なあんおばはんの日常

8月

8月になった。

丁度仕事辞めて一週間。

仕事を辞めた途端に、喘息はすっかり落ち着いて、体調も良くなってきた。

私はすっかり元気になってきたけど


今日は月曜日で、彼はまたグレーになって帰ってきた。

今日も嫌なことがあった、とぽそっと漏らした。


いまの仕事を続ける限り、彼には苦しみしかない。

やり甲斐も満足感も救いも何もない。

ただ虚しい怒りや寂しさが積み重なっていくだけや


だけど彼は私みたいに辞めるわけにはいかない。


自分が何をやってるのかが見えなくなってきた、

と悲しげに憤りながら言う。


でも


彼の想いは画面を通して、日本のどこかの誰かに、きっと届いてるはずや。



今日たまたまテレビで

古舘さんのニュース番組で中国で101歳で今なお現役医師として仕事を続ける元日本兵の山崎さんという翁のショートドキュメンタリーをやってた。

老師は優しい仏さまみたいな顔してはった。


中国で他の日本兵が幼児を殺すのを見て日本兵であることを辞めて脱走兵になった時に、中国の人に施しを受けて命を救われて、

その恩返しのために帰国せずに中国に残り、医師になって人を助ける生き方を選び

文化大革命時代には厳しい迫害を受けても日本人であることを隠さず信念を貫き

いまは

世を救う神の医師、と呼ばれ中国の人たちに敬愛されるその翁の苦難と信念の半生を見て


彼の頬をすうっと一筋の涙がつたった。



俺、何をしてるんやろな
俺なんか、ちっぽけな人間やな

と呟いて

彼はベランダに煙草を吸いに行った。


ベランダに出ると


風がごうごうと吹きすさぶ、夜空を雲が海側から内陸に向かって物凄い勢いで流されていたらしい。


東京スカイツリーのてっぺんのクレーンが吹き飛ばされないのが不思議なくらいの強風だよ、と。

無邪気な声で言う。


煙草を一服して戻ってくると、ちょっとすっきりした顔になってた




人が自分の一生を賭けるに値する仕事に出会えた時、それを天職と呼ぶ


人には、どんなに苦しくても自分の信念を貫き通さなあかん時がある


きっと今がそうやねん


踏ん張れ。


電波に乗った貴い想いは誰かの心に必ず響くねん


だから見失ったらあかん。

灯台の光みたいやな。


すごいなぁ







ありがとう。

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