アヴァンギャルド精神世界

冥想により、限りなき知性と底知れぬ優しさを。そこに次の時代が・・・。この世はドリームでもあり、リアルでもあり。

夏目漱石の神経症から

2018-09-17 07:03:16 | マインド・コントロール
◎現代的ライフ・スタイルの蟻地獄

夏目漱石はロンドンに留学して、神経症(ノイローゼ)になった。下宿先の大家に、真っ暗な室内で泣いている姿を目撃されたり、勉強する意味を見失い、「何も書くべきことがない」として、文部省への報告書を白紙で提出したりした。

私欲、エゴは神経症の原因である。神経症の根源には他人からの注目、他人からの関心への強い渇望がある。

神経症の治療には二方向があり、患者に注意・注目を払って上げる方向と、逆に全く患者に注意・注目を払わずに無関心でいることにより、患者自身を自分自身の内面に向き合わせる方向がある。

禅は後者であって、禅問答では表面的には問答になっていないのがそれである。

質問「達磨がインドからはるばる中国へ来られた真意とは何か」
回答「庭の前の柏樹である」


質問者の「はぁっ?」という声が聞こえるようだ。

この問答の代わりに「自分の内面を見つめよ。内面にこそ真実がある」とストレートに指図する方法もあるが、禅ではそれでは徹底しないと見たのだろう。

禅では、覚醒への理屈、メカニズムを知的に理解しても何も進展がないことを教訓に成立したに相違ない。

現代の若者は自分にしっくり来る仕事があるなどと思っていて、それが自己実現だなどと、アメリカ流の個人主義を土台にした社会的自我確立手法が疑う必要もなく正しいものだなどと思い込んでいる。

その根源は私欲である以上は、社会で行き詰まれば、神経症になりやすいことになる。

その神経症の根治は、自分というものに向き合うことを繰り返していく方向にしかないのだが、現代人のライフ・スタイルでは、スマホを24時間持ってゲームに依存することで、逆に病を深める方向に進んでいる。
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