必ず役立つ! 「○○(マルマル)の法則」事典 (PHP文庫) 価格:¥ 650(税込) 発売日:2012-05-02 |
評価 (3点/5点満点)
法則とは、一定の条件のもとで成立する事物相互間の関係を意味します。この世には、ありとあらゆる法則が存在しますが、この本で取り上げる主な法則は「経験則」です。経験則は、人間の行動や経験から生まれた規則を意味してますが、それだけに絶対的ではなく必ず例外があるものです。
本書は特に社会生活や経済活動で、人生や仕事、暮らしの設計に役立つ法則を70個厳選し、紹介しています。
パレートの法則(80対20の法則)、マーフィーの法則、パーキンソンの法則など、多くのビジネス書で取り上げられている法則も登場しますが、本書の良点は、その法則の定義だけではなく、生まれた背景や経緯、またその法則に異論を唱える意見なども述べられており、多面的に理解することができます。
【my pick-up】
◎奇跡は1カ月に1回の割合で誰にでも起こる-リトルウッドの法則
ケンブリッジ大学の数学者のJ・E・リトルウッドは統計的根拠から、奇跡は何ら不思議な出来事ではなく、「奇跡は1カ月に1回の割合で誰にでも起こる」と主張した。つまり、奇跡は日常のありふれた出来事に過ぎないと考えたのである。
リトルウッド教授は、「奇跡」を「常識では理解できない特別な出来事」と規定しており、それが人に100万回に1回の割合で起きているという。
すなわち、人が目覚めて活動している間、それを意識しているかどうかは別として、1秒当たり1回は何らかの出来事(たとえばコンピュータを操作したり、新聞を読むなど)に出会っている。さらに人は、1日当たり平均約8時間、意識をはっきり持って生活をしているとする。
その前提に立つと、人は35日間に100万回の出来事に遭遇しているので、この間に少なくとも1回は、奇跡を経験していることになるという。従って、滅多に起こらない奇跡は、意外にも日常的なものだと考えたのである。
◎時間がたつにつれ、管理ポストは無能な上司で埋まる-ピーターの第1法則(無能上司の法則)
「ピーターの法則」は、主に職階制の中で働く人たちの実態を述べている。南カリフォルニア大学の教育学者、ローレンス・J・ピーター博士は、「職階制にいる限り、そこに勤める者は、自分の無能さを露呈する地位までは昇進できる」と喝破したのである。
別言すれば、各自の無能さが露呈するまでは昇進するため、それぞれのポストが、期待通りの能力を発揮できない人たちで占められてしまうということだ。
それなら、なぜ企業や役所は何らかの実績を残すような仕事ができるのだろうか。彼はその理由を、「仕事とは、自分の無能力さが具現するレベルにはまだ達していない、平社員や一般職員によって支えられている」と断ずるのである。
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