菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。
散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

2018/07/20  日本酒の会sake nagoya 定例会 (その1)

2018-07-20 23:52:00 |    日本酒の会sake nagoya


2018
7月のテーマは「にごり酒」。
風に舞う風花のように澱が舞うものもあれば、どぶろくのようにこってりとしたものまで様々ある。
味わいも、甘酸っぱいもの、辛いもの、スッキリとしたものなど、最近は色々と新しいにごり酒が提供されている。
どんなにごり酒が登場するのか楽しみだ。

今日の宴も、満席。
50
名を超える参加者が、会場の旬菜処かのうに集まった。
暑い日が続くが、好きな日本酒が楽しめるのであれば、暑いなんて言ってはいられない。


<今日の出品酒>

利き酒が終わり、目隠しが外された、「にごり酒」の12銘柄。
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人気の十四代もあり、にごり酒の銘酒が揃った。
蓋をあけると新潟の酒が多かった。

以下、個人の利き酒の印象を記載するが、個人の嗜好によるもので客観性はない。
参加者全体の評価は、sake nagoyaの公式サイトで発表されるはずだ、そちらの方が客観的だ。


(1)
みむろ杉 夢ろまんシリーズ 純米吟醸 おりがらみ生 華きゅん 今西酒造 (奈良)
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色はカスミとニゴリの中間。スッキリとした入り口。酸は中程度、膨らみより切れの良さの主張。味が中に集まり、広がり膨らみのある味わいではない。特に変な癖は感じない。評価7.0



(2)
花浴陽 越後五百万石 純米大吟醸 無濾過生原酒 南陽醸造 (埼玉)
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カスミ酒。甘い入り口。酸は切れの良いもの。含み香は吟醸香。広がりを感じさせる味わい。トロリとした舌触りもある。中盤、苦・渋が味を締める。含み香は適度で気になるものではない。
評価は当初9.0としたが、後で№10との比較になり、評価8.0に変更した。



(3)
若駒 八反錦 無加圧搾り 無濾過生原酒 若駒酒造 (栃木)
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色はカスミとニゴリの中間。立香は仄かなもの。甘い入り口。次に酸を感じる、トロリとした印象。膨らみ・広がりも感じる。ただ、含み香が続き気になる。中盤の苦・渋は無い。後半の切れ良い。
個人の嗜好としては、にごり由来の含み香が長く続き、邪魔になるので評価を下げた。評価7.0



(4)
十四代 角新おりがらみ 本生・荒走り 高木酒造 (山形)
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ほぼ透明、ニゴリ感なし。甘い立香。甘い入り口、酸はスッキリとした印象で、辛味が背景にある。丸味も感じる。中盤の切れ良い。中盤以降の苦・渋は無く、後半は辛味が味を締める。後口はピリ辛系。評価8.0



(5)
相模灘 特別純米 辛口 無濾過 久保田酒造 (神奈川)
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霞酒。立香は鼻に抜けるもの、例えは悪いが石鹸のような軽い香り。スッキリとした入り口、次第に辛くなる。酸は表に立たず、中盤にかけピリリと辛い世界、パンチがある。中盤以降の苦・渋は感じない。含み香を感じる。後半の切れは良い。評価7.0



(6)
北島 みずかがみ 純米おりがらみ 北島酒造 (滋賀)
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適度なニゴリ。立香はNo.5 に近い、麹由来の香りか。シュワッとした入り口で、発泡感の名残を感じる。酸味は弱く、切れる。含み香にガス感を感じる。後半は味わいがすぐ終わる。後半の切れが良いと言うか物足りないと言うか、評価が分かれるところだ。評価7.0



(7)
山間ORIORI ROCK 特別純米活性にごり 新潟第一酒造 (新潟)
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にごり酒。スッキリとした入り口。酸味と辛味を感じる。中盤以降の切れが良い。スッキリとした味わいが身上で、切れの世界だ。評価8.0



(8)
山間 仕込1ORIORI ROCK 純米吟醸活性にごり  新潟第一酒造 (新潟)
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濃い目のにごり酒。辛味と酸味の入り口。含み香を感じる。酸はトロリとしている。少しザラつく舌触りがある。中盤以降、苦・渋を感じる。個性を感じる含み香があり持続する、醪由来のものだと思われるが、少し過ぎた熟成なのか気になる含み香だ。個性的な世界を持っている。評価6.0



(9)
夏期限定 夏のブーリュNatu no nigorizake Soushun 早川酒造 (三重)
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霞酒。立香は鼻に抜ける香り。酸の膨らみ大きい。トロリとしてふんわりとした味わいで、大きな世界が快い。含み香はエチル系。後半は苦・渋が程良く味を締める。評価8.0



(10)
あべ 純米 おりがらみ 阿部酒造 (新潟)
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霞酒。立香はあまり感じない。甘い入り口。ふんわりとしたケーキのバニラ香を想わせる含み香がある。酸は柔らかで、広がりがある。中盤、酸の膨らみと広がりが大きい。含み香は持続するが快いもの。後半にかけ苦・渋は無く、切れが良い。バランスの良い味わいで偏りのない世界を持っている。評価9.0



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2018/07/20  日本酒の会sake nagoya 定例会 (その2)

2018-07-20 23:38:00 |    日本酒の会sake nagoya


(11)
越の白鳥 特別純米 7号 うすにごり生原酒 新潟第一酒造 (新潟)
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透明で、にごり感無し。立香は甘いもの。甘い入り口。酸は中程度で、広がりがある。甘い含み香を感じる。中盤以降、苦・渋が味を締める。評価8.0



(12)
たかちよ うすにごり 無調整活性生原酒 髙千代酒造 (新潟)
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にごり酒。立香は仄か。酸とピリピリとした入り口、酸と発泡感の辛味。中盤の切れ良い、苦・渋は感じない。後半の味わいが物足りない。やや過ぎた印象があり、春後半くらいまでに飲みたい感じがした。評価7.0



<全体的な感想>
利き酒中は、銘柄・スペック等の情報はないので、目の前の酒を味わうのみ。
利き酒が終わり、銘柄・スペックの情報が公開され、全体評価の結果が公表されると、感想も利き酒中と違ったものが出てくる。

・今日の好み
個人的に最も良かったのは次の2銘柄
(2)
花浴陽 越後五百万石 純米大吟醸 無濾過生原酒 南陽醸造(埼玉)
(10)
あべ 純米 おりがらみ 阿部酒造(新潟
)

両方9点にしたのだが、今日の一番を決めるため、(2)8点に変更した。

花浴陽はお花見によく登場する銘柄で、桜の花のイメージによく合う。
10)は膨らみがあり、ゆったりとした大きな佇まいが快かった。
このにごりは、定番酒のあべを製造した時期に限定して出荷されるもののようだ。
このラベルは記憶がない。阿部酒造は昨年のにいがた酒の陣に参加していたとすれば、飲んでいるかもしれないが、このラベルは記憶がない。
流石、酒処新潟、新しい発見がある。


・新潟第一酒造
山間2銘柄、越の白鳥、計3銘柄が12銘柄の中にあった。
にごりだけで3銘柄は珍しい。
それぞれ味わいが違っていた。
一番良かったのは黄の山間、見かけによらず、スッキリと切れる世界、これなら夏の暑さの中でも飲める。
他の2つは、もう少し早く飲みたいと思った。晩春くらいまでに飲んでいれば印象が変わったかもしれない。


・十四代 角新おりがらみ 本生・荒走り
人気の十四代、利き酒が終わった後、十四代の瓶に駆け寄ってくる人が多かった。

利いた印象はスッキリとして切れの良い酒だったが、今日のベストとは思わなかった、全体評価でも確か2位で評価は良かった。

個人的には十四代には親しみを持っていない。
お酒の内容の前に、高木酒造の価格政策が気に入らない。
このおりがらみも蔵元価格は知らないが、楽天とかAmazonでは3万円程度で売られている。
価格は需要と供給で決まるのが自由経済の原則だから咎められる問題ではないが、馬鹿げた価格だと思わざるを得ない。

「一般の人には手に入らない価格→希少性→人気→高木酒造の名声の維持」といった構造がある。
そのため、蔵が流通価格を適正化しようとしていないように見える。
売れれば供給を増やすのが、市場経済の原則だがそれもせず、製造ロット番号を印刷すれば、流通過程のトレースも可能なはずだ。

お酒は、ファッションのブランドの様になって欲しくない。


・夏のおりがらみ
(9)
の夏のブーリュNatu no nigorizake Soushun は夏期限定を謳っている。
個人的にはにごり酒は、晩春までのイメージを持っている。ピークはお花見の頃の霞酒だ。
にごり酒は澱を含んでいるので、保存によっては含み香に気になるものが出てくる気がする。
今日もそう感じたものがあった。

しかし、夏のおりがらみもアリだなと思ったのは、この酒と黄の山間。
切れさえ良ければ、夏でも良さそうだ。


・たかちよ うすにごり 無調整活性生原酒
確かこの酒が、今日の全体評価1位になった。
個人評価と離れた結果になった。
個人的には、熟成が進みすぎて、後半の味わいが物足りなくなっていると感じたのだが。





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2018/07/20  日本酒の会sake nagoya 定例会 (その3)

2018-07-20 23:32:00 |    日本酒の会sake nagoya


日本酒の会sake nagoyaの楽しみは、勿論各月のテーマに添った全国各地の銘酒であるが、料理も楽しみだ。

旬菜処かのうさんが、テーマに合わせた料理や家庭では味わえない料理を提供していただけるので単なるつまみだけではない料理の楽しさがある。


・定番の枝豆
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・バイ貝の甘醤油煮
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口に入れると甘目の醤油味、噛むとコリコリ、シコシコとした食感の食べ応えが楽しい。次第にふんわりとした貝の旨味が口の中に広がる。海の生臭さは全く感じない、生姜の風味が後味に残る。


・豚肉のシャブシャブ胡麻だれ
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茹ですぎない豚肉は適度な弾力があり、旨味が中に残っている。ゴマダレの風味がさっぱりと感じさせる。



・蛸の姿茹で
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店内で茹でられた蛸が姿なり運ばれてくる、茹でたての姿煮。
スーパーでトレイに載せられ売られているアフリカ産の蛸の過ぎたる硬さとも桜煮の過ぎたる柔らかさとも違って丁度よい歯ごたえのある硬さで茹でられている。

口の中に入れ噛むと、プリプリ、シコシコの食感があり、その後蛸の旨味と香りが口の中に広がる。
スーパーの蛸とは全く違う食べ物だ。
美味しい蛸を家庭で食べるのは難しい。



・ゴーヤーチャンプルー
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ゴーヤーチャンプルーと言えば沖縄。
夏の料理の定番だ。
季節感を大切にしていただけるのはありがたい。

沖縄のゴーヤーチャンプルーは、缶詰のポークランチョンミートを使うことが多い、使わない場合は豚の薄切りだろう。
味わいは、ポークの塩味が強いので、塩が味のベースになる。
塩とゴーヤーの苦味が口の中を洗い食欲を増加させるのが沖縄風だ。

このゴーヤーチャンプルーは、沖縄風とは一寸違い甘さがある。玉子の旨味と豆腐の膨らみと合わさって柔らかい味わいになり、ゴーヤーの苦味を軽減させている。
ゴーヤーの苦味に慣れていない人でも大丈夫なような味わいだ。

今、ゴーヤーが毎日収穫できる。
今度、真似をして旬菜処かのう風のゴーヤーチャンプルーを作ってみよう。



・ザルうどん
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何うどんなのか聞き漏らしたが、美味しいうどんだった。
太めでよく洗われてツルツル・ピカピカに光っている。
口に入れると、もっちりとした食感があり、滑らかなうどんの肌が快い。
うどんなら何でも良いわけではない、茹で加減、洗いと締めが程良く、茹でたてが第一条件。
次は、タレ。これは好みだが、葱は避けて、柑橘類だけにした、青柚の風味が爽やかで素晴らしかった。

(漬物の写真を撮ることを忘れてしまった。)

今日も、良い料理を肴に楽しむことが出来た。
バイ貝、蛸、ゴーヤーチャンプルー、ザルうどん。
それぞれ美味しかった。
家庭の味とは一味違っていた。





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2018/04/20  日本酒の会sake nagoya  4月定例会 (その1)

2018-04-20 23:48:00 |    日本酒の会sake nagoya


今月のテーマは「生酛」。
2015
3月にも「生酛」を取り上げているが、その頃は縛られた生活をしており、参加できなかった。

生酛の酒のイメージは出来ていない。
純米大吟醸とか大吟醸とかであれば個人的なイメージはある程度あるが、生酛のイメージは纏まりがない。

これは良いと思うものもあれば、立香が含み香が癖があるとか、渋味が浮いて落ち着かないとか酒それぞれの主張が異なりイメージが収斂しない。

所詮、お酒の良し悪しは自分の嗜好によるものだから、一般的ではないが、飲んで美味しかった生酛もある。
過去の記録を、見てみると
・大七箕輪門 生酛純米大吟醸  
・大七皆伝 生酛純米吟醸

・鄕乃誉 生酛純米吟醸生
・松の司 ふゆみずたんぼ 生酛純米生

これらは、バランスの取れた膨らみのある味わいで、丸く滑らかな舌触り、透明感があり、後半の切れも良かった。
小さくまとまるのではなく、大きさと豊かさを感じさせる世界を持っていた。
立香も含み香も変な癖はなく、立ちすぎる香りの自己主張もなかった。

一方、銘柄は書かないが、立香、含み香にムッとする癖を感じたり、渋味が浮く酒、中に固まって広がらない酒、後味が長く切れが悪い酒も多くあった。

そんな遍歴のお陰で、生酛造りの酒の纏まったイメージが出来ていない。

生酛の酒を一度に利き比べられる機会は少ない。
今日を以て、長年の疑問が解消するのか楽しみである。


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陽が傾き、黄昏どきを迎えた護国神社。
灯りは灯っているが、まだ明るさもある境内。
季節の移ろいは速い、花はもう終わりないが、新緑が瑞々しい若さを振り撒いている。

会場の旬彩処かのうに着くともう準備ができていた。
生酛というマニアックなテーマなのだが今日も満席、日本酒の人気は高いと言える。
日本酒は間口も奥行きもあり、難しい面もある、それだからこそ極める価値がある、楽しみがあるのだろう。



<今日の出品酒>
生酛造りの酒12銘柄。
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利き酒が終わり、ベールが取られ勢揃いしたこだわりの生酛立ち。

以下、個人的な利き酒の印象を書くが、個人の嗜好によるもので客観性はない。


(1)
にいだしぜんしゅ にごり(生もと純米酒) 仁井田本家 (福島)
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見た目はどぶろく風にごり酒。

立香は軽い麹香のようなもの。トロリとした舌触り、甘さは軽いもので、酸は膨らまない、にごり酒の見た目の印象とは違った入り口で軽さを感じる。中盤以降渋味があり、味わいが締まる。後半の残味は渋味と辛味。にごり酒は甘味と酸味の世界のものが多いが、この酒は渋味と辛味で独自の味わいがある。評価7.0



(2)
ちえびじん 生酛純米 (一度火入れ) 中野酒造 (大分)
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甘いFRUITYさを感じさせる香りが快い。

甘い入り口。酸の厚みはあるが、膨らむより切れる酸をかんじる。中の方に辛味を感じる含み香も甘さを感じる。後半切れる。評価8.0



(3)
初孫の隠し酒 生酛純米原酒 東北銘醸 (山形)
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立香は、ムッとする香り。甘い入り口。酸は膨らまず、スッキリとしている。渋味と苦味を感じる。含み香もムッとする感じ。舌触りはトロリとして快いが、含み香が続くのが気になる。香りに癖を感じる展開だ。評価6.0




(4)
竹雀 酵母無添加 生酛純米酒 H28BY 大塚酒造 (岐阜)
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立香はあまり感じない。

トロリとした膨らみのある入り口で五味は抑えられていて、丸い大きな味わいの塊を感じる。大きさを感じる。含み香を感じるが表現が難しい、不快なものではない。味の素早い展開は無く大きな味に纏まっている。後半の切れも良い。
味の分離がなく一つに大きく纏まるのは純米大吟醸ではあるのだが生酛でもあることがわかった。評価9.0



(5)
望(bo:) 生もと 純米無濾過原酒 瓶燗火入れ 外池酒造 (栃木)
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立香はスーッと鼻に抜けるもので薬のような香り。甘い入り口。酸はスッキリとしている。切れの良い酸だ。辛味が背景にあり、切れに繋がっている。味のバランスが良く、後半の切れも良い。評価7.0




(6)
北島 純米生酛 愛山 無濾過生 北島酒造 (滋賀)
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立香はスーッとした香りで快いもの。

甘い入り口。酸の膨らみ大きい。透明感のある大きな世界を感じさせる。トロリとした舌触り、含み香もあるが癖は感じない。後半は辛味系で切れが良い。スケールの大きさの中に切れの良さを持つ世界だ。評価9.0



(7)
山陰東郷 生酛純米 原酒 強力65%精米 福羅酒造 (鳥取)
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立香は仄かに感じる、何か知っている香りだが酒の香りと違うものだ。

スッキリとした入り口。味は辛味が柱、酸は膨らむ。中盤、やや渋みが勝つ。含み香は軽いものだがムッとする香り、エチル系の香りも感じる。中盤は辛味、後半は渋味の展開。評価6.0



(8)
初孫 赤魔斬(まきり)生酛純米吟醸 本辛口 生原酒 東北銘醸 (山形)
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立香はスッキリとしたもの。

入り口はスッキリとしている。酸はクリヤーで透明感がある。滑らかな舌触り。中盤以降渋味の締めがあり、味わいの膨らみがしぼむ。世界がやや小さい感じがする。評価7.0



(9)
旭興(きょくこう) 生酛純米磨き八割八分 無ろ過生原酒 渡邉酒造 (栃木)
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立香はムッとする香り。

甘い入り口。酸はスッキリとしている。含み香が直ぐに追いかけてくる。酸は膨らまず展開が速い。含み香も立香と同じ様にムッとするもの。中盤以降、味わいが狭まりしぼむ。全体として香りに癖を感じる。評価6.0



(10)
男山 生酛純米 (株) 男山 (北海道)
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立香は仄かなもので癖は感じない。

甘い入り口。酸は透明でクリヤーなもの。味わいの偏りはなくバランス取れている。中盤以降の味わいの減衰が速いので淋しさを感じるが、見方によってはキレが良いと感じるかもしれない。
個人的には癖がなくバランス良い味わいだが、もう少し味あわせて欲しい内に終わってしまい、萎んだ感じがするのは惜しい。評価8.0



(11)
山香(さんか) 生酛純米吟醸 備前雄町 梅乃宿酒造 (奈良)
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甘い立香。

甘い入り口。酸は膨らみのあるもの。トロリとした舌触り。中盤まで透明感を感じさせる膨らみがあり大きさを感じるが、後半少し小さくなる。後口の切れは良い。評価8.0



(12)
篠峯 生酛 純米二火 山田錦 千代酒造 (奈良)
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立香は感じないが、香りを嗅いでいると鼻がムズムズしてクシャミ3回。

スッキリとした入り口。酸は透明感がある。渋味と苦味は浮かない。味のバランスは良い。含み香はやや気になる。発酵が個性的? 後口は渋味系。評価7.0




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2018/04/20 日本酒の会sake nagoya 4月定例会 (その2)

2018-04-20 23:32:00 |    日本酒の会sake nagoya



<今日の料理>
旬彩処かのうさんの料理も、この会の楽しみだ。
当月のテーマに沿った料理の提供があったり、滋賀の酒がテーマだったりすると琵琶湖や滋賀の珍味・料理が登場したりする。
もう一つは、家庭では食べられない肴が登場することも嬉しいことだ。
今月は、この方向だった。

・鮪の中落ち
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1
本の鮪の中骨が其の侭テーブルに並べられる。
これを、スプーンで掬い取って、中落ちをいただく、野趣に富んだ豪快な肴だ。

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中骨と行っても、大きいので骨と骨の間にはたっぷり肉がある。

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醤油に山葵で刺身としていただく。
トロリとした滑らかな舌触りと熟した鮪の味の旨さが感じられる。



・浅蜊と焼き豆腐と豆苗の酒蒸し
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浅蜊の美味さが焼き豆腐に染みて美味しい。
豆腐が口を洗い利き酒の舌をリセットする。

この出汁がまた美味しい。出汁だけでも、酒の肴にピッタリ合う。



・真鯛の姿煮
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真鯛は刺身でも焼いても煮ても美味しい。
姿煮は大きな鍋で煮る必要があり、家庭では出来ない。
大鍋で煮るからこその旨味もある。

甘醤油で煮られた肉厚の鯛の身は、外側の皮から中の肉まで、段階的に味の変化を楽しむことができる。
旨味を待った出汁が染み込んだ豆腐も滑らかな舌触りと溶ける食感が快い。



・浅蜊の出汁の玉子雑炊
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浅蜊の旨味のたっぷり出た出汁を使った雑炊は、間違いなく旨い。



《感想》
1.
生酛の酒のイメージが定まらないと言う疑問が解消したかと言えば解消しなかった。
しかし、会の始まる前と同じかといえば、そうではない。
理解のレベルに変化があったと思う。

2.
始まる前は、生酛の酒に香りとか味わいとか舌触りとかについて生酛の酒はこうだと言うイメージを求めていたために、イメージが纏まらない苛立ちがあった。
だが、終わってみれば生酛には色々ある、その多様さが生酛の酒だと理解できた。
考えてみれば、蔵付き酵母を使い、山おろしを行い、通常の速醸の酒より手間隙がかかるのが生酛だから造り手の個性が生酛の酒には現れる筈だ。
だから、生酛の酒は色々ある飲んでみれば姿が見えるというのが正しい理解だ。

3.
今日の酒にも色々あった。
<個人的にお気に入りは、>
「北島 純米生酛 愛山 無濾過生」
「竹雀 酵母無添加 生酛純米酒 H28BY
どちらも透明感のある味わいの膨らみが大きく、世界の大きさを感じさせる。後半の癖もなく、切れが良い。
味の偏りがなくバランスが良いので、肴に合わせやすい。
単独でも、食中酒でも楽しめる酒だ。


<次のグループは>
「初孫 赤魔斬(まきり)生酛純米吟醸 本辛口 生原酒」
「男山 生酛純米」
「望(bo:) 生もと 純米無濾過原酒 瓶燗火入れ」
「山香(さんか) 生酛純米吟醸 備前雄町」
「ちえびじん 生酛純米 (一度火入れ)」
味わいの膨らみ、透明感、バランスの良さは前の2銘柄に似ているが、後半の味わいの減衰スピードが速く、物足りなさ淋しさが残る。だが、人によってはキレが良いと評価するかもしれない。


<立ち香・含み香のグループ>
「初孫の隠し酒 生酛純米原酒」
「山陰東郷 生酛純米 原酒 強力65%精米」
「旭興(きょくこう) 生酛純米磨き八割八分 無ろ過生原酒」
「篠峯 生酛 純米二火 山田錦 」
山廃もそうだが、生酛も立ち香、含み香にムッとするような香りを感じるものがある。
保存による香りかもしれないし発酵過程で生じる香りかもしれない。
納豆と同じで、味わいに集中すれば香りは気にならないと言えるのだが...


<味わいに渋味・締りを感じさせるもの>
「にいだしぜんしゅ にごり(生もと純米酒)
「初孫の隠し酒 生酛純米原酒」
「山陰東郷 生酛純米 原酒 強力65%精米」
「初孫 赤魔斬(まきり)生酛純米吟醸 本辛口 生原酒」
後半渋味を感じさせるものがある。
これは酒米や精米歩合や造りや様々な要因が作用するもので、人によっては男らしい味わいとして評価する側面もある。
嗜好の問題は避けて通れない。


今例会で、大吟醸に匹敵するような膨らみ・滑らかさ・透明感・切れの良さを持つ生酛があることが理解できた。
この方向に沿った生酛の銘柄が他にどんなものがあるか探していくのは、一つの楽しみになった。
生酛の酒が強く、常温でも強かに自分を保つことができれば、吟醸酒の持つひ弱さを超える日本酒になることができる。
これは、囲っておけば判ることだ。




【データ】

生酛造りとは SAKETIMES
https://jp.sake-times.com/knowledge/word/sake_g_nihonsyuword_part2


山廃仕込みとは? SAKWTIMES
https://jp.sake-times.com/knowledge/word/sake_g_nihonsyuword_yamahai


生酛と山廃について 泉橋酒造株式会社

http://izumibashi.com/news/2502/




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2018/04/01  日本酒の会sake nagoya お花見 (その1)

2018-04-01 23:50:00 |    日本酒の会sake nagoya


日本酒の会sake nagoyaのお花見に参加した。

今日は、お天気に恵まれて絶好の花見日和になった。
毎年、冷たい風が吹いたり、当日の朝までの雨でシートの下の土が濡れていてシートも湿ってくるといったことがあった。

満開と青空と春風、今日は三拍子揃っている。
こんなことは滅多に無いことだ。

名城公園の中央部小高いお花畑も花いっぱいで、春爛漫。
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小高い頂上にはひっきりなしに人がやってくる、子供たちは走って駆け上がってくる。
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山からは360度芝生の広場を見回すことができる。
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兎に角今日は人が多い。
芝生はシートに覆い尽くされている。
例年に比べて、家族連れや4,5人のグループが多いようだ。

我々の陣取った場所の隣は今年も矢沢永吉のファンクラブだ。
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永ちゃんの曲が流れることもあり、マイクで永ちゃんナンバーをカラオケすることもある。
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刺繍の施された紅いジャンパーを着たメンバーは、もう若くはない。
だが、気持ちは昔のままだ。盛り上げのために全員で二手に分かれて、掛け合いで“永ちゃん”をコールし、拳を突き上げる。
この花見で“永ちゃん”を叫んでいる間は、若くいられるのだろう。

我々の陣の後ろ側は、桜の樹が並んでおり、満開の桜を楽しむことができる。
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時折、風が吹くと、花びらが吹雪となって舞い踊る。
その風情は、言葉にならないほど美しく、感動的だ。




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2018/04/01  日本酒の会sake nagoya お花見  (その2)

2018-04-01 23:45:00 |    日本酒の会sake nagoya


お花見は、色々と準備が必要だ。
数十人の規模になると、手分けして準備する。
まずは場所取り、これは時間が勝負だ。

数十人が座れる広い場所は限られている。そのため、毎年幹事のH氏とT氏が8時過ぎからシートを敷いて場所を確保する。
今日はS氏とM氏の応援があり、7時から場所取りをしてくれたそうだ。

宴の開始は14時、場所を確保してから5時間は待たねばならない。これが結構辛い。
只管、時計が14時を指すのを待つのみだ。


ところが今年は様子が違っていた。
10
時半にシート番として到着すると、H氏とT氏が良い顔色をしている。
周りを見るとお猪口に徳利、酒の肴もある。

こんなことは過去にはなかった。
どうしたことかと思いながら座ると、S氏が冷やされたワインボトルを持ってきて、グラスにたっぷりと注いでくれた。
何でも7時から場所を取り、ワインと味の乗った日本酒の燗酒と肴を振る舞ってくれていたとのこと。

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ありがたくご馳走になることにした。

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チーズ。

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牡蠣の醤油煮。

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いぶりがっこ。

日置桜や強力の熟成酒の燗酒をいただく、S氏は日本酒は燗で飲むスタイルだ。
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風に舞う花びらが盃に浮く風情は、この上ない。

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昼が近づくと、S氏は屋台に行き、牛串、広島風お好み焼き、みたらし団子を購入して振る舞ってくれた。

毎年、シート番は午前中は耐えられるのだが、午後の2時間が辛い。腕時計を眺めては、後1時間、後50分...と待ちくたびれることが苦痛だった。

それが、今年はワインと日本酒とお肴をいただきながら、花を愛でる時間になった。
お花見の第1ラウンド状態になり、時間は楽しく過ぎていき、時の経つのを忘れていた。

S
氏の嗜好は、渋味と苦味を適度に楽しむ男らしい力強い味わいを志向していることが、ワイン、燗酒、肴に感じられた。

今日のシート番がスムーズに進み、待つ身の辛さを感じなかったのはS氏のお陰である。
感謝の他はない。



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2018/04/01  日本酒の会sake nagoya お花見  (その3)

2018-04-01 23:38:00 |    日本酒の会sake nagoya


花見酒が届き、買い出し部隊が肴を下げて到着し、準備は着々と進んだ。

宴の開始時刻14時になり、お花見が始まった。


<今日の出品酒>
花見酒は、日本酒の会sake nagoyaが用意したものと参加者が差し入れで持参する酒と両方あるので、何が登場するかは始まらないとわからない。

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宴が終わり、楽しんだ今日の出品酒の勢揃い写真。
写真は21銘柄だが、筆者が利いた銘柄は22酒あったので、勢揃い写真には1
酒揃っていない。

筆者が承知しているのは22酒だが、実際はもっとあったのかどうかはわからない。

以下22酒の銘柄を紹介する。

(1)
美寿々 大吟醸 美寿々酒造(長野)
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(2)
一本義 大吟醸 一本義久保本店 (福井
)
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(3)
白隠正宗 辛口純米 高嶋酒造 (静岡
)
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(4)
花浴陽 純米大吟醸 八反錦 瓶囲無濾過生原酒 南陽醸造 (埼玉
)
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これは、おりがらみ、霞酒だった。

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(5)
開運 高度精白酒 土井酒造場 (静岡)
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(6)
美和桜 大吟醸 千本錦 生原酒 美和桜酒造 (広島
)
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(7)
田酒 特別純米酒 西田酒造 (青森
)
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(8)
陸奥八仙 純米大吟醸 華想い40 八戸酒造 (青森
)
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(9)
初亀 純米吟醸 おりがらみ 生酒 初亀酒造 (静岡
)
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(10)
花浴陽 純米吟醸 備前雄町 無濾過生原酒 南陽醸造 (埼玉
)
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(11)
三連星 瓶火入れ 純米大吟醸山田錦 美冨久酒造 (滋賀
)
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(12)
君盃 さくら 純米吟醸 君盃酒造 (静岡
)
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2018/04/01  日本酒の会sake nagoya お花見 (その4)

2018-04-01 23:30:00 |    日本酒の会sake nagoya



(13)
紀土-KID- 大吟醸斗瓶取り 平成28年度全国新酒鑑評会金賞受賞酒 平和酒造 (和歌山)
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(14)
三連星 瓶火入れ原酒 純米吟吹雪 美冨久酒造 (滋賀
)
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(15) HITOMEBORE
黄金澤 川敬商店 (宮城
)
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(16)
五橋 純米桃色にごり 酒井酒造 (山口
)
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(17)
小笹屋 竹鶴 生酛 無濾過 純米原酒 2005(平成17)酒造年度 製造2007(平成19)年10月 竹鶴酒造 (広島
)
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(18)
貴 純米大吟醸生酒 ゴリさんボトル 永山本家酒造場 (山口
)
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(19)
徳川家康 大吟醸 丸石醸造 (愛知
)
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(20)
白雪姫 純米 渡辺酒造醸 (岐阜
)
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(21)
初孫 生酛純米酒 東北銘醸 (山形
)
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以下の銘柄は勢揃い写真に写っていないが宴には存在した。


(22)
ちえびじん 純米吟醸 山田錦 中野酒造 (大分)
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メモをとらなかったので個々の酒の印象は書けないが、様々な酒があり、持参された酒もあり幅の広いお酒が揃った。


吟醸酒では、(13)の紀土金賞受賞酒、(2)の一本義 大吟醸、(4)の花浴陽 純米大吟醸、(19)徳川家康 大吟醸が印象的だった。

花見酒としては定番の(7)           田酒 特別純米酒や(5)  開運 高度精白酒も安定した味わいだった。

個性的なものでは、(17)小笹屋 竹鶴 生酛 無濾過 純米原酒 2005(平成17)酒造年度 製造2007(平成19)年10月は此処だけでしか飲めないものだった。

その他の酒も、吟味されたものばかりで美味しかった。
これは駄目だというものはなかった。

満開の桜の下で、同好の士と飲む酒が美味しくないわけがない。



<肴>
肴は助六寿司や乾き物もあったが、写真を撮り忘れた。

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参加者が持参し振る舞っていただいた肴もあったが写真を撮り忘れ紹介できないのは失敗だった。





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2018/03/16  日本酒の会sake nagoya 3月定例会  (その1)

2018-03-16 23:38:00 |    日本酒の会sake nagoya


sake nagoya
の3月定例会に参加した。
テーマは、「大吟醸生酒」、上級クラスの酒を並べての利き酒だ。

今回も、早々満席になっている、女性の参加者も多い。

護国神社の境内に入ると桜がもう咲いていた。

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名古屋は開花宣言があったばかりだが、この場所は北風が当たらないのか、桜はもう満開状態だ。

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思いがけず、一足早く花見ができた。


旬菜処かのうに近づくと店の前の桜と紅梅が競って咲いていた。
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定刻の19時になり宴が始まった。
今日の大吟醸生は13銘柄だそうだ。
大吟醸しかも生酒を13本利くのは、自宅ではできない貴重な機会だ。

〈今日の出品酒〉
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利き酒と全体評価が終わり、ベールが取られ、勢揃いした13銘柄の大吟醸生たち。

以下、個人の利き酒の印象と評価を記載する。
個人の嗜好によるもので客観性はないが、ブラインドなので先入観なしの生の印象であることは間違いない。

(1)
風香 純米大吟醸 山田錦 50% 172018/02
 
梅乃宿 (奈良
)
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立香甘い、吟醸香が快い。甘い入り口。含み香も吟香。酸は透明で切れを感じさせるもの。ふくらみもある。中盤、辛味があり、その後の切れが良い。苦渋は締める程度で浮かず適度。残り香も適度の吟香。 評価9.0




(2)
横山五十 純米大吟醸 直汲み生 山田錦 50% 162018/01 重家酒造 (長崎)
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立香は軽いエチル系のもの。甘くトロリとした入り口。滑らかな舌触りが特徴。中盤以降の切れも良い。評価8.0




(3)
蓬莱泉 純米大吟醸 生  関谷醸造 (愛知)
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立香は仄かな吟醸香で快く、上品さを感じさせる。入り口甘い。軽い透明な酸。中盤に辛味と苦味があるが適度で切れの良さを感じさせる。残り香も吟香だが上品さを感じさせる程度。全体として吟醸酒らしい世界で上品。加えればもう少し広がり・ふくらみが欲しい。評価8.0




(4)
栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒 五百万石 50% 17.12017/11 冨士酒造 (山形)
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立香はあまり感じない。甘くトロリとした入り口。含み香は少しムッとする様な麹香のようなもの。酸のふくらみはあるが透明感がなく、見通しが効かないどんよりとした印象、切れは良くない。評価7.0




(5)
荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV 山田錦 50&40 152017/05 加茂錦酒造 (新潟)
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立香はあまり感じない。スッキリとした入り口。味のバランスは良い。おとなしい印象。トロリとしているがふくらみはない。おとなしく優しい世界だがもう少し切れが欲しい。評価7.0




(6)
純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒 162018/02 丸石酒造 (愛知)
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立香はあまり感じない。入り口は酸味、発泡感を感じる。酸はふくらまないが発泡感切れのある透明感がある。シュワシュワの切れの良い大吟醸の世界だが、含み香は個性を感じさせるもの。評価8.0




(7)
常山 純米大吟醸 超辛 直汲生 五百万石 50% 16-172017/12 常山酒造 (福井)
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立香はあまり感じない。スッキリとした入り口。含み香は単なる吟香ではなく個性的なもの。酸はふくらむ。中盤以降切れる。含み香も感じる。味わいの展開が安定した展開ではなく、早く始まったかと思うと突然終わる感じで落ち着かない。評価7.0




(8)
東一 大吟醸 にごり酒 山田錦 39% 172018/01 五町田酒造 (佐賀)
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霞がかかった霞酒。立香はあまり感じない。あまり入り口。トロリとした舌触り。味は偏りがなくバランス良い。中盤以降スッキリ切れる。切れの良さを感じさせる世界だが評価が難しい。無いものねだりだが一寸優しさが欲しい。評価8.0




(9)
一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒 山田錦 35% 17-182017/12 宇野酒造場 (福井)
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立香あまり感じない。甘い入り口。トロリとした舌触り。含み香吟香だが、やや切れがなく纏わりつく感じ。中盤以降辛味。後半味わいが長引いて切れが良くない印象がある。評価8.0




(10)
惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒 五百万石 50% 152017/12 惣誉酒造 (栃木)
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立香はあまり感じない。スッキリとした入り口。含み香は吟香ではなく、麹香のようなもの。トロリとした丸い舌触り透明な味の塊を感じる。含み香も続く。後半は切れが良い。評価8.0





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2018/03/16 日本酒の会sake nagoya 3月定例会 (その2)

2018-03-16 23:20:56 |    日本酒の会sake nagoya


(11)
東鶴 純米大吟醸 生 山田錦 40% 16度 2017/12 東鶴酒造 (佐賀)






立香は仄かな吟醸香。スッキリとした入り口で甘さを感じさせる。含み香の吟香がほんのりと快い。味のバランスが良い。透明な酸のふくらみ、苦・渋は浮かず後半の切れが良い。吟醸酒らしい世界を感じさせる酒だ。評価9.0。




(12) 村祐 黒 無濾過本生 酒米・精米非公開 15度 村祐酒造 (新潟)




立香は吟醸香というより個性的な香りで、敢えて例えれば乾物のような乾いた香りを含む。

 甘い入り口。酸は滑らかでトロリとしている。含み香も個性的。酸を感じさせた後、中盤以降切れる、スピード速い。
大吟醸らしいという世界ではなく、個性的な世界。評価7.0。



(13) 播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生 兵庫北錦 50% 16度 2017/12 山陽盃酒造 (兵庫)






立香はあまり感じない。トロリとした舌触り。含み香はエチル系。酸はトロリとして丸い世界。中盤、底に渋味を感じる。後半の切れが遅く、含み香も長い。評価7.0。






〈個人な利き酒評価あれこれ〉

ブラインド評価をするこの会は、自分の嗜好に気づく場でもある。
 一般的な嗜好と個人的な嗜好との違い、個人的な嗜好と価格の関係など自分を知ることの機会を与えてくれる場である。


(1) 個人の評価結果

(1)

風香 純米大吟醸

9

(2)

横山五十 純米大吟醸 直汲み生 

8

(3)

蓬莱泉 純米大吟醸 生

8

(4)

栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒

7

(5)

荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV

7

(6)

純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒

8

(7)

常山 純米大吟醸 超辛 直汲生

7

(8)

東一 大吟醸 にごり酒

8

(9)

一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒

8

(10)

惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒

8

(11)

東鶴 純米大吟醸 生

9

(12)

村祐 黒 無濾過本生

7

(13)

播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生

7


この会の採点は10点満点だが、筆者は5点以下はつけたことがないので、5点法でもよいのだがルールには従わなければならない。


(2) 個人の評点による順位

(1)

風香 純米大吟醸

9

(11)

東鶴 純米大吟醸 生

9

(2)

横山五十 純米大吟醸 直汲み生 

8

(3)

蓬莱泉 純米大吟醸 生

8

(6)

純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒

8

(8)

東一 大吟醸 にごり酒

8

(9)

一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒

8

(10)

惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒

8

(4)

栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒

7

(5)

荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV

7

(7)

常山 純米大吟醸 超辛 直汲生

7

(12)

村祐 黒 無濾過本生

7

(13)

播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生

7



(3)
価格順位
出品酒の価格は、この場では不明だが、終了後調べてみた。
(ネットで調べたので、店舗による高安があるかもしれない。
蓬莱泉の純米大吟醸については瓶・ラベルによる銘柄が判断できないので、本社蔵純米大吟醸生量り売り1800mmの価格とした。
税込み・外税の混在があるかも知れない。)

(12)

村祐 黒 無濾過本生

8640

(11)

東鶴 純米大吟醸 生

6048

(3)

蓬莱泉 純米大吟醸 生

5334

(8)

東一 大吟醸 にごり酒

4320

(2)

横山五十 純米大吟醸 直汲み生 

3970

(1)

風香 純米大吟醸

3900

(7)

常山 純米大吟醸 超辛 直汲生

3780

(6)

純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒

3630

(9)

一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒

3478

(5)

荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV

3326

(4)

栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒

3240

(10)

惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒

3240

(13)

播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生

3240



自分の評価と価格を見比べてみると、自分の嗜好と酒蔵の造りのコンセプトについてあれこれ考えてしまう。

・嗜好と価格
値段を知って飲む場合は、価格のハロー効果があるので、齟齬は起きにくいが、ブラインドの場合はそうは行かない。
価格が高くても嗜好と合わなければ、あるいはテーマと合わなければ、評価は下る。
 今回では、村祐が一致しないケースだ。最高価格だが、評価は7点だった。
 村祐黒は本生で製造は平成29年12月になっている。この表記と香り味わいとがしっくりこない。
 本生で昨年12月製造ならばもう少し、吟醸香が立ちフレッシュな味わいになるはずなのだが、利いた印象では熟成酒のような香りと滑らかな舌触りだ。
 製造が29年12月でも醸造が27年3月ならば、表記と味わいの関係がhappyになるのだが。

 価格は高いが評価も高ければ関係はhappyだ。今回では東鶴はそうだった。点数は9点だが、価格も2番目に高い。


・コストパーフォーマンス
価格が高い酒が高い評価になるのは当たり前。
ただ、嗜好の違いは人それぞれなので、人ごとに結果は異なるが、同じ人の中では価格の序列は有効と考えるのが自然だ。

一面、価格が高い酒と安い酒を同じ基準で表はするのは不公平だ。
 だから、価格は安いが評価は高い酒がコストパーフォーマンスが高いと言える。

そこで、評価点数で価格を割り、評価1点あたりの価格を計算してみた。

(4) 評価1点あたりの価格

(1)

風香 純米大吟醸

9

3900

433

(2)

横山五十 純米大吟醸 直汲み生 

8

3970

496

(3)

蓬莱泉 純米大吟醸 生

8

5334

667

(4)

栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒

7

3240

463

(5)

荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV

7

3326

475

(6)

純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒

8

3630

454

(7)

常山 純米大吟醸 超辛 直汲生

7

3780

540

(8)

東一 大吟醸 にごり酒

8

4320

540

(9)

一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒

8

3478

435

(10)

惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒

8

3240

405

(11)

東鶴 純米大吟醸 生

9

6048

672

(12)

村祐 黒 無濾過本生

7

8640

1234

(13)

播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生

7

3240

463


点数1点あたりの価格が小さいほど、コストパーフォーマンスが良いことになる。

(5)
評価1点あたりの価格で並べ替えてみた結果

(10)

惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒

8

3240

405

(1)

風香 純米大吟醸

9

3900

433

(9)

一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒

8

3478

435

(6)

純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒

8

3630

454

(4)

栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒

7

3240

463

(13)

播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生

7

3240

463

(5)

荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV

7

3326

475

(2)

横山五十 純米大吟醸 直汲み生 

8

3970

496

(7)

常山 純米大吟醸 超辛 直汲生

7

3780

540

(8)

東一 大吟醸 にごり酒

8

4320

540

(3)

蓬莱泉 純米大吟醸 生

8

5334

667

(11)

東鶴 純米大吟醸 生

9

6048

672

(12)

村祐 黒 無濾過本生

7

8640

1234



(1)
個人の評価結果と(5) 評価1点あたりの価格で並べ替えてみた結果を見比べると、自分の嗜好と価格との間の微妙な関係に気づく。

(1)は絶対評価で価格は考えていない(5)は価格の要素を入れた。
 それによって順位が変化する。最高位にいた東鶴が12位にに後退する。
 隠れている感じの惣誉が1位になる。

お金が沢山あって、困らない人は、(1)の評価に従って行動すれば良い。

一方、高くて美味しいのは当たり前、安くて美味しいことが大切だと考えるならば(5)の表が重要だ。


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2018/03/16  日本酒の会sake nagoya 3月定例会  (その3)

2018-03-16 23:08:00 |    日本酒の会sake nagoya



<今日の料理>
毎回、テーマを考えて料理を出していただける旬彩処かのうさんの料理は楽しみだ。

・豚肉、菜の花、豆腐、ひらたけの鍋
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甘みのある出汁に醤油の香ばしさがベースの鍋。
具材の豚肉は肉の旨味がある。
菜の花は、シャキシャキした食感で甘みがある。
豆腐は柔らかい食感と甘み。
きのこはシャキシャキした食感。
素材の食感と味わいが感じられる。


・ホタテの酒蒸し
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甘みのある旨味の出汁にほんのりと磯の香が漂う。
貝から身を取り出して口に入れるとホタテの香りと旨味が口の中に広がる。香りが良いのは素材が新鮮だからだ。

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利き酒終了後、出汁を惣誉に合わせた処、惣誉透明感のある味の塊とホタテの旨味が合体してマリアージュ状態になり良かった。



・ちらし寿司
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鮪の漬け、椎茸、豆腐、筍、海老、鳥貝など具沢山。
海鮮の旨味がアクセントになっっている。
椎茸は肉厚でシコシコとした豊かな食感がある。



・赤だし
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三つ葉の香りと赤味噌の香りと出汁の香りが婚前と立ち上がる。
なめこはトロリとなめらかな食感。


・漬物
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大根の粕漬けときゅうりの浅漬



今日の「純米大吟醸生酒」のテーマは人気で、新しい人も多く参加して、女性の参加者が多かった。
美味しい日本酒と料理に情熱を向ける人達が増えている。
考えてみれば当然な事なのだが

来月、2018420日(金)のテーマは、「生酛(きもと)造り」の酒。

かなりマニアックな世界の探求になるが、どんな銘柄が登場するか楽しみだ。
新しい発見があるに違いない。





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2017/12/08 sake nagoya15周年特別企画 秘蔵酒を飲む会 (その1)

2017-12-08 23:55:00 |    日本酒の会sake nagoya


日本酒の会sake nagoyaが発足して15年。
15
周年を祝って、主催者でありバイヤーでもあるI氏が隠れ家で開催する特別な企画、秘蔵酒を呑む宴が開催された。

お知らせにはこう書かれている。
15周年の節目を迎え、
さまざまな特別企画を繰り出してきましたが、
いよいよ最後のご案内です。

今回は、5周年記念の際に、sake nagoyaのメンバーが<
酒造り体験で仕込んだ特別な大吟醸はじめ秘蔵酒を飲む会を○○○○○○○○○○○○開催します。


少人数にて開催のため、
日頃よりお世話になっている方に
限定のご案内となります。」

酒造り体験参加者としては出席しなければならない宴だ。

筆者の知る限りでは、15周年記念特別企画は、2度開催された。
2017
129日の「15周年を祝う会」
2017
930日の「長期熟成酒」
いずれも、sake nagoya公式サイトに活動報告がある。
http://www.sakenagoya.com/activity/activity.html

当ブログでも下記記事を書いている。
2017/01/29 日本酒の会sake nagoya 15周年特別企画の宴(その1)」
http://blog.goo.ne.jp/nabanatei/e/4ca96d034da01f1051a501d55a7c98e5

2017/09/30 日本酒の会sake nagoya 特別企画 長期熟成酒の巻 (その1)」
http://blog.goo.ne.jp/nabanatei/e/54806d416626ac8a133deea3b2aea416

3
回目の時別企画の秘蔵酒。
どんな酒が登場するのか、ワクワクする特別企画だ。



電車に乗るため、名駅に出る。
週末金曜日の午後6時、駅前は人がいっぱい。
自宅への道を急ぐ人、楽しそうに友達同士話しながらパーティーに向かう人、様々な人で駅前の道路も地下街も溢れている。
12月に入り街も年の暮れを意識して、なんとなく忙し気だ。

歩いていると、雪だるまくんが迎えてくれた。

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もう街はクリスマス・セール、年末商戦なのだ。

定刻より1本前の電車に乗る。
隣りに座っていた人が降りると、空席になりその隣りに座っていたのは、sake nagoyaのもう一人の主催者H氏だった。
同好の士との会話は楽しい。

日が落ち暗くなった道を歩き、信号機の青を待っていると、後ろから自転車が来た。主催者のI氏だった。
今日は珍しい人が参加するとの事。先に行った自転車を追い、珍しい人とは誰だろうと話しながら、会場の隠れ家に到着。
戸を開け家の中に入ると、先着の参加者が障子から顔を出した。
○○プロとMさんだった。珍しい人は予想通り、シカゴのMさんだった。
今日の参加者は15名、同好の紳士・淑女ばかりだ。

テーブルにはもう準備された料理・肴が並べられている。
初めて姿を見せたお酒や料理・肴の写真を撮っている内に、参加者も集まり、定刻の19時特別企画の宴は始まった。

主催者I氏から、今日の秘蔵酒の説明があった。
いずれもレアものの由緒正しい・素性の明らかな秘蔵酒ばかりだ。

<今日の秘蔵酒>
今日のお酒は、それぞれ語るべき歴史を持っている。
空は、今でも入手が難しい酒だが、入手できないことはない。だが今日の空は、入手は困難と言っても良い。

会が始まる時並んだ秘蔵酒たちは8銘柄、後で2銘柄増えて10銘柄となった。
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右から
(1) 一念不動 大吟醸 平成21年全国新酒鑑評会金賞受賞酒 製造年月 2009/07/13

8年前の大吟醸、全国新酒鑑評会の金賞受賞酒。

当時でもレア物だが、8年経った今は、入手不能酒だ。
さる方からの差し入れでいただいたものだそうだ。
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(2) 空 秘蔵酒十年熟成 製造年月 2008/01
蓬莱泉の純米大吟醸(麹山田錦40%、掛山田錦45%)は,生酒として年3回春・夏・秋の季節の名前を賦されて出荷される。

春の出荷は、【蓬莱泉 純米大吟醸 生酒 春のことぶれ】
夏の出荷は、【蓬莱泉 純米大吟醸 生酒 はつなつの風】
秋の出荷は、【蓬莱泉 純米大吟醸 生酒 花野の賦】

そして造られてから1年熟成させて火入れしたものが、空の名前を賦して出荷される。

この空は通常1年の熟成を10年間の長期熟成をさせたものを2008年に、限定酒として販売したもの。
指折れば、造られてからほぼ20年が経過した純米大吟醸酒である。
どんな世界が開けるのか気持ちが昂ぶる、だがそれは口に含まなければ判らない。

この酒も流通するものはなく、あるとすれば好事家の冷蔵庫に囲われているものだけだと思われる。
この酒が出荷されてから9年と11ヶ月、来年には次の秘蔵酒十年熟成が登場する可能性はあるが、入手は難しいだろう。

これも、さる方からの差し入れだそうだ。
機会が与えられたことに感謝する他はない。


(3) 純米大吟醸「吟」 鑑評会出品酒 製造年月 2009/04 -非売品-
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吟は空より上の位置づけの限定酒。

この酒は、非売品で関谷醸造の顧客に特別に提供されたものだ。
これはsake nagoyaの主催者でありバイヤーでもあるI氏が入手したもの。

詳しい仕組みは知らないが、関谷醸造の本社蔵の販売コーナーに行き、蓬莱泉を購入するとポイントが付与される。
2000ポイントに対して1本入手が可能。100円で1ポイントだそうなので、蓬莱泉20万円の購入が必要だ。


(4) 蓬莱泉 純米大吟醸 空 2008/10/21製造

この空は、I氏の冷蔵庫-3度で9年以上囲われていたもの。
これも、流通過程や通常の呑みどころでは出逢うことはない。好事家かイベントで出逢う可能性があるだけだ。




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2017/12/08 sake nagoya15周年特別企画 秘蔵酒を飲む会 (その2)

2017-12-08 23:50:00 |    日本酒の会sake nagoya


(5)、(6)、(7)の緑色の3本は、蓬莱泉の量り売りのように見えるが、この場にしか存在しない貴重な酒だ。
緑色の瓶の背後に隠れている歴史を語る必要がある。
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20073月の蓬莱山仕込み体験>
日本酒の会sake nagoyaの15周年特別企画がこの会だが、発足5年後、2007年3月17日に関谷醸造本社蔵に酒造り体験に行った。
その時に製造されたのが、この緑の瓶3本だ。

当ブログ発足前のイベントであり、この酒造り体験の記事は無い。sake nagoyaの公式サイトにも記録がないようなので、当時の写真を一部掲載しこの3本の歴史を明らかにする。

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山紫水明の地にある本社蔵に到着。

以下は、造り体験の順序ではなく造りの順序に並べ替えた写真。

先ずは洗米。
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精米され、洗米されたた酒米は実に美しい。

次は蒸し。
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蒸し米放冷・種付け・麹造り
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種付けされた麹を切り返す。
手でほぐすともっちりとした触感だ。
すべて手作業では大変な労働になる。
機械と手作業の併用は欠かせない。

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切り返し完了。


空の生みの親である遠山杜氏から、直々精米から始まる造りの講義も受けた。
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酛造り
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酛は衛生的な環境で細心の管理で造られる。

夜は設楽山荘で蓬莱泉の山の幸の宴。
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出来上がった麹をタンクに仕込む。
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先に仕込まれたタンクで発酵状況の説明を受ける。
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搾り
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美しい色をした搾りたての原酒が生まれる。
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10年前の体験だが、まだ印象深く思い出される。

この仕込み体験合宿で眼が開かれたことは多かった。
・愛知でも山側にある関谷醸造は冬には気温が下がり、造りには適した環境がある山紫水明の地。

・伝統的な酒蔵は、暗くて、あまり衛生的ではないと言うイメージだったが、関谷醸造の蔵は、明るく、衛生的て綺麗だった。
その後、日本酒の蔵、泡盛の酒造所を多く見学したが、日本酒では三千盛、泡盛では新里酒造が、綺麗で清潔で衛生的な機械化された工場的な施設という点で似ていた。酒質も同じように綺麗で切れが良いことも共通している。

・手作りの技に加えて機械化も惜しまない。洗米・蒸し・麹・仕込み・搾り、どの工程でも必要な省力化・均質化のための機械化が行われている。
驚かされたのは蒸し機のクレーンと醪タンクの中の撹拌用の羽。手作業では大変な労力がかかり、常に同じ作業水準を保つのは難しいが、機械化してあれは常に実現可能だ。

・遠山杜氏の講義の中にあった「再現性のある造り」が印象的だった。
個人の技・感覚だけでは、常に同じ品質の酒を造ることは難しい。良い酒ができても次に駄目なものができては、それは偶然の産物になる。
酒米の具合や気候、気温、湿度などすべての条件が影響して造りが行われる。条件の変化に対応して同じ品質の酒を造るのが「再現性のある造り」だ。
空が常に変わらぬ評価を受け続けているのは、この考え方によって造られているからだ。


枝道が長くなったが、(5),(6)、(7)の緑の4合瓶は、その時造られたものだ。
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(5) 仕込み75号 純米大吟醸 生酒
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この酒は、我々が仕込み体験をした際に、作業をした酒だ。麹山田錦40%、掛山田錦45%の純米大吟醸で、ゆくゆくは熟成・火入れの過程を経て空になる酒の生酒。
それをI氏が-3度の冷蔵庫で10年間囲っていたもので、今日漸く晴れ舞台になる。
商品としての空は火入れされたもので、生酒の空は存在しない。この酒は生酒の空があり、それを10年熟成させたらどうなるのかという実験でもある。
どんな味がするのだろうか。


(6) 仕込み74号 本醸造 生酒
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75号の隣で並行して造られていた本醸造の生酒である。
矢張り-3度の冷蔵庫で10年間囲われていたもの。


(7) 仕込み74号 本醸造 火入れ
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この酒は(6)を火入れしたもの。
造り、熟成環境は同じ、生か火入れの違いだけ。
生酒と火入れを長期熟成した場合、どんな酒になるかの実験でもある。


(8) 純米大吟醸「吟」 平成25酒造年度 全国新酒鑑評会金賞受賞酒 製造年月 2014/08/11
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最高品質の吟の金賞受賞酒の3年熟成酒。レアものである。



(9) 蓬莱泉 純米大吟醸「空」 熟成古酒 Serial No.00195 醸造年度2008年 製造年月2015/03 -非売品-
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この酒も非売品で、(3)の吟と同じように本社蔵のお得意様向けの空の熟成古酒。これを入手するには1600ポイント換算すると16万円の購入が必要だ。



(10) 蓬莱泉 純米大吟醸「空」 製造 2017/06/20
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これは、今の空である。関谷醸造が空のイメージで造り、世の中に送り出されているもの。

秘蔵酒と比べることにより、それぞれの立ち位置がより理解できるようになる。



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2017/12/08 sake nagoya15周年特別企画 秘蔵酒を飲む会 (その3)

2017-12-08 23:45:00 |    日本酒の会sake nagoya


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秘蔵酒を、11本瓶を見、ラベルを読みながら、じっくりと味わいを楽しむ。
用意された料理・肴もいただきながら、会話に興じながら宴は進む。


(以下、味わいの個人的な印象を書くが、個人の嗜好によるもので客観性はない。)

<秘蔵酒の印象>

(1) 一念不動 大吟醸 平成21年全国新酒鑑評会金賞受賞酒 製造年月 2009/07/13

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立香は立つというより漂う甘い香り。甘い入り口、柔らかな滑らかな酸、その後辛味のピリ感がある。含み香も同じような甘さを感じさせるもの、中盤以降切れが良い、後口は癖はないが敢えて言えばピリ辛系。
一念不動の個人的イメージは、本社蔵に比べ酸の膨らみが小さめで、味が中心に集まりやや辛味の芯を感じるのだが、この一念不動は違う印象だ。酸が柔らかく滑らかで穏やかさが最初に感じられる。製造後8年の熟成酒だが、老香とか熟味とかは全く感じない、まだ生き生きとした印象を持っている。一念不動は熟成向きかもしれない。



(2) 空 秘蔵酒十年熟成 製造年月 2008/01
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立香はあまり感じない、老香も熟香もまったくない。トロリとした舌触りで、味は五味の区分がない一つの味になっている、この味を空と言うのかもしれない。偏りのないバランスのある味、緻密な充実とビロードのような滑らかな舌触り。後口も切れがよく、癖を感じない。


舌触り・滑らかさは前回の特別企画で飲んだ早瀬浦純米吟醸16年熟成酒に通じるところがあると思った。
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年の製造時10年熟成の秘蔵酒なので通算20年近い長期熟成酒であるが、老香は全く感じない、造りと保存が良ければ日本酒の長期熟成も可能であることを証明している。



(3) 純米大吟醸「吟」 鑑評会出品酒 製造年月 2009/04 -非売品-
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色は軽い着色があるが黄麹に因る自然な色レベル。立香は仄かな熟香を感じる。甘くトロリとした入り口。含み香は熟香ではなく吟醸香のフルーティ化したもので快い。滑らかな舌触りを感じる。含み香が香ばしさを感じさせ始めた、この含み香は変移するようだ。膨らみのある味わいだが、味は五味に分離せず一つになっている。終わりに向かい、ピリとした印象を残す切れ方。




(4) 蓬莱泉 純米大吟醸 空 2008/10/21製造
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立香は甘いもの、熟香は全くない。甘い入り口、スッキリとした酸で、酸の膨らみは適度。トロリとした舌触り、滑らかである。中盤からの切れが良い。味のバランスが良く癖はない。後口良い、余韻を感じる。



(5) 仕込み75号 純米大吟醸 生酒
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立香は甘く、老香はまったくない、味の濃さを感じさせるような香り。甘い入り口。含み香も甘い感じのもの、老香はまったくない。酸の膨らみがあり、緻密な舌触り。甘さと酸が二本柱で、辛味は中心部にあり表面に浮かず、味を締めている。後口は切れが良い。



(6) 仕込み74号 本醸造 生酒
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色は少しついている。立香は甘い。甘い入り口。酸の膨らみ大きくスケールを感じる味わい。含み香も癖はなく快いもの。中盤まで大きな酸で豊かさを感じさせる。渋味・苦味は浮かず癖はない。終わりに近く辛味があり、切れる感じがある。



(7) 仕込み74号 本醸造 火入れ
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立香はあまり感じない。甘い入り口、滑らかな酸、膨らみは大きい。トロリ感は適度。酸は膨らむが軽さがある。含み香は仄かな熟香。中盤からの引きが速い。引きの勢いがあり後半は早目に終わる。切れの良さとも言えるが、難しい処だ。酸は適度、中盤は辛味が柱になる。
生と比べると味わいの大きさは生酒の方が大きい、火入れは味わいが中心に纏まる印象。全体として、火入れのほうが、おとなしい印象を受ける。



(8) 純米大吟醸「吟」 平成25酒造年度 全国新酒鑑評会金賞受賞酒 製造年月 2014/08/11
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甘くトロリとした入り口。含み香は吟醸香がフルーティーになったもの。滑らかな舌触り。味のバランス良い。後半にかけ辛味が切れを出す。




(9) 蓬莱泉 純米大吟醸「空」 熟成古酒 Serial No.00195 醸造年度2008年 製造年月2015/03 -非売品-
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色は現行の空と比べると少しある。立香は吟香ではなく、フルーティーさを感じさせるもの。甘い入り口。滑らかな舌触り、トロリ感がある。酸は丸いが、膨らみは大きくない。含み香は感じない。中盤以降、辛味がピリとする。




(10) 蓬莱泉 純米大吟醸「空」 製造 2017/06/20
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現行の空。立香は熟成古酒に比べ穏やか。スッキリとした入り口。酸の膨らみがあり、広がり大きい。トロリとした舌触り。味のバランス良く偏りがない。中盤以降なだらかに切れる。後口も良い。

現行の空は、1年の熟成による、まろやかさと膨らみ、味わいのバランスが良く、人気が理解できる酒だ。
先月の酒の会で利いた空は、含み香に熟香が立ち少し気になった、空の味わいが変化したのかと思ったが、今日の空はそうではなく、安心した。





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