アヴァンギャルド精神世界

冥想により、限りなき知性と底知れぬ優しさを。そこに次の時代が・・・。この世はドリームでもあり、リアルでもあり。

china 2049/マイケル・ピルズベリー

2015-12-13 05:43:00 | 時代のおわり
◎孫子、六韜三略、資治通鑑など

マイケル・ピルズベリーは、若い時分に台湾大学に留学したアメリカの中国軍事系インテリジェンス専門家。
china 2049は、そうした中国専門家にして、中国の世界覇権を狙う獰猛な本心を見誤っていたという悔恨の書でもある。

本書の冒頭に1960年代末にソ連の担当者が中国は、世界の覇権を何年かけても奪い取るという危険な本心を唆めかしてくれるシーンがある。ピルズベリーはその後40年間それを話半分で聞いていたわけで、彼は50年後に、ソ連の中国へのゆるぎなき不信感の根拠たる何かをソ連はその頃から既に知悉していたと気が付くに至る。

そういうわけで、ピルズベリーは、アメリカの中国への軍事支援をその後40年間反対せずに支援のアドバイスを送っていたわけだ。

面白かったのは、最近の中国の政策立案者は、世界覇権獲得のために中国古典の謀略書を盛んに研究しているというところ。中国古典の謀略書と言えば、孫子六韜三略などだが、膨大すぎて和訳されていないのが資治通鑑。

資治通鑑は、周から後周までの帝位をめぐる謀略を論述した書であり、毛沢東主席は、これを17回も読んだほどの愛読書。現代中国の政策立案者たちは、この点について毛主席から学んでいるのだろう。

謀略書を国の舵取りに採用しているのであれば、その国には神も仏もタオも居場所はあるまい。当然に千年王国、至福千年などというビジョンや、私を去った人間達の住処もないだろう。

アメリカですらプロテスタント的世界観のもとに民主主義の看板を下ろさず、世界の公民の安寧を保全するという基本路線があるのに、中国の行き方は21世紀としてはあまりにも異形であり、前時代的ではある。

中国の悪意は、ピルズベリーのような中国専門家にして騙され続けてきたのだから、いわんや人の好い日本人において、信じられないのは当たりまえ。
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