評価 (4点/5点満点)
「たたき台がなければ議論は始まらない」という共通認識があったボストンコンサルの元社員の著者が、「たたき台」を活用した仕事術について紹介します。
最初は完成度が低いものから始まって、いろんな人の意見やアイデアを取り込みながら、次第に完成度を高めていく。
たたき台はその名の通り、「叩かれ、鍛えられる」ためにある存在です。
たたき台を最強のコミュニケーションツールとして、周囲を巻き込み、活発な議論を生み出すことのできる道具として活用します。
・先読みできる=失敗を多く経験している(P58)
・社会人5年目になっても資料作りで何度もやり直しを命じられるなら、たたき台で基礎を作ってこなかったから(P105)
「他人のアタマを借りる」ための道具=たたき台を扱ったビジネス書は、今までありそうでなかったですね。
たたき台の作成・発展過程でAIを活用することも今後ありうるでしょう。
【my pick-up】
◎たたき台を出す人は、何もないゼロのところに議論を生み出す「ゼロイチの人」
「うまく話せるようになろう」と頑張るより、たたき台に代わりに語ってもらいます。たたき台を作る過程では、自分の頭の中の言語化が進みます。自分から詳しく説明しなくても、あとはたたき台が伝えてくれます。たたき台があれば、コミュニケーションによる精神的な負担はぐっと減るでしょう。
◎分かっていないことは書かないのではなく、空欄を書く
相手に考えてもらいたいときはそこを空欄にしておくのです。例えば「この案件で最も重要なことは何ですか?」と聞くより、「この案件で最も重要なことは□□□である」とたたき台に入れておきます。そして「この□□□には何が入りますか?」と問いかけます。隙と質問はとても相性がよく、自分が欲しい情報を相手からどんどん引き出せます。その威力を実感したら、隙を戦略的に使いたくなるはずです。
◎自分の意見を必ず入れる
たたき台であっても自分の意見を入れないと、相手からは何も引き出せません。「ここは3つのポイントにする」のようなちょっとした工夫でもいいのです。それに対して、相手が何かしら反応すれば上出来です。自分の意見を通せるようになると、社会人力や仕事力が高まっていきます。
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