フランチャイズショーの記事より
号砲コンビニ再編(1)自主独立派の心変わり(迫真)
コンビニエンスストア3位のファミリーマートと、4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス(GHD)が3月10日、経営統合協議に入ると発表した。
1週間前の3月3日、ファミマの筆頭株主であり、ユニーGHDにも3%出資する伊藤忠商事の社長、岡藤正広(65)がセブン&アイ・ホールディングスの本社(東京・千代田)を訪ねた。
伊藤忠にとってセブン&アイは有力な取引先である一方、ファミマ、サークルKサンクスには強力なライバル。ファミマとサークルKサンクスは統合によって、セブン&アイ傘下のコンビニ最大手、セブン―イレブン・ジャパンに店舗数で肩を並べることができる。
「ファミマとサークルKサンクスが一緒になります」。頭を下げた岡藤に対し、セブン&アイの会長、鈴木敏文(82)は「簡単ではないと思うが頑張って」と応じた。
伊藤忠と関係の深いファミマ、ユニーの統合は流通業界で絶えず噂されてきた。本命同士の統合協議入りが動き出したのは2014年7月、小売関係者が一堂に会した懇親ゴルフコンペだった。
「あの時に統合しておけばよかったな」。ユニーGHDの相談役、佐々木孝治(68)がファミマの会長、上田準二(68)に漏らしたこの一言がコンビニ業界再編の号砲となった。「今からでも遅くはない。もう一度やれないか」という上田の問い掛けに佐々木は静かにうなずいた。
佐々木が語った「あの時」とは上田が初めて佐々木に統合話を持ち掛けた07年のことだ。以来7年間、ファミマのプロポーズをはぐらかしてきたユニー側が統合協議入りに合意した背景には社内の風向きが大きく変わったこともある。
上田と佐々木のゴルフ場での意思確認から数カ月。業績不振の責任を取り、ユニーGHDは会長兼最高経営責任者(CEO)の前村哲路(65)と社長の中村元彦(55)が15年2月28日付で退任する方針を固めた。
前村は常々、「ダイエーはローソン、西友はファミリーマートを手放したことで衰退した。スーパーはコンビニなしではやっていけない」と公言する自主独立路線の急先鋒(せんぽう)だった。上田と佐々木は前村の退任が決まった直後から統合協議入りに向けた事前の話し合いを始めた。
前村の後任となるのは取締役から昇格する佐古則男(57)。佐古は佐々木が社長だった06年、経営政策室長として伊藤忠との包括的業務提携の実務を担い、09年の伊藤忠の3%出資でも窓口となった。「人口減少が続くなか、単独での拡大は難しい」と持論を語る佐古の社長就任が決まると、社内はファミマとの統合協議入りに傾いた。
サークルKサンクスに秋波を送っていたのはファミマだけではない。ローソンも度々、ユニー側との連携を探ってきた。12年にはメーンバンクの三菱東京UFJ銀行を通じ、当時のローソンの社長だった新浪剛史(56)が愛知県稲沢市内で前村と会談したこともある。
トップ会談が物別れに終わったのはユニー側にあったローソンへの不信感のためだ。11年の夏以降、サークルKサンクスと契約していた北陸や九州などのコンビニ運営会社が相次いでローソンにくら替えしていた。
その後に起きた名古屋市内の大規模再開発を巡る争いもユニー側とローソンの溝を深くした。
JR名古屋駅の北約1キロメートルに広がる7万平方メートル以上の更地。ユニーもスーパーの出店を狙っていたこの土地の開発では13年に三菱商事、三菱地所レジデンス、イオン傘下のイオンモールの3社が優先交渉権を取得した。16年秋から18年春にかけて、イオンの商業施設が核となる街が誕生する。
イオンに出資し、ローソンの筆頭株主である三菱商事。構図はユニーGHD、ファミマ、伊藤忠と同じだ。お膝元の大規模再開発で喫した黒星も統合協議入りへ背中を押した。(敬称略)
コンビニエンスストア業界にも押し寄せてきた再編の波。生き残りをかけた各社の対応を追う。
【表】コンビニ業界ではセブンイレブンの独走が際立つ
売上高 店舗数
セブン―イレブン・ジャパン 4兆0082億円 1万7491店
ローソン 1兆9619億円 1万2276店
ファミリーマート 1兆8601億円 1万1328店
サークルKサンクス 9436億円 6353店
ミニストップ 3320億円 2151店
(注)売上高は15年2月期の全店ベース、店舗数は15年2月時点
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なんでも、首を突っ込む前新並み社長らしいエピソード。
サークルKサンクスを本体ごと、吸収しようとしたのだろうか?
やはり、不審感はもたれるだろう。
先ず、話をすること自体に無理があると思います。