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ライトセンター


6月上旬の晴れた日、
二俣川にある神奈川県立ライトセンター
を訪れました。



神奈川県民が 二俣川 という地名を聞くと、
「運転免許センター」を思い浮かべますが、
その周りに、「県立がんセンター」と、
今回訪れた「県立ライトセンター」が
隣り合わせになっています。

県立ライトセンターは、視覚障害の皆さんを支援する
福祉施設です。図書館だけでなく、スポーツ支援の為の
施設や立派なプール、福祉教室やクラブ活動もしています。

今回お伺いしたのは、
晩年、視力を失った父に
救いの手を下さったA女史にお礼を
申し上げたかったんです。

もっと早くすべきだったんですけど、
そうゆう気になれなかったのが本音です。

視野と視力が急激に悪くなった父の見え方は、
穴の開いた棒から、物を見る感覚らしい。
でも、衣食住など普段の生活に
不自由することはありませんでした。
僕も父の命のある限り、自宅に居て欲しいと思って
業者さんに頼んで、手摺りを増設しまくりました。

しかし、複数の眼科医や、当時のガールフレンドは、
必要以上に父を施設に入れる事を強く勧めたのです。
納得のいかない僕。
そこを救ったのは、相談先のライトセンターA女史。

「家の中で、生活の動線が分かっていれば、問題ありません。
逆に施設に入る方が、すべてが分からない状態になるので
生きる気力を失います。自宅が一番なんですよ。
私も病気で視力を失いましたけど、ちゃんと家で生活して
通勤もしてますよ。このように!」

とある建築関係の友人曰く

「年配の夫婦が2世帯住宅を作ると、
親がボケる割合が高いんだよねー。
住み慣れた家の動線が変わってしまうと、
例えばトイレとかさぁ、粗相をしちゃうわけよ。
そうすると自信が無くなって
無力になって更にボケるんだよね。
業界では有名だよ」

こうして父は、亡くなるまでの4年間、
自宅で普通に生活する事になるのですが、
その代わりに、目の不自由な人専用の機器を
幾つか購入していました。



その一つが「プレクストーク PTN2」
簡単に言えば、デスクトップ型の図書再生機(CD)。
音楽も聴けますが、ライトセンターが貸してくれる
小説の読み聞かせCDや、政見放送まで、
多岐に渡って使えるスグレ物です。

毎月、図書情報が来るのですが、
政見放送については、かなり早い段階で、
ライトセンターから送られて来るので、
僕はそちらの方が、驚きました。



蓋をあければ健常者でも使い易い製品です。
PTN2は既に型落ちになっていますが、
まだ使えるので、寄贈しました。



もう一つが白杖。
これは、杖と違い、昆虫の触覚のように、
軽く当てて使う物ですので、
基本的に痛みは少ないのですが、
父の場合は、歩行支援の方が来ていましたので、
使う事がありませんでした。
なので先端も新品同様。



金品で気持ちを表現する事は、
本意ではありませんが、しかし、
どこかで誰かの役に立つなら、
それが社会への恩返しなのかも。

「辛いのに、良く来て下さいましたね」

と、帰りがけに声を掛けて下さったA女史。
僕は単に忙しくて、3年も来なかったと
普段は感じて居たんですけど、
実際は心のどこかで

「行きたくない」

と思っていたのも事実。
A女史は、目が見えないからこそ、
僕の心が見えたのかも知れません。
ありがとう、A女史、そしてライトセンター。
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