在日米軍基地の再編

今朝、在日米軍再編において鍵を握る人物の一人と話をして暗澹たる気持ちになった。やはり、日本政府は完全にやり方を誤った。敢えて言わせてもらえば、とんだ「ヘボ将棋」ということになる。今日、「(中間報告の)迅速実施方針を閣議決定」との報道に接したが、差し手を間違えた上に強引に事を進めようとすれば、神奈川で、沖縄で、山口で、猛然と反対の火の手が上がるだろう・・・。

私がこの問題に関心を持ち始めてから約7年。米政府はじめ軍関係者と何度も議論を重ね、アジアにおける米軍の将来像について、研究成果を著書として初めて世に問うたのが、4年前。昨年夏には改訂版を上梓した。自分の考えがすべて正しいと言うつもりはないが、この問題については黙っていられない。

米軍の抱いてきた問題意識の核心は、一貫して、「有事の際に展開する米軍が時間と距離の壁(tyranny of distance)をいかに克服するか」であった。宇宙空間から地上におけるマンパワーを駆使して、いかに早く危機を感知、察知するか。そして、高速輸送手段などを発達させて、いかに迅速にその危機に対処するか。技術革新の進展によってこの時間と距離の壁を克服できれば、兵力の前方展開の必要性は低減することになる。

そういう変化のトレンドを見据えて、4年前に初めて米軍再編がアメリカ政府から発表された時から着々と準備していれば、今回の日米交渉や基地を抱える地方自治体との折衝などももう少し違った結果になっていたのではないか、と悔やまれる。私自身、国会議員として十分に対処することができていないことを反省するとともに、政府の作業をサイドラインから見つめることしかできなかったことを悔しく思う。

いろいろな意味で、もっともっと力をつけなければならない。
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