いとうな日々

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介護崩壊

2008-01-04 | 介護問題
新年早々、嫌な話だ。戦後(第二次大戦)世界いたるところで「安全神話」が崩壊している。事件や事故によって信用を失墜し、倒産や廃業に追い込まれる企業は少なくない。「金属疲労」「制度疲労」「モラルの低下」は日本ばかりではない。

社会保険庁による不祥事によって、国民の年金に対する不信が大きく取り沙汰されている。「年金問題」ばかりではない。「介護保険制度」も、発足から十年にも満たない段階で、崩壊の危機がささやかれている。「介護放棄」「介護殺人」「介護心中」等々、介護にまつわる事件が数多く報じられている。

高齢化が予想をはるかに上回るペースで進展する中、家族を介護地獄から救うための制度として期待された「ゴールドプラン」や「介護保険制度」はその理想から大きく乖離してしまった。国は、ゴールドプランや介護保険制度の誕生で、昔小説や映画などで描かれた家族が犠牲となる「介護地獄」の様相は軽減されたとPRしているのであるが、実体はむしろ悪化している。

2007年、団塊の世代が定年を迎え、これから介護が必要となる人員が増加することは必死の状況だ。これから老後を迎える人々、それを支えなければならない世代の人々は、介護の実態を知り、国の高齢者福祉がどうあるべきかを考える上で、本書は十分な動機付けとなるであろう。この本は「過酷な現場で頑張って働いているヘルパーたちの気持ちもわからず、ただ機械的に収支の均衡と制度の効率的な運用ばかりを考えている官僚と、その官僚には何もいえない不勉強な政治家たちがいるかぎり、間違いなく日本の介護は崩壊するだろう」と結論付けている。



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