長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

二百十日のおちびちゃん

2021年09月05日 09時41分48秒 | 趣味です。
 今年の二百十日は…節分が一日ずれたのでお気づきの方もいらっしゃいましょうが、なんと8月31日だったので、私はひそかに風の又三郎が日本のどこかの小学校に転入しそびれるのではないかと、心配していた。
 その懸念は、8月最終週の月曜日からもう新学期を始める、という関東地方一地域のニュースを聞いて雲散霧消したのであるが。

 もう夏休みの宿題をしなくていい私には、8月末日は、世間のバカンスという夏の狂騒状態が鎮まりつつある嬉しい秋(とき)でもある。



 2021年のアゲハチョウたちのシーズンが過ぎて、わが秘密の花園…ベランダガーデニング苑のレモンの実り具合と葉の状態を、いくばくかの寂寥感をもってしけじけと眺めていた、そのとき。
 防鳥網の向こうまで元気に育っている若緑の葉先に、ふた粒の卵が生みつけてあることに気がついた。
 なんと、我が家にも二百十日の転入生がいたのであった。いつの間に…

 そう言えば、父の命日に裏通りからの帰路、揚羽蝶が一人、ひらひらと隣家の芙蓉に舞い遊んでいたのに出くわした。
 …うちにも来てね!! と、そのとき念波を送っていたのだが、彼の仕業であろうか。
 それとも、稽古に出かける昼間際の交差点で、往き来する車の波に揉まれそうではらはらしながら見ていた低空飛行の彼女であったか。

 ともあれ、これまで結構な数のアゲハの幼虫を育ててはきたが、卵を発見したのは初めてのことだったので…そして、秋口からの幼虫の揺籃となるのも初めてのことだったので…私の目はキラキラと輝いた。
 朝の胸躍る発見を残して、仕事に出かけたのであるが、2021年8月最後の日は夕方から風雨となった。
 卵はまだ大丈夫かしら…と心配して夜、闇の中で目を凝らしたら、既に孵化して二筋の黒い影が緑葉にクッキリとあった。



 翌朝、毎日の観察日記をつけるべく二頭の所在を探したところ、なんということでしょう…! すでにプチ鯨幕ようになっている幼虫がほかにもいたことに気がついた。



 いま再びのパラダイス・アゲハが、夏に別れを告げ心安らぐ秋を迎えんとしていた当家に出現したのだった。
 三日目に更に詳しく檸檬の葉陰を観察したところ、我が家には五大老ならぬ五小若がおわしますことが判明した。



 更にその翌日、ヤドリギではないか…との疑惑の枝に極々小さい茶色のカリントウ様の幼虫が4頭、育っていることに気がついた。
 彼の無実はめでたや、証明され、疑惑は払拭されたのである。



 そうこうしているうちに、新たに若葉が蚕食されてる部分に気がつき、目を凝らしてみると…急激な冷気に包まれつつある9月初旬、思いがけぬアゲハの十勇士の出来に、嬉しい悲鳴(このような常套句を使うことになろうとは…)、ドギマギしているわが胸の内。





 幼虫はうしろ姿が可愛い。
 寒冷に向かうこの季節に、彼らは無事成虫になれるのだろうか…サナギで越冬する話も聞いてはいるが。
 そんなわけで、にわかに降って湧いた、わが心の希望と焦燥。
 

 

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