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2019年85冊目『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』

2019-02-23 19:47:47 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

「情報シャットアウト」の正体こそが、「バカ」の本質だ。人は誰でもバカになりうる。(P.30~31)

この本には、著者が体験した「バカな振る舞い」に関してのエピソードが集められています。

「バカ」は人の属性ではなく、考え方の属性。バカな人がいるのではなく、バカな考え方や振る舞い方があるだけなのです。

皆さんも、相手が何を考えているのか分かろうとせずに、相手を「バカ」と決めつけて遮断してないでしょうか?そのときバカは相手ではなく、私のほう。

よって、バカから抜け出す最もよい方法は、「聞くこと」「話を吟味すること」なのです。

対人関係の歪みは普遍的、かつ究極の悩みの1つですが、その歪みの原因は「認識の違い」によるものです。「認識の違い」とは、同じものを見ていても、各個人の脳が別の解釈をしてしまうことによるすれ違いなので、お互いが「当たり前」と思っていることを言い合えば言い合うほど、相手がバカにしか見えなくなります。これを解決するには、互いに相手の話を吟味し、「この人には何が見えているのか?」を推測する、高い知的能力が要求されます。

本書から、バカの原因が分かってしまえば、対人関係に不条理を感じることもほとんどなくなると思います。どんな人ともある程度、歩み寄れるようになるでしょう。

ちなみに本書では、養老孟司『バカの壁』やダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』は引用されていますが、これらを身近なエピソードをもとに分かりやすくかみ砕いた感じです。

【my pick-up】

◎「興味がない」という言葉は、自らを狭い世界に押し込める、言ってはいけない言葉。

本質的には「興味がない」という発言は、2つのことを示しています。1つは、「興味がない」と自分で線引きすることは、自分の枠組みを知識に圧しつけてしまっています。これは柔軟な発想ができなくなる行為です。知識はどこでつながるか予想ができない。「興味がない」と発言することで、真理に至る道を自分で閉ざしている可能性が高い。2つ目に、「興味がない」という発言は、周りの人にとても攻撃的な印象を与えます。「嫌い」よりも「無関心」のほうが人を傷つける。協力者を失うことは、大きな損失です。

◎仕事ができないのに、プライドだけは高い社員をどう扱ったらよいか。

プライドが高くて人の言うことを聞かないのだけは、直しようがない。彼らを変えることができたという会社のほとんどは「厳しく、冷たく」という方針を貫いている。また、別の会社の方針では、「要するに雑用として使います。できない人はどうしたってできないんです。別にこちらも期待しなければ摩擦は起きない」「結局、彼らは一度も冷たくされたことがないんですよ。そういう人をこちらから助けちゃダメなんですよ。だから私は絶対に甘やかさない。とことん冷たくして、チャレンジしたいという人だけ向き合います」。

◎「ふだんと違うこと」をしたあとに失敗すると、人間はより後悔が深まる。

成功は失敗より当たり前と考える人物にとって、転職はすさまじくハードルが高い。一般に、成功は失敗より当たり前と考えられているけれども、本当はビジネスは失敗がデフォルトなのである。彼はずっと41歳になるまで失敗をしてこなかった。それはすなわちチャレンジをしてこなかったということと同義である。逆に、彼がうらやむ20代、30代は若いうちからチャレンジをしている。彼らは結果的に転職先で失敗するかもしれないが、その経験は生涯にわたって活きるに違いない。安定を取るか、それともチャレンジするか。結局は、価値観の問題であり、生き様の問題である。

◎人間は、もともと意志ではなく惰性で動きやすい。

「気分」「マインド」が先ではなく、「行動することでやる気が出る」という従来のイメージと逆だ。「やる気が出ない」という言葉は、単純に「まだ始めていない」の言い換えにすぎない。本質的には「始めさえすれば」やる気は自然に湧いてくるのである。「何かを始めたい」「何かを継続したい」のであれば、それをいかに「意志の力を使わずに自動化するか」がカギなのである。

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