都市と楽しみ

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壊される・壊れる建物を作る建築家は環境と建築の敵、反対に良い建築は残す

2024-09-26 02:03:04 | 都市開発

 最近、有名建築家の建物の外部の短期老朽化・傷みやメンテナンス・コストの追加、更には、バブル期の文化施設のランニング・コスト低減のための取壊しなどが取り上がられている。

 エコ(素材)を狙った設計がエコ(耐用性)ではなかったという笑い話になっている。また、お荷物施設、危険施設ともなっている例がある( https://nikkan-spa.jp/1757303 )。例示すると:

①短命建築

・高松伸の一連の建築、ほとんど10年から20年の短命にて初期のバブル建築は解体された。当時、外観は「面白い」と思ったが内部の狭さに驚いた→バブルの設計料を謳歌した建築家だろう、作風は変容させたようだが新川のキリンビールの建物( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%83%B3%E6%9C%AC%E7%A4%BE%E3%83%93%E3%83%AB )も短命だった

取り壊されたビルなどのリスト http://uratti.web.fc2.com/architecture/sin/sin.htm 

 

②耐久性のない(または設計の瑕疵がある)建築

 有名な事例はBoston John Hancock Tower のカーテン・ウォール落下がある

https://en.wikipedia.org/wiki/John_Hancock_Tower

https://buildingsdb.com/MA/boston/john-hancock-tower/

但し、新しいカーテン・ウォールにやり替えて、ボストンのランドマークとなっている。なお、ボストンはI.M.Peiの建物が多く、親しまれている。 ( https://www.bostonmagazine.com/property/2019/05/17/pei-buildings-boston/ )

 最近、我が国でも問題建築と建築家は多い、これは素材の選定と使い方に問題がある。建築家としての責任を考えるべきだ

・隈研吾:木材の劣化→安易な木材の使用、忘れられる建築家だろう

https://biz-journal.jp/journalism/post_383321.html

・磯崎新:スレートの落下 3施設→恥ずべきではないか

http://pacecontinua.com/?p=348

 

③用途・動線などの問題があり使われなくなる建築

・松江テルサ:今や使いにくい建築としてお荷物だ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%B1%9F%E3%83%86%E3%83%AB%E3%82%B5

https://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/20240911/4030019939.html

・TIME’S(京都 三条木屋町)安藤忠雄の出世作は空きビルのまま→安藤忠雄とは歩きにくいか、住みにくいか、単純な形態の組合せ志向であり建築(人の住む環境整備)ではない、建築に名をかりた造形作家と言うしかない

 前に書いた https://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/e/723468e911e42c6496c235ffb36ebe7c 

 今も空きビルのままだ、前はテナント2店があったのに訝る、ハートビル法など法令対応への不備だろうか、となると一棟貸などしか方策がない

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/973157 

https://osawajimusyo.net/archives/448 

 グラングリーンでもミュージアムVS.など設計監修をしておきながら「これはなんやねんと、今も分かっておりません」( https://news.yahoo.co.jp/articles/1c4bd37987400afa07d0c226880d7dcda10b7fba )と言う。グラングリーンは「建物全部」妹島に設計を任せればよかったと思う。

 

④残すべき建築の解体予定:再活用を更に検討か

・国立劇場解体とPFI不調→再検討に、そもそもリニューアルが前提で活用すべきであった、東京では村野藤吾の旧長銀ビルをはじめ近代建築の破壊が進みすぎている

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E5%8A%87%E5%A0%B4 

https://toyokeizai.net/articles/-/821791?display=b 

 

 結論として、長く使える、永く都市のランドマークとなる、人々に愛着を持たれる建物が設計されるべきだ。

 さらに時代や社会の新たなような要請に対応できる柔軟性、可変性も設計に見込む必要がある。

 不必要な意匠の廃止や、雨仕舞や対候性を考えたディティールの設計能力も必要だ

 本当に、長持ちするランドマークは、これらの要素を踏まえている。その時代に「うける」だけの建築なら、博覧会のパヴィリオンと同じだ。内部を利用する機能も、外部を都市景観に溶け込ませ街並みの要点となる機能もない。

 今も残る「生き抜いた名建築」こそ大切にし、時間に対応した手法を今後の設計に取り入れるべきだ

 思いつきの素材や、CAD利用の複雑な曲面や組合せ、奇をてらう意匠は建築家の矜持に反するはずだ

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