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恋人よ我に帰れ

2017年09月04日 | TV・ラジオ・CM・映画

ジュリーの50年間の出演した、映画にTVドラマは数々あれど、私の間違いなく大好きな作品の一本が「恋人よわれに帰れ」その作品が数十年ぶりに新文芸坐のスクリーンで見られる!→大林宣彦さんが監督した代表作を連続上映する『大林宣彦映画祭2017』が9月3日から17日に新文芸坐で開催されている。

恋人よ われに帰れ LOVER COMEBACK TO ME*(1983/106分/BD/TV作品)
12:40/16:35/20:35  終映22:20(9月7日)

1983年だけでなく、25周年の時にNHKBS「沢田研二スペシャル」でも放送されましたが、今まで見たことが無い方にはおすすめの作品です。翌年の「山河燃ゆ」でも日系アメリカ軍の軍人に扮したジュリーですが、この作品でも同じく日系人のGIに扮しています。役柄は同じでも その性格は大きく違いました。どちらの作品も戦争の苛烈さ残酷さを描いていますが、こちらは広島の原爆で被爆した少女と、日系2世GIの切ないラブストーリー。

これまでの映画やTV作品でも、多くの女達に愛を語ってきたジュリーですが、正直に言って「ほんとの愛」を見せられたとは思えませんでした。歌で愛を語る時は、身をよじるように 切々と愛をその身の内から吐き出すように歌うジュリーなのに、演技で愛を語る時は・・・

マリー、今日子、多くの女達。ジュリー、あなたはほんとに その女性を心から愛している? ジュリーの潤む瞳の見つめる先は、目の前の女の姿を遥かに通り越している。 その大きな目は何にも見ていないように見えました。そう、悪魔のような良ちゃんのように、あなたは誰も愛してなんかいない。光る源氏の君のように、女は多くの遍歴の中の一コマにすぎない。あなたの愛しているのは自分だけでしょう?

ところが・・ 「恋人よわれに帰れ」のケン・オータは 被爆した哀れな少女を心から大切に思い、愛していのました。初めてジュリーが女に恋した姿を演技で見せられたと思いました。誰も愛したことが無いガラスのジュリーの瞳に、初めて愛の灯が宿ったのを見ました(個人の感想です) 

戦争で破壊された焼け跡の中で、GIが少女に寄せる一途な愛と、寄り添い抱き合う二人の姿は哀しく美しくいじらしく、ジュリーさまの甘いジャズの歌声とともに切なさを誘いました。戦争と愛と死、リアルな戦後の描写と共に 名作だと思います。

沢田研二の名前の前に「スーパースター」と冠しているところに、当時のジュリーの活躍ぶりがわかるというものです。

大林監督は、先日TVに出演されていました。重病で闘病中と伺いましたが、TVではお元気な姿で安心しました。大監督なのに温かい笑顔を絶やさない、穏やかな優しいお話しぶりに、お人柄が現れているように思いました。

 


 

ふみりんさんからコメント欄に、ジュリーのお母様との遭遇話をいただきました。有難うございます『お母様にお会いしたことあります。高2の修学旅行の自由行動の時、ご実家の前で写真を撮っていたら、家から出てきました。お顔が似ていたので、お母様に間違いないと思いました。目のあたりは、そっくりでした。』こちらのコメント欄で詳しくどうぞ→80歳 

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