとタイアの特許を世界一持っているミシュランが良いと僕は(個人的に)考えています。それでも約4年で賞味期限が来る気がします。
 
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