プロの残業術。 一流のビジネスマンは、時間外にいったい何をしているのか? 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2009-08-22 |
評価 (3点/5点満点)
『部下は育てるな!取り替えろ!!』『アホな上司はこう追い込め!』など過激なタイトルの著書も多い対米進出コンサルタント・長野慶太さんによる、良い残業をして悪い残業をしない提案。
受ける側に意思のない一律的な「ノー残業」に警鐘を鳴らし、ハンディを克服するには残業が必要となる場合もあるとしています。
最近、ワークライフバランスの名のもとに、仕事の効率化、残業ゼロなどが数多く主張されていますが、この本は残業の良い面について改めて考えることのできる1冊です。自ら主体的に業務・時間をコントロールすることが何よりも大切です。
【my pick-up】
◎残業時間は「意義が明らかな仕事」をする
人にやらされている仕事はつまらない日中にまとめてしまうといい。私的残業の時間は心理状態にとっても良好な環境であり、貴重だ。そういう時間には、「やらされ仕事」をするのはもったいない。
◎あなたは残業を「楽しい時間」にしているか
残業は自分のためにやるのだから、楽しくなければいけない。その楽しさを感じるためには、自分がもっとやりたいと思うような姿勢になれるかどうかということが大切になってくる。
◎私的残業で「一つ上」の情報にアクセスしろ
あなたの仕事力アップのためにさらにお勧めしたいことは、上司や目標とする人の業務ファイルを読むということだ。これも残業でなくては決してできない超具体的なスキルアップノウハウの一つだ。
◎アメリカ人の残業観
彼らの残業観は以下のようなものだ。
①残業する人はハードワーカーとして尊敬される。
②残業を「おバカさんの居残り」とは決して見ない。
③残業しない人でも「終わらせる」ために残業することはあり、5時消灯がルールということはない。
④残業しない人でも、終わらなければ「終わらせる」ために土曜日に出社することはある。
ノー残業本は、アメリカの職場事情は進歩的で、残業というコンセプトを認めていないかのように書いているものが多いが、そんなことはまったくない。
◎書く仕事は、残業時間に輪郭をつけて日中に整えろ
とにかく書き終えてしまうことが重要だ。時間があれば少し詳細に書くし、時間がなければメモをどんどん書き込んで終わらせてしまう。2時間の私的残業でも最後まで書き、30分しかなくてもやはり最後まで書き上げるという面白いノウハウなのだ。自分でわからない部分があれば、「ここは総務に聞いて調べてくること」という自分へのメモを残して、筆をさきに進めていく。
◎イレギュラーな時間にイレギュラーな仕事をする
残業ゼロの職場でのリスクは、極端に日常業務遵守型になってしまうことである。言いかえれば、戦略を忌み嫌うスタイルになることだ。戦略を考えるとは「イレギュラーなこと」を考えるということを確実に含んでいる。私的残業をすることによってはじめてそれを戦略に昇華させ、段取りに展開していくことができるのである。
◎自分から飲みに誘うな
会社帰りの酒の付き合い(いわゆる職場酒)はあなたのためにならない。世の中にはものすごい残業をする人と、そしてものすごい職場酒をする人がいる。実力を向上させたいのなら、職場酒の時間は睡眠や私的残業に振り向けるべきだ。
◎残業時間に得られる「成長の処方箋」を利用しろ
仕事力を高める早道は、自分の仕事に対するフィードバック、つまり「自分は本当のところ、どこをどう頑張ればもっと伸びることができるのか」というヒントを上司からもらうことだ。そして質の良いフィードバックは、残業時間にこそもらえる。残業時間のような、蛍光灯の灯りがやけに明るく感じるシンとした環境は最適だ。
◎イレギュラータイムの効率を最大限に上げる
「空腹で残業してはあきませんよ。ね。体は大切にせな。トイレに行くふりしてコンビニに行って、まんじゅうでも買うておなかにいれなさいね。」一個でも違う。本当に違うのだ。
◎仕事が速い人は「一回し」がうまい
どんな仕事も、はじめの一歩が一番エネルギーがいる。残業してでもやりたいことの一つに、この「はじめの一回し」がある。はじめの一回しさえしたら、あとは人に回すなどして自分の手を放せる余裕ができてくるので、そのあいだに他の仕事に手をつけることができる。はじめの一回しをやってしまわないと、その「玉」はいつまでもあなたの手元にある。
しかし、ただ手をつければいいというものではない。一気に回してしまうことだ。逆にこの「一回し」をだらだらやっていると、ものすごく時間がかかる。
◎残業術でしか得られないもの
アメリカにどれだけの日本人がいようと、対米進出交渉で最も役に立つ日本人は私だと思っている。それは私が人より優秀なはずだとかいう、そういう思い上がりではない。ただたんに、だれよりも私的残業をしてきたという自負。それがあるだけだ。膨大な残業時間こそが、私が自分が日本一の対米進出コンサルタントだと思っている根拠である。私が積み重ねてきた残業こそが、私の自信となっている。
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