毎年8月1日~7日は「世界母乳育児週間」です。
ナースアウトの目的の一つに、世界母乳育児週間に賛同することもあげられています。
色々と考えるきっかけになれば…と思い、毎年「世界母乳育児週間」のテーマをナースアウトのサブテーマとしています。
今年度の世界母乳育児週間のテーマは、
Breastfeeding - Just 10 Steps!
The Baby-Friendly Way
母乳育児:ただ「10ヵ条」を守るだけ! 赤ちゃんにやさしい方法
です。
今年のテーマにもあげられている「母乳育児成功のための10か条」について簡単に紹介したいと思います。
1989年、世界保健機構(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)は、「母乳育児の保護、促進、そして支援―産科施設の特別な役割」と題する共同声明を発表し、世界のすべての産科施設に対して「母乳育児成功のための10か条」を守るように呼びかけました。
また、この10カ条を長期にわたって尊守し、実践する産科施設を、赤ちゃんにやさしい病院:Baby Friendly Hospital(BFH)として認定しています。
母乳育児成功のための10か条の内容は以下の通りです。
●母乳育児成功のための10か条●
産科医療や新生児ケアにかかわるすべての施設は以下の条項をまもらなくてはなりません。
1、母乳育児についての基本方針を文書にし、関係するすべての保健医療スタッフに周知徹底しましょう。
2、この方針を実践するのに必要な技能を、すべての関係する保健医療スタッフに訓練しましょう。
3、妊娠した女性すべてに母乳育児の利点とその方法に関する情報を提供しましょう。
4、産後、30分以内に母乳育児が開始できるよう、母親を援助しましょう。
5、母親に母乳育児のやり方を教え、母と子が離れることが避けられない場合でも母乳分泌を維持できるような方法を教えましょう。
6、医学的に必要でないかぎり、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょう。
7、母親と赤ちゃんがいっしょにいられるように、終日、母子同室を実施しましょう。
8、赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけの授乳を勧めましょう。
9、母乳で育てられている赤ちゃんに人工乳首やおしゃぶりを与えないようにしましょう。
10、母乳育児を支援するグループづくりを後援し、産科施設の退院時に母親に紹介しましょう
(WHO/UNICEF: the Ten Steps to Successful Breastfeeding,1989)
母乳育児に力を入れる産科施設は増えてきていますが、日本国内でBFHに認定されている施設はわずか61施設(2009年8月現在)と多いとは言えません。
ナースアウトのイベントに参加してもらうことによって、より多くの人に母乳育児について関心が高まることを願います