あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法―脳科学の最高権威がはじめて明かす 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2010-12-10 |
評価 (4点/5点満点)
京都大学名誉教授で、日本における脳、特に前頭前野の構造・機能研究の最高権威である久保田競さんが、最近の根拠の弱い〝短時間睡眠本〟や〝朝活本〟、〝脳とストレス本〟に対するアンチテーゼとして、「朝活」を超えた超「朝活」法を提唱します。ちなみに、著者の妻のカヨ子さんは、「脳科学おばあちゃん」としてTVでも話題となりました。
・「7時間睡眠」を確保しないといけない理由
・ぐっすり眠るための日々の運動習慣
・寝る前にストレスから解放される方法
・早起きすることでいいことが起こってくる快感報酬システム
特に、「人間にとって最適な睡眠時間は1日トータルで7時間(正確には6時間半以上7時間半未満)」であることが最新の脳科学の研究でわかってきました。
また、著者自身が46歳のときから走り始めたことで、心身の健康を意識するようになり、2年間で23kgの減量に成功し、78歳の今でも継続して走っているそうです。
私も2年前の35歳のときにジョギングを始め、体重は当時の75kgから55kgまで減少しました。健康の3大要素である運動・睡眠・食事のうち、運動がうまくいけば残りの2つも自然と改善されるのを実感しており、それが脳科学的にも理に適っていることが本書からも理解できます。
【my pick-up】
◎クボタ式「心地よい睡眠」の秘策は?
たとえうつ病であっても初期なら症状が改善され、ぐっすりと快適な睡眠へと導く習慣をご紹介します。それは、ジョギングです。
私もビール党なので、帰宅後、ビールを開けて、テレビを見ながらソファーでくつろぎたい気持ちもわかりますが、その前に、サッと着替えて20~30分だけ走ってみてください。そのあとのビールのほうが、絶対においしく飲めますから!
この2~3年のジョギングブームで、東京では早朝や仕事帰りに皇居前などを走るランナーも増えました。いまから約30年前に『ランニングと脳-走る大脳生理学者』(朝倉書店)を執筆し、その後もことあるごとに「走ることは身体だけでなく脳にもいい」ことを力説してきた私にとって、このブームは本当にうれしいことです。
◎晩ご飯前に走り、寝る1時間前にはジョギングを終える
1人で走っても危なくないジョギングコースが近くにあれば、夜30分程度、走ることをお勧めします。
というのも、朝は眠ったあとで身体にエネルギーが充電された状態です。さまざまな問題を解決し、効率よく仕事をこなすことができる黄金の時間帯ですから、走るよりも、より高度な知的生産活動に費やしたほうがいいからです。
夜は、仕事で疲れて、家にいてもぼんやりリラックスしているだけなので、その時間を利用して走るのが、睡眠のためにも、1日の時間の使い方からもよいのです。
◎運動量とカロリー消費量の目安
1km、どんな速度でもいいので走れば、概ね1kcalが消費されます。たとえば、体重60kgの人であれば、概ね60kcalが消費されます。
大雑把な目安でいうと、歩く場合は、だいたい走る場合の半分程度の消費カロリーとなります。
◎驚愕の事実「起床後20分が最もストレスに強い」
ストレスホルモンのコルチゾールが起床後20分にその濃度が1日の最高値になるということは、あまり一般には知られていません。
どうか、ここでそのことを頭にインプットしていただき、厄介なことは午前中、なるべく早い時間にすませたほうがうまくいく、ということを覚えておいてください。
◎脳科学的に正しい、ストレスに勝つ3種の神器
実はストレスに打ち勝つ、科学的に実証された方法があります。それは、①7時間睡眠、②運動習慣、③健康的な食事です。
なかでも「運動」は健康的な生活習慣のカギとなります。なぜなら、運動することで7時間ぐっすり眠ることができ、食事の量も適正なものになるからです。
また運動には、「よい精神状態」を生み出す効用が確実にあります。