評価 (3点/5点満点)
現在61歳の中谷彰宏さんが、「第2の20代」として原点回帰し、フットワークある50代の生き方を提案します。
50代になると、多くの人が元気がなくなってしまいます。人生を、20歳から60歳の基準で考えて、もう残りわずかという気持ちになるからです。
しかし、負け試合の消化試合のようなしょぼくれた感じは、本人が出しているだけで、体より前に、気持ちがめげている状態なんですね。
聞かれた時に「行ける!」と言ってあげるのが50代です。行けるか行けないかを判断するのではありません。まずは「行ける!」と言って、それを前提にどうすればいいかを考えるのです。(あとがきより)
人生100年時代では、50歳まではまったく下積みです。
これまでの経験を生かすとともに、新たな体験を50代でもしてきましょう。
【my pick-up】
◎座りきり老人にならない。自ら異動を楽しもう
若いうちから異動している人は、異動に強いです。ずっと本社勤務をして、異動を体験していない人は、1回の異動でポッキリ折れてしまうのです。同じところに長くいると、刺激がなくなります。逆に新しいことをしたほうが楽しめるのです。優等生の50代ほど異動が苦手です。「せっかく築き上げたこの椅子を失いたくない」と思うのは座りきり老人です。
◎工夫とは、今までのやり方を変えることだ
努力は、うまくいかなかった時に同じやり方でもっと力を入れることです。工夫は、うまくいかなかった時に違うやり方ですることです。尊敬される50代は「いい手を思いついた」と言うことから始めます。「なんですか」と聞くと、「今、考えている」と言われます。大切なのは冒頭に何を言うかです。問題よりも、うまくいっている話からしたほうがいいのです。「うまくいっていること、けっこういっぱいあるね」という流れに持っていけるのがリーダーです。残念な50代は、冒頭で「何か問題ありませんか?」と聞いています。そのわりに、誰かが問題を出したら、「なんでそうなったんだ、私は知らないよ」と言うのです。
◎自分が体験したことがないことから、付加価値が生まれる
付加価値とは、ほかの人がマネできないことです。生産性と付加価値を混同しないようにします。大切なのは、生産性ではなく、付加価値です。体験は、したことのないことをすることです。したことのあることをするのは、経験です。体験することで、自分自身の付加価値をつけられるのです。