2008・2・16~18
佐賀へ参った帰りに、早春の唐津へ足を伸ばした。
古代から朝鮮半島、中国、東南アジアへの玄関港であった海は穏やかでした。高島がぽっかりと浮かんでいる。極めて印象的な光景だ。
福岡空港駅から西唐津駅まで快速電車で1時間10分程の距離だ。
地下鉄は途中から顔を出し、だんだんと日本の元風景の佇まいを車窓から眺めながら、ガッタンゴットン・グァガァ~と往く。
乗客は地下を走っているときとは異なり、地上に顔を出してからは高齢の人たちの姿がやけに目に付く。平日の10時過ぎのためか、人や車の数は極端に少ない。
ちょっと足を伸ばせば、呼子・秀吉の築城した名護屋城に行き着く。
唐津の駅前は唐津焼の「くんち」が異様な姿で出迎えてくれる。
そして、なんといっても唐津城だ。虹の松原の途切れた処から松浦川口を挟んでお城のある山があり、その山は西の浜へと繋がっている。西の浜の終点が唐津東港のある西唐津駅だ。
唐津へは二度目となったが、城に上がたことがない。この写真の姿を観ればお分かりだろう。十分なのだ。手前は松浦橋だ。
小さな商店街には人影もまばらで、唐津焼のお店がやけに多いって感じだ。東京帽子という名前の店に入ると、帽子が売られている。親父さんに聴くと、東京・神田で爺さんが帽子職人でやっていて、戦後、唐津に戻り、店を開いたことから、「東京」と付けたんだ、という。
こんな、西の端にも東京人生の 痕跡が残っているとは。確かに海に近いこともあって、風は冷たいので、帽子が必需なのか、閑散とした商店街の中でも生き抜いている。
唐津神社は海辺の道路と市役所裏の道路との中間に鎮座している。もっと威かめ しく、古びた神社を想像していたが、予想に反していた。
神社の隣にはくんちの曳山を納め、一般開放している曳山展示場がある。
ま~見事だ。
時の太鼓の処を幹線へ出る交差点に旧唐津銀行本店の建物に出会う。時の太鼓のカリ音が丁度13時を鳴らす。
へとぶらぶら~としながら商店街へ。屋台っぽい処で「サツマイモを練った小麦粉で蒸した饅頭」を買い、食べながら中央商店街をウインドショッピング。レトロではないがレトロというか懐かしい感じのお店が並ぶ。
唐津のお菓子「松露饅頭」の本店もある。
人形焼のような皮に小豆餡が入ったま~るい小玉のお菓子だ。
私が知った最初の頃は保存料が入っていないため、佐賀県内でしか買えない希少価値のものだった。今では東京でも買える。
本店での味はやはり新鮮。小豆の香りがぷ~ンとして、歩きながらの買い食いの美味しさを倍増させるものだ。