私は中隊長がタケゴンに泊まったとき、蚊帳からハミ出されて、南方に来て初めてマラリヤにかかった。中隊長が帰って2,3日してから、熱が出て身体が寒くなって、震えが来た。分隊長に言うと【マラリヤだ】という。いつも予防薬のキニーネを飲んでいたが、近頃、薬が無くて飲まなかったので、早速やられたらしい。
「寝ておれ」と言うのでベッドに寝ていると、熱がドンドン上がって、42度位になり、寒さもひどくなって、毛布を2枚、3枚と重ねてみたが、ガタガタ震えた。その時、中西、小川の2人が冷たい水をバケツに汲んできて、タオルを湿し、額に、取替え、取替え一晩中冷やしてくれた。
目を覚ますと、「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれた。
「ああ、大丈夫だ。済まないな、どうも有難う」 そして私は又眠った。
1日して熱が下がった。そして1日おいて通信当番、その次又、熱が出た。その時も又、2人のお世話になった。
マラリヤの発熱と通信勤務が代わりばんこだったので、仕事は休まなかったが、頭がはっきりしなかった。
中西は電気会社に勤めていたとかだった。
「中西、メートル器の回らない方法があるってなあ」と誰かが聞いた。
「ハア、あることはあります」
「どうすれば回らんか教えろよ」「ハア、それは…。」と教えなかった。
現地人がよくマラリヤの薬を貰いに来たが、後では無くなってしまった。
ある日、現地人が少し酔ったようにして来た。
「どうしたんだ」と聞くと
「マラリヤが出そうな時には、酒を飲む。そして熱が出るより先に、寝てしまうのが一番よい。自分もマラリヤが出そうだから、少し飲んでみた。」と言ったが、本当かなーとみんな思った。
「寝ておれ」と言うのでベッドに寝ていると、熱がドンドン上がって、42度位になり、寒さもひどくなって、毛布を2枚、3枚と重ねてみたが、ガタガタ震えた。その時、中西、小川の2人が冷たい水をバケツに汲んできて、タオルを湿し、額に、取替え、取替え一晩中冷やしてくれた。
目を覚ますと、「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれた。
「ああ、大丈夫だ。済まないな、どうも有難う」 そして私は又眠った。
1日して熱が下がった。そして1日おいて通信当番、その次又、熱が出た。その時も又、2人のお世話になった。
マラリヤの発熱と通信勤務が代わりばんこだったので、仕事は休まなかったが、頭がはっきりしなかった。
中西は電気会社に勤めていたとかだった。
「中西、メートル器の回らない方法があるってなあ」と誰かが聞いた。
「ハア、あることはあります」
「どうすれば回らんか教えろよ」「ハア、それは…。」と教えなかった。
現地人がよくマラリヤの薬を貰いに来たが、後では無くなってしまった。
ある日、現地人が少し酔ったようにして来た。
「どうしたんだ」と聞くと
「マラリヤが出そうな時には、酒を飲む。そして熱が出るより先に、寝てしまうのが一番よい。自分もマラリヤが出そうだから、少し飲んでみた。」と言ったが、本当かなーとみんな思った。