厳選!ビジネス書 今年の200冊

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今年123冊目『インバスケット思考』

2011-06-06 17:01:39 | おすすめビジネス書
究極の判断力を身につけるインバスケット思考 究極の判断力を身につけるインバスケット思考
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2011-06-01

評価  (4点/5点満点)

「インバスケット」は、1950年代にアメリカ空軍で生まれたトレーニングツールで、制限時間内に架空の役職・人物になりきり、多くの未処理案件の処理をおこなうビジネスゲームです。現在、日本では一流と呼ばれる大手企業の多くが、管理職の教育や選抜用のテストとして活用しています。

本書は入門書という位置づけで、実際よりやや易しめの問題(店長の辞令を言い渡された23歳の青山みあが、翌日からの海外研修を前に、未知の20案件を処理)を体験することができます。

インバスケットを活用する企業はここ数年でさらに増えており、現実的でかつ今まで観察できなかった意思決定の方法や仕事の進め方、人や組織の活用方法、マネジメント力などがインバスケットで観察できます。

しかし、私もこれまで会社の昇格等の節目でインバスケットを何回か受けてきましたが、参考となる書籍って意外とないんですよね。あったとしても、大学の先生が書いた少し実践からは離れたものぐらい・・・

この本では一般のビジネス書として、インバスケット問題をストーリー仕立てで紹介するなど分かりやすさに努め、かつリーダー・マネージャーの業務遂行の基礎的なポイントが網羅的にまとめられています。インバスケットを初めて人事等のテストとして受ける方は、どんなものかを掴むため是非読んでほしいです。

【my pick-up】

◎優先順位設定-二つの軸

本来リーダーが目を向けなければならない領域はどこでしょうか?それは、Bの領域(重要度高・緊急度低)なのです。Aの領域(重要度高・緊急度高)に移動する前に、Bの領域にある段階で、案件に取り組むことが重要なのです。

Cの象限(重要度低・緊急度高)の案件は放置していてもAに変化することはほとんどありません。このCの象限を重視すると、Bの象限を放置することになるのです。

◎意思決定力-意思決定を避けない

「保留する」や「延期する」、「誰かに任せる」などの判断も立派な意思決定の一つです。

自分が判断できないから誰かに任せるという意思決定も選択肢に入っていますが、これは意思決定をゆだねる理由が正当なときだけ成り立ちます。たとえば意思決定するにあたって高度な専門知識が必要である、または職務権限をはずれるなどの理由です。

◎組織活用力-レポートライン

組織図は「レポートライン」を明確にするという機能もあります。「レポートライン」とは、報告や連絡、情報や指示などを誰が誰に対しておこなうべきかを明確にしたものです。

組織図は、指示だけではなく、情報や報告の通り道を示しています。この通り道にはあるルールがあります。一つは、ライン上にいる部署、もしくは人物を飛び越えないこと。

仮に、緊急事態の場合に、管理部長に連絡がつかず、経営幹部に直接報告するとしても、管理部長には必ず、事後報告をおこなわなければなりません。

レポートラインのルールを守ることは、組織としての規範を守るだけではなく、あなたのチームの目標達成に支障を生じさせないための大事な行動なのです。

コメント (1)
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