アヴァンギャルド精神世界

冥想により、限りなき知性と底知れぬ優しさを。そこに次の時代が・・・。この世はドリームでもあり、リアルでもあり。

ダンテス・ダイジ忌

2008-12-11 06:10:45 | 現代冥想の到達点
◎私はわが家に安坐している

「絶対無の戯れ」という詩集の巻末に、ダンテス・ダイジ命日が12月11日であると記されてあり、今日がその命日であることを知る。

ダンテス・ダイジが、いわゆる布教活動みたいなことをしていたのは、せいぜい十年くらいのものであった。

「絶対無の戯れ」の最後に「私はわが家に安坐している」という詩があり、その一節に
『帰る家がないからといって
家を求めてさ迷うには及ばない』

『死んでもう どこにもいない彼は
一体私に何を語るか

何も語りはしないし、
私も又何も聞くことはない。

私も又どのようにしてか死に
何を語り 何を聞き 何を想ったとて
一瞬もいきのびるわけのものでもない。』

これは、この世を最もひどい生き方しかできない人にとっても、最後のぎりぎりの幸福な生き方が許されているという詩である。

この詩の感じがわかるくらいの人ならば、冥想をしても、金が儲かったり、社会で称賛されたり、他人より得をするようなことはないが、冥想するしかないという理屈ではない理屈がわかってくれるのではないか。

1987年初冬のある日ダンテス・ダイジは、有名人ではなかったので、いわば人知れず亡くなった。

没後21年、日本人のほとんどは、まだ日常生活しているが、冥想十字マップの交点に鎮座する「愛」は見つかったのだろうか。

・・・・この詩の中の娘は、他人のことを語っているのではないかもしれない。

『私はわが家に安坐している

帰る家がないからといって
嘆くにはあたらない

あの娘は、睡眠薬を飲んで
ガス管をくわえて死んだ
 
キリストは十字架の上で
その激しい苦痛にうめき
ブッダ・ゴータマの最後には
弟子達や小鳥や牛達が
集まり来て涙を流した
 
帰る家がないからといって
家を求めてさ迷うには及ばない
不安におののく人の心も
吹雪の夜にただ一人
孤独に死んだ旅人も
人力の如何ともし難いところだ
空気がなければ
どのような偉大な人間も
生きられはしない
そしてまた空気を作ることはできぬ

死は私に何を語ろうとするのか
どのような宮殿も
暖かいマイホームも
死の闇の中に
その仮の宿であることを顕す
私達は仮の宿から仮の宿へと
点々と変転しつつ生命をつなぎ
死ぬものなる私達には
どのような安住の家も与えられはしない

安住の家がないからといって
悲しむにはあたらない
竹富島に首をつって自殺した彼
それは真夜中の便所の中だった
死んでもうどこにもいない彼は
一体私に何を語るか
何も語りはしないし
私も又何も聞くことはない
私も又どのようにしてか死に
何を語り何を聞き何を想ったとて
一瞬も生きのびるわけのものでもない

キリストはキリストの生命をしか
生きることはできなかった
彼女は彼女の生命をしか
生きることはできなかった
立派な社会への貢献者よ
あなたはあなたのように生き
男との生活に疲れて死んでいった

あの娘には
あの娘の生命以外には与えられていない 
彼女に帰る家がなかったことを
どうしてか悲しまないではいられない
キリストに帰る家がなかったことを
私は悲しまずにはいられない

どのような聖なる使命さえ
どのようにそれを聖なるものと
思いこんでいても
それは決して帰る家として
常に変わらずありはしない

アル中患者の悲惨な日々が
初夏の太陽の下にあり
流行歌手の華やかな人気生活が
初夏の太陽の下にある
初夏の太陽が
不思議に輝き
デイゴの真紅の花が
開き始める

かつての原初の海にも
コールタールが漂い
離島のエメラルドの海中に
若者達は潜水する
青い青い熱帯魚が
サンゴの間に踊り
私達は異郷の客であることを忘れる

帰る家がないからといって
嘆くにはあたらない
あなたを生かすために
生命はあらゆる条件をあなたに与え
私が生きる所に
大気が生き太陽が生きあなたが生きる
太陽はあなたに
仕事を与え妻子を与えまた嘆きを与える
太陽はあなたに
命を与えまた奪う

私は苦痛を見る時もあり
死の闇に怖れおののくこともあり
人を呪い自己を呪うこともある
それは私に
帰る家がないと
嘆かせはするが
帰る家がないなどということを
嘆くには及ばない

帰る家がないところに
嘆く私もなく
時間も
空間も
この現象世界一切が
ないという必要もなく
ないのだ

どうしても
私は世界を破壊し
自己を破壊せざるを得なかった
私の考える自己も世界も
決して私自身の家ではないのだから
帰る家などを問題にするのはやめよう
何もないところで
私はわが家に安坐している』
(絶対無の戯れ/ダンテス・ダイジ/森北出版から引用)




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