評価 (3点/5点満点)
東京墨田区にある老舗時計部品メーカー「千葉精密工業」は、製造部と営業部の行き過ぎた部分最適の結果、業績が悪化。米国ファンドから出資を受け入れて危機を一時的に回避したが、1年後に業績が回復しなければ経営権が完全に奪われてしまう事態に。新米社長の千葉早苗は、会計士でコンサルタントの川上龍太のアドバイスを得て、MQ会計やTOCの理論を学び、経営の立て直しを図るが・・・。果たして、早苗は1年で見事に会社を立ち直せるのか?
「経営者失格」の烙印を押された27歳の女性社長が、会計とTOCを学んで1年で黒字化に挑むストーリー!
この本では、企業の業績向上という課題や使命を担う主に経営者やリーダー層の方々に向け、そのために必須の会計と経営理論を楽しみながら学べるようにストーリー形式で説明しています。
メインテーマは「MQ会計×TOC(制約理論)」です。
MQ会計とは?
MQ会計は、ビジネスの現場の実践に使える会計理論であり、以下の3つの特徴があります。
1.科学的な会計(制度会計の弱点である「みせかけの利益」が出ない)
2.戦略的な会計(経営の意思決定をするときの判断に役立つ)
3.誰でも分かる会計(ビジュアル的に分かりやすい)
TOC(制約理論)とは?
TOCは、業績を阻害している要因(ボトルネック)を集中的に改善することによって、企業の業績を劇的に改善させることのできる経営理論です。
MQ会計とは、付加価値を重視した経営の指標であり、TOCは、付加価値を増やすための具体的な思考法です。
MQ会計とTOCについては、それぞれで何冊も書籍が出ていますが、その両方を取り上げミックスして紹介しているのが本書の一番の特徴でしょう。
また、経理のベテランであればご存知の方も多い40年前の名著『人事屋が書いた経理の本』の著者が本書を監修しており、今回はその進化版と言えます。