アヴァンギャルド精神世界

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錬金術書の鍵-1

2006-12-21 06:01:31 | 錬金術
◎坩堝をくぐり抜ける人

錬金術の言葉は難解である。錬金術者は何をやっていたのか、何を求めていたのかをはっきりと知らないと誤解したままになる。

ニコラ・フラメルが、『賢者の術概要』で指摘しているが、多くの錬金術者は、普通の金や銀や卑俗の水銀を動力因として用いて、この三つを混ぜたり、熱したり、かき回したりして、賢者の水銀を作り出そうとするが、決して完成することはない、としているので、錬金術では鉱物の話をしていないことは想像がつく。

象形寓意図の書の第六章で、白い石に表象されるものを得る。続く第七章では、この錬金術の石は、人間と同じく肉体、魂、精神を有するとする。この石をとも呼ぶのは、中国錬金術風でもある。

また肉体と魂と精神は、一旦死に、蘇って生に帰ってくるが、この蘇生によって太陽と月と水銀が得られると言う。白い石の白は、生の象徴である。太陽と月と水銀は、死からの蘇生以後に初めて出現すると強調されているので、それ以前には存在しないことがわかる。

肉体も魂も精神も、復活してから以降は、腐敗しない性質となると言っているので、これは、第六身体=アートマンを意識した物言いであることがわかる。腐敗しない、不壊の存在レベルは第六身体にしかないからである。

ここで人は救世主となり、王として登場する。この時『白い霊薬エリクシール』=白い石が現れ、以後これが金属を極めて精妙な本質に変えるとされるが、これは、死から復活した人が悪を犯すことなく、善のみ行う様(衆善奉行諸悪莫作)をこのように表現したように思えるのである。

なるほどこの『白』を地水火風の次の第五元素と呼ぶのは、当然のことであり、アートマンに到達するまでの様々な苦難を『坩堝をくぐり抜けて七度精錬される』と表現するのは、クンダリーニ・ヨーガで窮極に到達できた人を英雄と呼びならわすように、その苦難の道のりを意識した言葉と感じられる。

このように錬金術書とは、人から神に至るテクノロジー解説に見えるのである。


    1日1善。1日1クリ。

象形寓意図の書 第五図

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