NAGAHAMA NOTE

日々、学習塾を運営していて感じることを塾長、永濱が綴っています。

コーチの役割

2007年08月30日 23時09分05秒 | 学習塾経営
指導の仕方は実に様々だ。
例えば、中学1年生の正負の数で、分数がよくわかっていない生徒に対して
小学生のころの教材を持ち出して分数の計算を1から順にやらせる。という
指導をする場合を考える。

その部分がわかっていないのだから当然の訓練だと誰もが思ってしまう。
保護者の方々も1から、基本に戻ってそういう指導をして欲しい。と仰る。
だが僕の答えはあえてノー。

小学生の間に理解できなかった分数をそんな短時間にはマスターできないので
しばらく時間がかかる。そうこうしてるうちに学校は先へ進み、
次の単元に入ってしまう。
仕方がないから分数もそこそこで切り上げて次の単元に行かざるを得ない。
こうなることが見えている。

僕の場合、もちろんその生徒がどのくらい不得意としているのかを把握してから、
分数以外でも理解できそうなところを探して、そこを強化していく。
あくまでも学校の授業時間を有意義に過ごしてもらいたいから、なるべく
学校の進度に合わせた指導をしている。

分数の計算などはスポーツで喩えると基礎体力、つまり、腹筋や腕立て伏せに
当たる部分。筋力を付けるためのトレーニングに過ぎない。
これをやっていてもサッカーは強くならないし、プロの野球選手にもなれない。

ボールを使った練習や、バットを使った実践練習をしなければ、できるように
ならないのと同じ。何のための分数の計算なのか、それができるようになれば
どうなるのか、そういったことに気付かせることがコーチとしての役割だ
と思っている。