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-アメリカの仮想敵国はドイツでなく日本だった-(GHQ焚書図書開封 第63回)

2017-05-19 06:36:03 | 近現代史
GHQ焚書図書開封 第63回
-アメリカの仮想敵国はドイツでなく日本だった-
 昭和7年に刊行された「日米戦う可きか」は写真が多用された論文集。この時代、国民の間では日米戦について余り問題視されていなかったが、出版の世界では日米戦争について盛んに論じられていた。
明治の軍略家秋山真之も学んだアルフレッド・セイヤー・マハンの「海上権力史論」(1890年)。
ローマがポエミ戦争でカルタゴに、フランスがナポレオン戦争でイギリスに勝利したのも海上の支配権を握っていた側だったことから、セオドア・ルーズベルトは海軍の重要性を理解していた。
第一次世界大戦(1914-18年)後、両雄並び立たず、西進侵略を謀るアメリカにとって日本は邪魔な存在となった。
欧米の干渉を拒絶し、南北アメリカを支配するモンロー主義だけなら防衛的海軍で済んだが、英仏日独露の割拠する支那大陸に介入し、門戸開放主義、機会均等主義を主張するためには大海軍の所有が必要であった。
ロンドン軍縮会議(1930年)で、10年間巡洋艦の新規建造を禁止されるという屈辱的条約を呑んだ日本海軍条約派、これに異を唱えた艦隊派との内部分裂が生まれ、その後、海軍は抑止力を失い弱体化の方向に向かって行った。
これは、明らかに、大川周明のいうように外交の敗北であった。(第22回大川周明「米英東亜侵略史」を読む(ロンドン軍縮協定と日本の曲がり角)参照)
戦勝国には、軍人が大統領になったり、大統領が軍人になることを誇りとする風潮があり、また、若者は有事には進んで志願兵になることを希望するが、敗戦国にはそれがない。
ドイツの若者は徴兵を忌避するため、ドイツの国防軍は、外国移民によって維持されている。
第一次世界大戦後、アメリカ陸軍は、ハワイ、パナマ、フィリッピンに重点的に配置され、本土陸軍もメキシコから太平洋防衛に回された。日本を仮想敵国とみなし、軍備充実を図っていたのである。
当時、ヨーロッパ諸国は、第一次世界大戦で傷を負わずに発展した日米同士の日米戦を望んでいた。戦争による景気回復が期待できたからである。
ソ連が第三者の立場から予測・分析していた日米戦は、日本にとっては国家存亡の戦いになるが、アメリカは仮に負けても植民地戦争で植民地を失った程度に過ぎずアメリカ本国はさほど痛手を受けないだろうとみていた。従って、日本は、アメリカから開戦を迫られるか、日本が勝利できる確実性がない限り、戦争を選択しないだろうと結論づけていた。
参考文献:「日米戰う可きか -世界知識増刊-」新光社
ジャンル:
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