父島の姿がクリアーになると、どこか灌漑深いものが湧いてきた。
予てから一度はこの目で見ておきたい島だったからだ。
もっと緑の深い熱帯の常緑樹で覆われた島なのかと勝手に想像していたが、意外や意外、岩山なのだ。
海底から押し上げられてできた島。地層がそれを教えてくれる。
通信所も砲弾で崩れたままだ。
この建物はこの後ろの林の裏にある通信所のマモフラージュ用に造られたものだ。
造りが貧弱なのだ。
戦艦の残骸は海に沈み、漁礁になっている。
母島の高台に残る大砲
軍部はこんな山の海を眺望できrう場所まで担ぎ上げて据え付けた。
思えば、兵士たちの思いはいかばかりであったろうか。