絵本の古本屋 【えほんやるすばんばんするかいしゃ】

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花松あゆみさんの個展「SCENES」終了いたしました

2024-12-18 | ●思うこと



おととい、花松あゆみさんの個展「SCENES」は、無事に終了いたしました。
本日、絵を買って下さった方々の発送も完了しました。
店頭受取の方は、12/21(土)以降に受け取りが可能です。

というわけで、まずは、花松さん、ありがとうございました。
そして、観てくださった皆さまに心から感謝です。会期中、店番のぼくに
話しかけて下さる方もいて、一緒に絵を観ながらあれこれ言う時間も楽しかったです。
ひとりで観る時間もたのしく、本当に心地よい時間でした。皆さま、ありがとうございました。

今回の展示は、いずれ本になりますので完成しましたらまた改めて見て頂けたら嬉しいです。

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では、せっかくなので(余計かもしれませんが)いろいろ書いて
この展示をおしまいにしたいと思います。

今回の展示は、1枚の大きな版画作品であり、12枚の小さな版画作品でもありました。

ある日の何気ない会話の中で、花松さんが
「細かくて大きな絵を描いてみたいけど、なかなか機会がない」みたいなことをポロっと言って
それを聞いたぼくはハッ!として堪らず「一枚の絵を本にしてみたいってずっと前から思ってたんです」
と伝えました。この会話がきっかけで今回の展示が生まれました。


描き手が自発的に描いた絵に対して第三者は触れていいのか(口出ししていいのか)ということは
個人的な疑問であり、長年の興味でもあります。実際、ここ数年における自分の活動は
これに対するアプローチばかりを行ってきています(そのはず)。
いろんな実験や実践を重ねてきたことで、このことに対する見解も少しずつですが見えつつあって
そろそろ次の段階というか、もう少し踏み込んだ態度で挑みたいと思っていたところでした。
そんなタイミングで花松さんの発言。まさに青天の霹靂。
「そっかー、そうだ、花松さんだ、そっか花松さんかー」なんて勝手に腑に落ちて
ひとりわくわくしてしまいました。
こんな感じで、勝手にハードルを上げてしまって申し訳ないと思いつつも
楽しみなものができたことが嬉しくて、嬉しくなってしまいました。
文章にすると変だけど、ほんとにこんな感じ。嬉しくて、嬉しい。

初めて絵を観たのは、搬入の日。その日は額装された小さな作品たちで
大きな作品の全貌を観られたのは、初日の朝でした。
絵を観る直前というのは例えようのない不思議な緊張があります。
たぶん、勝手にハードルを上げてしまってごめんなさい、期待しちゃってごめんなさい、
という負い目があるからだと思います。(これは自分の未熟さなので、もう少し精進します)

でも、花松さんの絵はそのハードルを軽々と越えてきてきました。
自分なんて、なんにも想像できてなかったはずなのに、なぜか想像以上でした。
普段から「すごい」という言葉をあまり使いたくないのだけど、それでも使っちゃいそうになる
すごみがあって、でも目の前の絵にはそんなことは感じさせない軽やかさもある。
細かい部分で感じたことはたくさんあるけど、過剰な表現は避けたいので
あまり言葉にしませんが、描かれている視点にほんとに感動しました。
なんだろう、フラットっていうのかな。自分もこの視点を持っておきたいと心から思いました。
いまこのタイミングで、この展示をさせてもらえて本当によかったです。
展示でしかできないことは、ここでひとまず完了です。

今度は、これを本でしかできない形にしてみたいと思います。





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