アヴァンギャルド精神世界

冥想により、限りなき知性と底知れぬ優しさを。そこに次の時代が・・・。この世はドリームでもあり、リアルでもあり。

広田弘毅の最期

2010-08-24 06:01:52 | 冥想アヴァンギャルド
◎無私と戦争遂行方針

小林よしのりのマンガで、A級戦犯広田弘毅が絞首刑の前に「天皇陛下マンザイ!」とやったと書かれてあって、本当かどうか疑ったが、真相は次のようなものであったらしい。

広田弘毅は、日中事変勃発当時の外相。

広田が巣鴨プリズンに拘置され、昭和21年5月、珍しく広田夫人が広田に面会に行った。その四日後に広田夫人が遺書も残さず自殺したが、面会時のやりとりは不明であった。それを知らされた広田は、深くうなづいただけで、一言も言わなかったという。

『当時の首相近衛文麿が生存していたなら広田は少なくとも死刑をまぬがれたにちがいない。彼は近衛が自殺したために身代わりとしてその罪を負わされたものと思われる。

一二月二十三日絞首刑執行のときに、その直前に執行された東条、松井、土肥原、武藤らの「天皇陛下万歳」の声が聞こえてきた。広田は花山教誨師をふりむいて、「いま、マンザイをやりましたね」といった。

そして彼と同時に処刑される板垣と木村が万歳を唱えたときも、彼だけは黙っていた。

十二月二十三日の午前零時二十分、彼は絞首台の穴から消えた。』
(人間臨終図巻2/山田風太郎/徳間書店から引用)

マンザイの相方は誰だったのだろうか。皆で大東亜戦争というマンザイをしたという人間ドラマを冷徹に見据えた感想だったのだろうか。

公のため天皇のために命を捨てることを、国全体が是とした時代。そこを背景に、いかにも日本人的な、自分を捨ててこそ、初めて自分が生きることを充分に承知しつつ、国に殉ずる。それはそれで美しい生き方である。

自分を捨てることを是とする。これは絶対というものに通じるあり方である。しかし国家の戦争遂行方針のもとにそれを強制したのはまずかった。

強制されることなく、自発的に、精神の成熟の結果として、自分を捨てる生き方ができるか。これが現代人の課題だと思う。

だから出口王仁三郎は、出征兵士に対し、出征するのはやむなしとながらも殺人はして来ないようにと助言していた。無私は、強制によっては本物となり難く、必ず揺り戻すもの。自発的な無私にならないとダメということ。





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