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拾い読み★2011-028≪コラム記事≫

2011年01月27日 19時40分01秒 | マリーンズ2011~15
阪神・小林宏之は“8回の男”が正解か!?



 「(久保田、球児との3人で)“トリプルK”か。いいね。まあ、競争があっていいんじゃない」
 阪神がFAで小林宏之を獲得した報せに、巨人の滝鼻卓雄オーナーはこうコメントした。余裕にも感じられる一言だが、一足先に“後ろ”が固まったライバル球団に対し、内心、ちょっとうらやましさも漂わせている、といっては深読みしすぎだろうか。
 実際に阪神は、久保田智之を7回、小林宏を“8回の男”に指名し、9回には藤川球児と、JFK以来となる磐石な救援陣を確立した。
 もっとも、球児がいて、久保田がいて、まだ後ろ(リリーフ)を厚くする意味があるのか。獲得に臨むと聞いたとき、一瞬、解せない気もした。しかし昨季は後半に救援陣が息切れし、あと一歩のところで中日にゴールをさらわれたのも事実。それどころか昨季の数字を見ると、意外な結果が残されている。
 リーグ優勝した中日とのゲーム差は、わずか1。ところが投手陣の成績を比べてみると、チーム防御率は中日の3.29に対して阪神は4.05。先発陣の防御率も中日が3.42で阪神は4.14だった。そして救援陣も中日3.02に対して阪神は3.91と1点近くも下回っていた。ちなみに救援陣の防御率は中日、巨人(3.34)、ヤクルト(3.39)に次いでリーグ4位。さらに8回に限ってみれば失点は81で、これはリーグ5位(巨人=55、中日=66、ヤクルト=67、広島=78、横浜=86)。厚みを増すというよりも、この差を埋めるべく必要不可欠な存在として小林宏を獲得した、というのが実情だったのだ。
「これで昨季7回に登板していた西村憲ら他の中継ぎ陣が6回を任されることになり、先発は5回まででよくなる」(スポーツ紙担当記者)という、なんとも恵まれた投手陣に生まれ変わったわけだ。
 ただ問題はリリーフの3人の調子をいかにシーズンを通して維持させ、使い続けられるかということになる。セ・リーグ他球団のスコアラーは、次のように指摘する。
「阪神の首脳陣は“7回までにリードすれば、とにかく久保田、球児”というセオリーにとらわれ過ぎている。昨季は、明らかに頼りすぎ(使いすぎ)、負担をかけて終盤に息切れさせてしまった。あのふたりがいて救援陣の防御率がリーグ4位なのは、そのためなんですよ」
 小林宏が加わっても、3人を開幕からフル回転させてしまえば昨年の二の舞いだ。それを回避するには、点差により小林宏を休ませて久保田からいきなり球児へ。あるいは久保田を休ませて小林宏が7、8回と投げるといった臨機応変さが重要になる。
 だか、言うは易し。先発投手のコンディションと試合の流れ、相手打線との絡みなど、すべてを瞬時に察し、ためらわずに判断しなければならない。それも星を落とすことなく、シーズン通して。当然のことにも思えるが、これはじつに至難の業だ。
 またここに来て、小林宏を先発で起用するという話も出てきている。
「現段階の真弓監督の考えは、先発は久保康友、スタンリッジ、能見篤史と秋季キャンプで完全復調した岩田稔の4枚を軸に、まずは開幕をスタートさせたい構想のようです。でもこのうち1枚でも故障や不調で外れるときがあれば、小林宏を先発にまわすことも考えている」(球団関係者)
 ただし、これもシーズンのどのタイミングで決断するか、難題だ。
 ただ、シーズン中の先発転向は、小林宏本人も不安要素がないわけではない。
「小林宏はロッテ時代の02年にシーズン当初は先発でしたが、途中からセットアップにまわった。逆に翌03年はリリーフで開幕を迎え、シーズン半ばに再び先発に戻るといった経験をしている。成績自体は遜色ないものの、コンディション調整に非常に苦しんだと聞いています」(パ・リーグスコアラー)
 ましてや初めてのセ・リーグ。キャンプに臨む1年目の今季は“8回の男”に集中し、仕上げていきたいのが本音だろう。
 いずれにしても小林宏という先発もリリーフもできる投手が加わったことで阪神投手陣に厚みが増したことは間違いない。その小林宏をどう生かしていくのか、首脳陣の采配と決断力が大きなカギを握るシーズンとなりそうだ。
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