2018.7.2 一部改定しました。
抜染は、染料で染めた生地に抜染剤を付与して、染めた染料を無色にします。染料の化学構造の中に発色団というものがあります。この発色団を破壊することにより染料は無色化されます。
反応染料の抜染には、還元剤が用いられます。すべての反応染料が抜染可能ではありません。還元剤によって染料が破壊されても無色にならず変色するだけの染料もあります。
白色抜染可能な代表的な染料は、
Remazol Yellow GR
Remazol Orange 3R
Remazol Red F3B
Remazol Blue BB
Remazol Black B
Sumifix supra Yellow 3RF
Sumifix supra Red GF
Sumifix supra Blue BRF
Sumifix supra Navy BF
等です。
Remazol 染料は、染色材料取扱店で入手できますが、Sumifix supra 染料を扱っているのは、山宗実業のみのようです。
まず、生地を可抜染料で無地染めします。無地染めについては、私の「無地染め」の記事を参考にして下さい。
染色処方
染料 x % owf
ソーダ灰 20 g/L
芒硝 50 g/L
Remazol 染料は、50 ℃で、Sumifix supra 染料は、60 ℃で染めます。
浴比 1 : 50 位がやりやすいです。
染料濃度は、無シルで、8 % owf まで、シル付きで、5 % owf までぐらいでしょう。
染めた後は、抜染します。
抜染剤には、デクロリンやロンガリット C 等が使われます。両者とも、BASF の商標ですが、染色材料取扱店で入手できます。
バインダー、顔料の中には、抜染剤に耐えないものもありますので選択が必要です。
田中直商店の処方を紹介します。
筆描き、ステンシル処方
サンカラー
バインダー A ニュー 20 %
ロンガリット C
フィクサーF 1 %
シルクスクリーン処方
サンカラー
バインダー DH 80 %
ロンガリット C
フィクサー F 1 %
ロンガリット C は、地色染料の抜染性により 3 - 8 % で調整します。
フィクサー F は架橋剤で、添加後半日以内に使用します。
乾燥後、蒸して色を抜きます。100 ℃ x 3 分で抜けますが、小規模蒸し器では10 分ぐらい必要かもしれません。
流水で洗った後、40 ℃位の湯で洗いますが、強くもみ洗いしないようにします。
乾燥後、アイロンで熱処理をし、顔料の耐洗濯性をよくします。