アヴァンギャルド精神世界

冥想により、限りなき知性と底知れぬ優しさを。そこに次の時代が・・・。この世はドリームでもあり、リアルでもあり。

この5百年仏教が不人気だった国、中国

2005-04-26 05:43:36 | マインド・コントロール
中国四川省の成都の宝光寺は,規模はさほど大きくはないけれど、文物はまずまず保存されていたが、その文物を文化大革命時(1966~1976)、紅衛兵の破壊から、周恩来首相が守ったという逸話のあることを聞いた。

西安の大雁塔。これは、三蔵法師がインドから持ち帰った経典を訳した場所だが、寺域が狭く、ほとんど塔しか残っていないのには驚いた。

というわけで、かろうじて残っている中国の仏教史跡も、そのさびれように驚いたことを記憶している。もともと中国は、ここ5百年仏教を冷遇してきたが、文化大革命の混乱でとどめをさされたようだった。かつての礼節の国、中国も文化大革命以後は礼節がなくなった。

唐代から宋代にかけ隆盛だった仏教も、明の嘉靖帝(1522-1566)以降『僧の免許証(度牒)』売買でしか出家できなくなると、金がある者しか僧になれないため、僧の質は著しく低下した。

宋代、明代は、 財政難により、『僧の免許証(度牒)』を売却し、紙幣のような性格をもったというから、これは、金本位制ならぬ『僧本位制』の紙幣発行ということですね。

更に明朝では、僧官の売買まで行ったので、僧としての資質は更に著しく低下した。明の中期以降は、儒教、仏教、道教のコラボレーションは『三教一致』と呼ばれ、陽明学の隆盛と相まって、社会の通念までになっていたが、仏教の地位は相対的に低下を続けた。

しかも明の滅亡後、清朝に仕えることをいさぎよしとしない遺臣の間で、形だけ僧となる風潮がひろまり、彼らは修行への情熱を欠いた上に、派閥争いを持ち込んで、仏教の世界を混乱させたので、仏教はいよいよ衰退した。

清朝は朱子学を主たる学問に据え、仏教や道教に厳しい統制を加えた。
寺院の創建や街頭での布教活動、婦女子の寺廟への参拝を禁止するなどさまざまな制限を加えた。

特に雍正帝は、僧侶の免許制度(試経、度牒)を廃止して、更に僧侶の質の低下を招き、禅思想において対立する一派を弾圧するなど、禅思想そのものに対しても権力を行使しようとした。これら3代にわたる仏教圧迫策により、僧侶に対する社会の信頼そのものが失われるようになっていった。

中国共産党政権になってからは、共産党は無神論なので、宗教はアヘンとして認めないため、宗教の自由を求めて、胡適を始めとする学者が、台湾や、英国統治下の香港に脱出していったので、中国仏教の伝統は、大陸よりも、台湾や、香港で維持されてきたと言える。

毛沢東没後の1976年には仏教活動の再開が認められ、その後国家主導の寺院再興が進められ、多くの人が観光目的で寺院を訪れているが、ほとんど信仰とは無縁のようである。

最近チベットものを読むと、中国共産党政権成立(1948年)の頃から、リンポチェ・クラスの高僧が、冥想生活をしているチベットの洞窟から、中国兵に無理やり引っ張り出されて、冥想生活がチベットではできなくなった話を随所に見るにつけ、中国共産党の「チベット仏教の破壊は1966年の文化大革命から」という説明が正しくないことがよくわかる。中国共産党政権下では、仏教は徹底的に破壊されてきたのだろう。中国関係の人は、チベット仏教ものはあまり読まないが、チベット仏教ものを読まないと、中国共産党のチベット侵攻の実情はわからない。ダライ・ラマのチベット脱出もそういった流れの中にあった。

※リンポチェ:最低でも神を見た(見性)レベルの体験があるチベット僧


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2 コメント

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こんばんは (不思議の国のOZ)
2005-04-26 21:01:37
こんばんは



はじめまして・・不思議の国のOZです。先日は私のHPに書き込み有難うございました。中国がチベットで行った数々の残虐行為、特に僧侶たちや尼僧たちに対して行った不埒な行為を思うと胸が痛みます。



人間、自分のことは見えないのね。。と思います。



ひとりでも多くの人が瞑想することが、世界の平和に繋がると思います。



このHP内容が盛りだくさんなので少しづつしか読めないけれど、又読みに来ますね。





不思議の国のOZ殿へ (湖南)
2005-04-26 21:23:23
よろしくお願い致します。



今日中沢新一の先生のチベット僧ラマ・ケツン・サンボの自叙伝「智恵の遥かな頂」を読了しました。



ラマ・ケツン・サンボは、よくできた奥さんと9カ月の娘を置いて、ひとりでインドに亡命。奥さんは結局共産主義を認めず、自己批判しなかったので、労働改造所(共産主義への洗脳施設)に送られて、がけから飛び下り自殺したんだそうです。



亡国の恐ろしさとそれに巻き込まれる個人の力のはかなさを感じさせられました。



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